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2008年7月 5日 (土)

ISU Communication1504

では1504の内容から、特に選手の演技に関わる部分を説明していきたいと思います。意訳バリバリでまいります。

<フリーのプログラムから減らす要素>

・シニア男女 スピンを最大4つから3つに変更
・ジュニア男子 ステップシークエンスを最大2つから1つに変更
・ジュニア女子 スパイラルシークエンスを廃止(ステップシークエンスは最大1つのまま)

単純に、これまでは演技時間に対して、要素の数が多すぎた、ということができるのかもしれません。当初は「やりすぎないよう、制限する数」だったのでしょうが、結局それをいっぱいにやることが勝つための条件になってしまいました。選手に「プログラムの流れを損ねる要素ならやらないという選択肢もあるんですよ」と言ったところで、選手は多分少しでも勝ちやすい道を選択するでしょう(実際には世界選手権の真央選手のように、要素がまるごと一つ抜けても勝てることはありますが)。ならばやはりルールで減らしてやるしかない。
その中で、どうしてその要素が減らされたのかという意味を考えてみるのもおもしろいです。
以前テクニカルスペシャリストの岡崎さんが「スパイラルを要素ではなくトランジション、MIFとしてとらえた方が、バラエティに富んだものが出てきていいのではないかという話が出ている」ということをおっしゃっていたのですが、ジュニア女子に関してはまさにそのような動きだと考えられます。
しかし、SPからなくなったわけではありませんから、スパイラルの基礎ができなくてもよくなるというものではありません。基礎はおさえながらも、もっと音楽性に富んだ、プログラムにマッチしたスパイラルを研究してほしい、ということなのではないかと思われます。
男子のステップに関しても、要素としてのステップではなく、MIFとしてのステップ、プログラムの流れにマッチしたステップを研究してほしい、ということでしょうか。

シニアに関しては、多分そういう成長を促すものというよりは「またこのスピンか」とジャッジが心底うんざりしていたんではないかと、私は勝手に考えています。「似たようなスピンを連発するくらいなら、やらなくてよろしい」と。
ちょっと前に購入した外国の本に、「キャメルスピンは芸術的な要求、シットスピンは技術的な要求で実施され、発展してきたスピン」といった記述がありました。これはまだコンパルソリーフィギュアのあった時代に書かれた本でしたので、新採点のことはいっさい関知していないわけですが、TESを稼ごうとすれば技術的な要求に応えるスピンにどんどん偏ってしまう、ということの裏付けのように思えました。
とはいえ、数が減るからスピンの得意な人が不利になる、という単純なものでもないと考えます。得意な人は、ひとつひとつのスピンの独創性や技術の上限を高めていけばいいのです。演技時間が増えるのですから、8回転のレベル要件を含むスピンだって今よりたくさん見られるようになるかもしれません。そういうイノベーションを期待しています。

<ジュニア男子のSPトリプルアクセル解禁>

女子と同じく、男子のジュニアではSPのアクセルはダブルアクセルに限定されており、トリプルアクセルを跳ぶには、トリプルからのコンビネーションジャンプのファーストジャンプとして跳ぶしかありませんでした。(ただし女子シニアでは、ステップからのジャンプとして跳んでもかまわない)
単独のトリプルアクセルなら問題なく跳べても、コンビネーションとなると安定せず勝てない、にもかかわらずSPからトリプルアクセルのコンビネーションに挑戦してくるジュニア選手は、実は少なくありません。
彼らはもちろん、シニアに上がることを見据えてそうしているものと思われますが、実際には、彼らは現在の多くのシニアよりも難しいことをSPでしています。もちろん、ダブルアクセルは彼らにとっては簡単なジャンプですが、ステップからのジャンプは種類を選べませんし、全体として決して易しくはありません。その技術と度量が「これはジュニアの大会だし」ということで認められないのであれば、ちょっと悲しいことです。
女子ジュニアの3-3解禁も同じような流れではありますが、この場合は、現により難しいことをしている選手が演技をまとめやすくする手助けといえます。挑戦するだけでなく、演技をまとめることも大切なことですが、挑戦で培った技術をまとめることで捨ててしまうのはもったいない、ということですかね。

<アクセルを含むジャンプシークエンス>

ジャンプの着氷からステップ、ターン、ホップやマズルカ、採点表にないジャンプなどをはさまず、直ちにアクセルジャンプを跳んだ場合、全体をジャンプシークエンスと見なす

これは、アクセルジャンプですからRBOからLFOにというアプローチ自体の踏み替えはOKということでしょうね。確かに、ホップをはさむとかえって間延びしちゃう面はありました。これでジャンプシークエンスを導入してくる選手が増えるでしょうか?

<競技の速やかな進行などに関わるルール変更>

・選手達は名前をコールされてから1分以内に演技をはじめなければならない。そうしなかった場合、棄権と見なす。
・負傷や用具などの問題で演技を中断し再開する場合、3分以内に再開しなければならない。かつ、2点の減点が科される
・本人に責任のない中断(運営、会場側に責任のある事故や、観客による演技の妨害など)では、減点は科されない。
・グループの最初に演技する選手は、6分間練習中に負傷などで処置の必要が出た場合、名前をコールするまでに最大3分の猶予が与えられる。

選手権フリーの人数を20人にされるのは寂しいので、選手には少し厳しいルールかもしれませんが、速やかな進行に協力してほしいです。もちろん、観客も、選手の集中を妨げたりしないよう、配慮しなくてはなりません。
また実際、中断のあったプログラムは印象がぼやけてしまい、新採点ですから他の要素で挽回して高得点が出ることもありますが、納得のいかない気分になってしまう場合もあります。

<不正エッジ判定の変更>

・テクニカルパネルは明らかな不正エッジ踏み切りには"e"をつけ、ジャッジはGOEをマイナスの範囲にとどめなければならない。
テクニカルパネルは非常に時間の短い、あるいは不明瞭な不正エッジの踏み切りには"!"をつけ、ジャッジはこの判定を考慮に入れてGOEをつける

数学でしょっちゅう見てたりしないと"!"というマークのインパクトが強すぎて違和感があるかもしれませんが(笑)
現状のルールでは、ほんのわずかのコーラーのさじ加減が2~3点も得点を左右してしまうこともあります。微妙なエッジのジャンプについて、不正エッジがコールされればマイナス、コールされなければ+1以上というような、極端な結果になりがちです。これこそが、ファンにしろ関係者にしろ最も気をもんでいた点だったと思います。
そこで"!"が登場。本当なら、コールされなくてもエッジが微妙だと思えば、ジャッジの判断で減点してもよかったと思うのですが、やはりこちらもルールの方で誘導してやらなくては積極的にはしづらかったのでしょう。このマークがついたジャンプに関しては、マイナスにはしなくても、採点の考慮に入れるように、ということです。
これで不正エッジが絡んだ得点の現状とのギャップをすこしでも小さくできるといいのですが。

<1494の補足・訂正>

・(補足)スピンのレベルを上げる特徴、「2つめの難しいバリエーション」は
 「足換えのない単一姿勢のスピンは最初と異なるバリエーション」
 「それ以外のスピンは最初と異なる軸足か基本姿勢で行ったもの」
・(補足)スパイラルシークエンスのレベルを上げる特徴、「6秒間姿勢を保持」は
ポジション、バリエーションの変更をせずに6秒ということである。
・(再定義)シットスピンの定義は、「お尻の下端が膝の上端より高くなく、脚の膝上部分が水平になっているもの」となった。
・(補足)ステップシークエンスの要求されるターン、ステップは片足で行われなければならないが、これは両足で行ったものは無視されるということである(実施すること自体は禁じない)。
・(訂正)ダブルアクセルのGOE減点幅は「-0.8,-1.6,-2.5

1、2番目と最後のものは単なる言葉が足りなかったとか間違っていたということで、まあそういう意味だろうなと推察してあったことです。
3番目は、昨シーズン高橋選手がしていたようなお尻を落として膝を立てたバリエーションを認めないということでしょうか。あのポジション、シットでフォアスピンをするには有用なポジションだったと思うのですが。まあ、キャメルやアプライトも活用してください、ということで。
4番目は、チェンジエッジやトウステップ、両足をついた状態でのスリーターンなどが想像しやすいですね。また、足を換えるステップで両足をついた時間がはっきり認識できるほどだと、それも問題ありなのかもしれません。

 
とりあえず、1504の内容はこんなところで。他にもISUのロゴの規定だとか、国際ジャッジの資格取得に関する規定だとかいろいろあるのですが、まあ演技には直接関係ないかな、ということで、無視しました。興味のある方は、JSFに和訳が載った際にでもチェックしてみてください。

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