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2008年5月 4日 (日)

ISU Communication1494 その2

今回のルール変更について、続いてはミスに対するGOE減点のガイドラインを見ていってみましょう。

◆単独ジャンプ
・SPにおいて、要求される回転数より少ない(回転不足によるダウングレードは含まない) GOE-3
・1/4以内の回転不足 -2 →  -1~-2
質の悪い踏み切り -1~-2

◆コンビネーションジャンプ、ジャンプシークエンス
・SPにおいて、要求される回転数より少ない(回転不足によるダウングレードは含まない) GOE-3
両方のジャンプがダウングレード -1~-3,-GOE → -3,-GOE
一方のジャンプがダウングレード -1~-3,-GOE → -1~-2,-GOE

◆スピン、コンビネーションスピン
・質の悪い足換え(たとえばシットスピンの足換えで中間姿勢になってしまうようなもの) -1~-3

◆ステップ、スパイラル
パターン全体の半分未満しかステップ、スパイラルをしていない -1~-3

いかがでしょう。実はちょっと私自身、意味がよくわからない箇所があります。
というのは、「質の悪い踏み切りって?」ということ。不正エッジ、両足踏み切りに関する減点は依然として存在します。となれば、踏み切りのタイミングより回転開始のタイミングの方が早い、あるいは踏み切りをしてからブレードが完全に離氷するまでにかなり回転が進んでいるようなタイプのジャンプのことを指しているのだろうか、と思うのですが。この点はちょっと謎です。

他にちょっと慣れない項目は、ステップ、スパイラルの減点の部分でしょうか。シークエンスと言うにはちょっと間延びしてスカスカであることを、パターンの長さで測るという基準を持ち出した点です。
昨シーズンまではこれを時間の長さで測っていましたが、減速したステップなどを長々と続けるよりは同じ距離を猛スピードで駆け抜けてもらった方が、ずっと見栄えはいいものです。
たとえばリンクの端から端までスパイラルで10秒かかる人と5秒かかる人がいたとしたら、後者の人の方が技術は高いといえます。しかし、そこで足を変えてポジションを変えるのにかけられる時間が、前者は10秒とたっぷり、後者は5秒と余裕がないのでは、後者の方が損をしてしまうことになります。ですからスパイラルをしていた時間ではなく、その距離を引き合いに出したと思われます。

ダウングレードについて、コンビネーションでは一方のジャンプのダウングレードと両方のジャンプのダウングレードの項目を分割しました。
これはたとえば3F<+2Tよりも3F<+3T<の方が、他の観点を除けば低い得点になる、ということです。回転不足の程度にもよりますが、1つのジャンプのみのダウングレードに対する減点は現在よりも軽減された、という見方もできますが、2つダウングレードなら程度にかかわらず転倒のような大きなミスと同程度の減点をすべき、というのはなかなか厳しい見解だなぁと私は思いました。

ここからは少し本題から逸れます。
しかしダウングレードというのは、ありがちな、傍目には目立たないミスではありますが、「そもそもそのジャンプとして成立していない」、ジャンプの定義そのものに反するミスではあるのです。エッジのサイドを使わずまっすぐのスパイラルをしても、レベルをとられないのと同じようなものです。
ですから甚だしい回転不足のジャンプを「そのジャンプを跳んだ」ものとして容認するという考え方自体が、スケートの正しい技術を否定している、という冷たい見方をすることもできます。
とりわけ、回転不足での転倒。回転不足の転倒は、踏み切る技術と軸を作る技術がそれなりにできていれば、そのジャンプを跳ぶ技術が全くなくてもできてしまうことです。4回転を跳んだこともないような選手が他の要素に影響のでないようなプログラムの最後に4回転のアクセルを跳んで回転不足で転倒し、それに対してトリプルアクセル以上の得点が出たら、皆さんはどう思いますか? そんなものにそのジャンプを跳んだことを認めるような定義に基づく得点を与える価値があるでしょうか?
もちろん、そのジャンプを跳ぶ技術があるのに、ほんの少しの狂いでこのようなミスをしてしまうこともあります。けれども、だからといってそれに高い得点を与えることは、「4回転が跳べる選手に対しては、4回転を跳ばず3回転を跳んでも4回転を跳んだことにして点を与えるべきだ」と言っているのと何ら変わりないわけです。

とはいえ、曲がりなりにも着氷したジャンプについては、それなりの技術を認めてもいいのにな、という気持ちが私にも正直あります。

一つ言えることは、システムというのは所詮システムだということです。もっと細やかなスケートの価値を評価するためにPCSがありますし、複数のジャッジが存在します。それらが機械的なシステムと補い合うことによって、スポーツとしても芸術としても価値の高いものを評価していくシステムになるということが、COPの狙いだと思っています。

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