2013年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« GPシリーズ女子のPCS | トップページ | ザヤックルールとコンビネーション回数制限・前編 »

2008年3月22日 (土)

GPシリーズ男子のPCS

世界選手権、残すは男子フリーのみになってしまいました。
ろくにレビューとかできない状態で申し訳ありません。プロトコルもまだちゃんと見ていない状況。でも毎日テレビで演技を見ています。

で、今回はタイムリーなのか思いっきり時季はずれなのか微妙なGPシリーズ男子シングルのPCSについて。
女子と比較して思うのはSSと他観点との差がプラスマイナスで極端だということ。特にマイナスになっている(他観点の評価が高い)選手が多いのです。
このような傾向が出てくる理由は、男子は体力があり要素以外に割ける力、あるいはスケートが拙くても身体能力で補える部分が多いということや、身体能力のピークが技術や精神面での成熟に合わせてやってくることから個性や芸術性についてよく考えてそれを実施できる選手が多いということではないかと思っています。
それゆえ私は男子の方が競技としては好きだったりもするのですが、一方で4回転などプログラムに負担をかける大技が回避される傾向にあるともいわれてしまったりします。ジャッジとしてはそのバランスをとるためか、プログラムに負担をかける大技が入るとそれだけでSSが高く出たりします。それが逆に他観点との差を広げる場合を生んでいそうな気がします。
「いかに難度の高い技術要素を自然にプログラムに組み込むか」と「全体の完成度や音楽の流れをいかに調和させていくか」のどちらに高いPCSを与えていくべきなのか、このあたりは議論も分かれてきますね。

では、具体的な数字をあげていってみたいと思います。

◆男子SP◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (31.51)
2 ロシア杯 (31.18)
3 スケートアメリカ (30.50)
4 中国杯 (30.20)
5 エリックボンパール杯 (29.86)
6 スケートカナダ (29.00)
ちなみにファイナルは36.21
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.45)
2 スケートアメリカ (0.56)
3 ロシア杯 (0.57)
4 中国杯 (0.72)
5 エリックボンパール杯 (0.94)
6 スケートカナダ (1.31)
ちなみにファイナルは0.67

その上で
・SS分布
7点台 16
6点台 33
5点台 28
・TR分布
7点台 11
6点台 22
5点台 36
4点台 8
・PE分布
7点台 14
6点台 30
5点台 29
4点台 4
・CH分布
8点台 1
7点台 16
6点台 28
5点台 29
4点台 3
・IN分布
8点台 1
7点台 16
6点台 29
5点台 26
4点台 5
最高点は全てGPファイナルの高橋大輔選手。順に 7.95 7.60 7.90 8.15 8.10

・SS-TR 最低差 スティーヴン・キャリエール(NHK杯) 0.0
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 23
0.25~ 0.49 40
0.00~ 0.24 12
・SS-PE 最低差 高橋大輔(スケートアメリカ) -0.4
0.50~ 0.74 3
0.25~ 0.49 24
0.00~ 0.24 33
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 1
・SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.45
0.50~ 0.74 1
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 32
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 3
・SS-IN 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.70
0.50~ 0.74 6
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~ 0.01 25
-0.50~-0.26 3

・トータル 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -1.25
2.00~ 2.99 4
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 30
-1.00~-0.01 12
-2.00~-1.01 1

◆男子FS◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 ロシア杯 (63.07)
2 NHK杯 (62.55)
3 スケートアメリカ (61.44)
4 中国杯 (60.78)
5 エリックボンパール杯 (60.52)
6 スケートカナダ (59.33)
ちなみにファイナルは72.43
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.77)
2 ロシア杯 (0.78)
3 中国杯 (0.84)
4 エリックボンパール杯 (0.85)
5 スケートカナダ (1.38)
6 スケートアメリカ (1.47)
ちなみにファイナルは0.74

その上で
・SS分布 最高点 ステファン・ランビエール、高橋大輔(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 33
5点台 24
4点台 1
・TR分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.60
7点台 13
6点台 23
5点台 32
4点台 9
・PE分布 最高点 ステファン・ランビエール(ロシア杯) 7.90
7点台 18
6点台 28
5点台 26
4点台 5
・CH分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 29
5点台 24
4点台 5
・IN分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 8.25
8点台 2
7点台 18
6点台 23
5点台 27
4点台 7

SS-TR 最低差 ショーン・ソーヤー(NHK杯) -0.05
1.00~ 1.24 3
0.75~ 0.99 7
0.50~ 0.74 22
0.25~ 0.49 35
0.00~ 0.24 9
-0.25~-0.01 1
SS-PE 最低差 クリストファー・ベルントソン(ロシア杯) -0.35
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~-0.01 14
-0.50~-0.26 1
SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(スケートアメリカ) -0.45
0.75~ 0.99 1
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 31
-0.25~-0.01 11
-0.50~-0.26 2
SS-IN 最低差 エヴァン・ライサチェク(スケートアメリカ) -0.40
1.00~ 1.24 1
0.75~ 0.99 5
0.50~ 0.74 9
0.25~ 0.49 17
0.00~ 0.24 24
-0.25~ 0.01 15
-0.50~-0.26 6

トータル 最低差 ジェフリー・バトル(ロシア杯)、スティーヴン・キャリエール(NHK杯) -0.70
3.00~ 3.99 4
2.00~ 2.99 7
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 28
-1.00~-0.01 12

いかがでしょう。ショートでは高橋選手が、フリーではランビエール選手が高い評価を受けていることが一目でわかります。
それゆえこれらのプログラムを「マスターピース」と呼ぶ人がいますが、一方でマスターピースというのはもっと正統派な演技を指すものではないかと思う人も、特に古くからのフィギュアファンには少なくないようです。バトル選手やウィアー選手といった芸術性が高いといわれる選手のプログラムと少し違うのは、「これぞフィギュアスケート」というラインをあえて外し、スケートで表現するのが難しい動きを取り入れている点です。とりわけ鋭いリズムを巧みに表現するエッジワークと大胆な上体の動きは見る人に新鮮な驚きを与えます。逆に「これはフィギュアスケートではない」といわれる可能性もあるわけですが、しかし、スケート技術がなければ絶対にできないプログラムをしていることは誰もが認めざるを得ません。
正統な美しいスケートと、新鮮でエキサイティングなスケート、どちらがより素晴らしいのか、この点は私は、答えは出ないと思っています。ただ思うのは、いろいろな志向があるから、フィギュアスケートは面白いのだということです。ただ一点私がルールに注文をつけたいことがあるとすれば、できるだけ客観的でありつつも、演技の画一化をうながすようなルールであってほしくない、ということです。

他観点の評価では、さまざまなレベルで高評価が出ていますが、キャリエール選手の評価が高いことは注目に値します。
彼は決して演技派ではないし、実施している要素もあまり大技はないのですが、とにかく巧さがあります。突出した見どころがないからなんとなしに流れていきがちですが、さりげなく難しいつなぎを入れていたり、そつなく見苦しいところのない演技をまとめてくる力があります。NHK杯で見たときに感じたのは「下位選手とはやはり違う。演技が作品になっている」ということでした。興奮は与えなくても決して退屈することのない、安心してみられる心地よい演技でした。

世界選手権のフリー、本当に楽しみですね。四大陸の頃までは高橋選手が飛び抜けている感じでしたが、こうして出揃ってみると本当に誰が勝ってもおかしくない状況にあると思います。
一人でも多くの選手が、納得のいく演技をすることを今から願っています。

« GPシリーズ女子のPCS | トップページ | ザヤックルールとコンビネーション回数制限・前編 »

データベース-GPシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/527645/11653968

この記事へのトラックバック一覧です: GPシリーズ男子のPCS:

« GPシリーズ女子のPCS | トップページ | ザヤックルールとコンビネーション回数制限・前編 »