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2008年6月30日 (月)

たまには演技のことを語ってみる・DOI編

日曜に、日本フィギュアの新しいシーズンの幕開けを告げるアイスショー「ドリームオンアイス」の放送がありました。できることなら生で観たいものですが、諸事情でいつもテレビ…。
普段演技の感想のようなことはこのブログでは書かない、というか、競技会のことを書くのって本当に難しくて、他の方のレビューなどを見て「よくこういう風にまとめられるなぁ」といつもうらやましく思っています。
けれども今回はショーですから、自分の好み全開で少し感想を書いてみたいと思います。
うろ覚えですがだいたい放送順…だと思うけど、うろ覚え。

武田奈也選手
放送開始時間を勘違いしていて、途中からしか見られなかった!録画をあとでじっくり見返したいと思います。
彼女はほんっとうにかわいいですよねー。音楽に合わせて体を動かすことに本当に歓びを感じている印象が伝わってくるんですよ。何よりもフィギュアスケートの歓びを伝えてくれるスケーターだと思っています。

水津瑠美選手
このエキゾチックなナンバー、雰囲気がとっても素敵で、彼女の美しさをとっても引き立てていると思います。ただ、テレビで見ているためか、もっと「うっとり」させるような幻想的なパートがあってもいいのかな、と思います。踊りでの「無表情」って「表情」なんですよね。どんなきつい動きをしていても、首の角度とか目線がぶれないというのは立派な演技力なんです。もっとそういう「演技」ができれば、よくなるように思います。ただ動きが変わっているだけではなくて、東洋の瞑想的なムードがあったら私の好みにドンピシャリなんですが。

小塚崇彦選手
選曲がユニークですね。肩肘張らずに楽しく演じられる感じで、いいと思いました。技術的にも遊びいっぱいでとにかく楽しい! フットワークは相変わらずのすばらしさ。
やっぱり、他のトップ選手に比べると踊る動作の洗練はまだちょっと…なんですが、そんなこと考えなくてもまず氷の上で自在に体が動くし、滑ってるだけで迫力と爽快感と出せるんですからこのフットワークとスケーティングは立派な芸術ですよ芸術!
まず、本人が楽しんでいる感じが見ていても和むし、よかったなぁと思います。

川口悠子&アレクサンドル・スミルノフ組
リード組が欠場してしまったので、唯一のカップル競技選手になりましたね。川口選手、すごく柔らかい! 難しい技の一つ一つが滑らかで、しなやかな強さを感じるペアです。
本当に強い、世界で勝つペアを目指すなら、もう少し二人の化学反応的なものがあるといいのかなぁ。星占いで相性占いをするとき、二人のそれぞれのパーソナリティを比較する方法と、二人が一つのパーソナリティであると仮定して、一人の人物を占うように占う方法の2つがある、とある人に聞いたことがあったのですが、まだそういう「一つのパーソナリティ」のようなものが見えてこない感じがします。でも、若いカップルですから、これからそういうものが醸し出されてくるんだと思います。

村主章枝選手
かわいらしいプログラムで引き込まれました。彼女はどんなものをやっても一定の水準のものは演じてしまうだろうという安心感と、どんなものをみせてくれるのかというワクワク感という、併せ持っていたら最強の2つを持っていますよね。
このサーカスの少女のような雰囲気のもの、私個人としてはセクシーな路線のものより好きです。村主選手って、前衛的なものを演じたりもしますが、根っこはやっぱりリリシズムの人だと私は思っているので、そういうものが感じられるプログラムに帰ってくると、ちょっとほっとするんですよね。

サラ・マイヤー選手
実際には2部で演じたそうですが、この清涼感はもうクセになりますね。きっと濃密な演技の多かった2部で見たらさらにそのさわやかさが引き立ったと思います。
無理のない、苦しいところのない、まさに妖精のような、それでいて幼さもない、大人の妖精って感じですかね…。

織田信成選手
伸びやかなプログラムです。劇的なマリオ・カヴァラドッシの絶望が表現できているかはさておき、とにかくゆったりとしたテンポで朗々と演じるのがこんなにも似合うスケーターになるなんて、と、成長に驚いています。
私、織田選手のチャイコフスキーのフリーが結構好きで、もう少しこの路線を深めてくれたらうれしいなって思ってたので、選曲は好もしく受け止めました。この音の大きな流れに合わせて体を大きく使う、ストロークを大きく使うというのは、表現の幅を広げるいい練習になるでしょうね。

中野友加里選手
ウェストサイドストーリーの一曲。やはり美しいプログラム。本当にエキシビションの彼女はエレガントで、氷上でキラキラ輝いて見えます。
ただ、これは完璧に私の好みの問題なのですが、悲しいとか切ないとか、少し湿っぽいリリシズムが表現できれば、さらに演じるプログラムが多彩になると感じます。ここではないどこかを探す、そういう曲ですから、なんというか、泣かせてほしいなぁと思うんですよね。泣きだけが情感表現では、決してないんですけれど…。

西野友毬選手
シングシングシング。こういうコケティッシュな女性ボーカルがけっこうハマりますね! ちょっと表情とかが大人びてるからでしょうか。動きもそういう間をとれるようになったらもっと素敵になりそう。滑りはどんどん成長していますねー。この歳の女の子というのはどんどん上手くなってしまいます。

ジョニー・ウィアー選手
私このブルースのプログラム、好きです。彼の得意とするエレガントなヨーロピアンスタイルとは違いますが、別の方向に洗練されているしかっこいいと思います。何でしょう、動きや表情の付け方に、プルシェンコへのオマージュのようなものを感じちゃうんですけど。なんかちょっとした仕草でプルシェンコを思い出してしまう…でも、こういうブルースとかジャズとかは、ヨーロッパの選手より北米の選手の方がスタイリッシュで洗練されているんですよね。アメリカ人である彼ならではの洗練を見たように思います。

ステファン・ランビエール選手
ポエタを振付師のナハロさんと一緒に。もう、本当に何度見ても「これぞマスターピース」という気持ちにさせてくれます。「イヤァすごいモンを見た!」がいつも見終わった瞬間に思うことです。今回はまた趣向を変えたことで、さらにこのプログラムのアーティスティックな面が強調されて、もうノックアウトでした。

安藤美姫選手
もうそんなに私を心配させないでくださいな、と思いつつ応援せずにはいられない安藤選手。前フリの「生的なエロス」という言葉に「???」となりながらも見ましたが、いいプログラムです。
安藤選手の持ってる魅力自体が、ある意味生きるということの生々しい縮図なんだろうなと思います。弱くて、挫折があって、自分が情けなくなって、そういう気持ち、理想と現実のギャップがあるからこそ「愛欲」があるんですよね。ギャップを認識した上で、理想の方に歩んでいこうとする気持ちが「エロス」であり、生きるということなのでしょう。
本当に、彼女によく似合ったプログラムだと思います。ぜひ、彼女には大切に演じて、育ててほしいです。

高橋大輔選手
新しい振付師探しはどうなっているか少し心配していましたが、蓋を開ければ真っ先に競技プログラムを披露してくれたのが彼でした。いろいろな狙いがあったのだとは思いますが、まずファンを安心させることには大成功したのではないでしょうか。とにもかくにも、圧巻。技術的にもオフなのに完璧すぎる。
いろんな印象を受けるプログラムですね。濃厚であり、パワフルであり、ワイルドであり、隠微であり、エレガントでもあり、繊細ですらある。もちろんエロス満載。安藤選手のプログラムが「生」であり「正」ならばこちらは「死」であり「負」である…というような。モロゾフのプログラムはわかりやすさを身上とするゆえにここまでいろんなものをブレンドさせることはしなかったので、すごく新鮮です。まだ少し雑多な感じもするので、もう少し整理すべきか、それとも有無をいわせぬ説得力でねじ伏せるか、まだこれから調整していく、あるいは洗練させていくことになるのでしょうが、すごく期待しています。

浅田真央選手
先に何をしたとかすばらしかったとか聞いてしまったのがいけなかった。これは驚きと共に見たかったプログラムでした。
元々彼女の優美さはこれからよくなっていく一方だろうという確信はあったので、そういう点では予想通り、本当に見事な、美しいプログラムでした。タンゴという選曲についても、野心的で、彼女の成長を印象づけるには実にいいところをもってきたなぁと思いました。甘やかで強い、流れるようで歯切れも良い、自然体の彼女でも生き生きと、美しく演じられるプログラムで、さすがはタラソワと思いました。タンゴには激しい情念だけでなく、けだるいエレガンスも似合うということをよく知っているんですよね…。
本当にどんどん、レディになっていきますね、真央選手は。

他の選手の演技もものっすごい見たかった! ちらっと見ただけでも鈴木選手、南里選手の演技は素敵でしたし、佐々木選手のも面白そうだったし。BSに期待しております。

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