スケートアメリカ女子FSのPCS分析
こんな更新ペースではとてもとてもISU選手権終了までにGPのデータが出揃いませんね。もっと効率的な集計方法があるような気がします。
この冬は昨年より仕事時間も増えましたし来シーズンはもっと増える予定なのです。このご時世にありがたいこととは思いつつも、こっちに割ける時間が少なくなることを考えると、まだ余裕のある今から集計の仕方を効率化しないと…。でも部分的に手集計だから気付くものというのもあるんですよね。
スケートアメリカ・女子シングルフリースケーティング
★PCS全項目全選手平均
公式スコア 6.05
全ジャッジ平均 6.15
(抽選の結果最も影響を受けた選手:3位 -0.20 スコアでは-1.60)
・今回は全ての選手が軒並み下がっています。SPほど極端に抽選の影響は出なかったようです。
☆項目別全選手平均
項目 SS TR PE CH IN
公式スコア 6.29 5.66 6.10 6.15 6.05
全ジャッジ平均 6.37 5.81 6.17 6.26 6.15
・特にTRで厳しいジャッジが多く抽選に残ったようです。安藤選手にはこれがマイナスに働きましたね。
★各項目平均点の標準偏差
公式スコア 0.78
全ジャッジ平均 0.78
・全体としてみれば抽選でPCSの比重が上がったり下がったりしたということはなかったようです。
☆項目別の標準偏差
項目 SS TR PE CH IN
公式スコア 0.79 0.72 0.84 0.79 0.82
全ジャッジ平均 0.79 0.72 0.82 0.79 0.82
・ちょっと意外なことにTRよりPEにおいてばらつきが大きくなっています。玄人受けする技術より見た目の美がよく反映されることは観客にとってはわかりやすくていいことかもしれませんけれど。
★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア 0.24
全ジャッジ平均 0.22
・この大会は、男子に比べて女子の方が5項目のばらつきは大きくなる傾向があるようですね。
ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1 J2 J3 J4 J5 J6 J7 J8 J9 J10
6.03 6.12 5.79 6.01 5.93 6.12 6.40 6.68 6.24 6.22
・J8はTR以外どの項目も7点台を3~5人の選手に与えておりベストな選手には8点をつけています。一方のJ3は7点台を上位の2人につけているのみで、4点代平均にとどまっている選手も複数います。
★5項目のばらつきが最大、最小の選手
最大 偏差 最小 偏差
公式スコア 3位 0.46 4位 0.16
全ジャッジ平均 3位 0.42 4位 0.13
・やはり安藤選手はTRを大きく下げられました。SPでのJ1のアピールももっともだと感じたジャッジが呼応してしまったのでしょうね。一方、荒削りながら難解な曲で工夫を凝らして滑ったフラット選手は姿勢などに癖があるわりにはプログラムの面白さが評価されたようです。
★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
最大 偏差 最小 偏差
(全選手平均) J3 0.45 J2 0.21
・J3はSPのJ1のような気がします。
☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J3 3位 0.98
最小 J10 1位 0.10
・やはり安藤選手を狙い打ちにしていますね…
★ジャッジごとのばらつきが最大、最小の選手
最大 偏差 最小 偏差
5項目平均 3位 0.59 1位 0.26
SS 11位 0.71 8位 0.22
TR 3位 0.89 1位 0.24
PE 11位 0.56 1位 0.17
CH 3位 0.58 10位 0.20
IN 3位 0.60 1位 0.34
・今回は安藤選手の評価がややわかれました。やはり中野選手が昨シーズンのフリーとはまったく性格の違う作品をきちんと演じる準備をしてきたのに対し、直後に滑った安藤選手のフリーはテーマの性格が違うのに演じ方がさほど変わり映えしませんでしたので、ちょっと飽きられてしまったところがあるのでしょう。技術自体はそれほど落ちていなくても、毎年同じことをしている選手にジャッジは存外冷たいものです。
金選手や中野選手のように何かを演じることに積極的な選手はその点ジャッジを飽きさせないのですが、安藤選手のように自分らしさを大切にしたい選手だと、常に自分自身を向上させ、新しい自分を発見していかなければならないのです。技術的にそれができているのが、真央選手といえるのではないでしょうか。
★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
最大 偏差 最小 偏差
5項目平均 J3 0.95 J7 0.72
SS J6 1.06 J4 0.73
TR J3 1.09 J9 0.62
PE J5 1.01 J7 0.73
CH J3 1.04 J9 0.79
IN J3 1.04 J7 0.69
・J3は、項目ごとのみならず選手ごとのばらつきも大きくとりました。トップレベルの選手がそろっていてもその中で劣っているものには劣っているというメリハリのきいた評価ですね。ちょっと極端ともいえると思いますが。
ここからの評価は選手の偏差値です。
★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
SS TR PE CH IN 全項目平均
1位 67.2 69.2 68.0 67.6 68.0 68.2
2位 61.5 62.7 63.8 62.9 64.0 63.1
3位 59.5 51.6 59.5 57.8 56.7 57.2
4位 51.3 54.7 51.2 52.4 50.6 52.0
5位 47.5 46.8 47.0 45.1 46.0 46.4
6位 37.7 39.9 39.0 38.8 36.3 38.1
7位 56.4 54.7 54.3 55.6 54.9 55.2
8位 38.3 36.4 39.4 36.2 35.6 37.0
9位 51.3 53.4 49.4 52.1 50.6 51.3
10位 35.7 36.8 39.4 38.1 40.8 38.1
11位 43.7 43.7 39.0 43.5 46.3 43.2
・中野選手のINの評価はすばらしいですね。安藤選手のTRはすっかりへこんでしまいました…。アメリカの選手はニコル振付経験者が多く、要素の構成もトランジッションも凝っていることが多いですしね。
☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位 1 2 2 1 1 1
2位 0 3 1 2 2 1
3位 3 4 2 4 4 5
4位 1 2 2 3 5 2
5位 2 4 1 2 2 2
6位 1 4 4 3 2 1
7位 1 1 2 0 1 1
8位 4 3 2 2 3 2
9位 0 2 2 3 1 0
10位 0 1 2 0 3 1
11位 4 2 2 2 4 2
・相対評価でもやっぱり安藤選手、ばらついています。でも、良く評価してくれる人も一部にはいるということです。自信を持って向上し続けてほしいですね。
審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1 5 4 7 6 4 4
J2 3 3 2 3 2 2
J3 1 2 0 3 2 1
J4 1 3 3 2 4 2
J5 2 0 1 2 2 2
J6 1 2 0 0 1 0
J7 0 1 2 0 1 0
J8 2 3 2 0 2 1
J9 3 7 3 4 8 5
J10 0 3 1 1 2 1
・J1とJ9が今回は極端値が多かった。J9はポイキオ選手を狙い打ちしているので、ショートのJ9と同じ方でしょう。フリーでは金選手も評価が低い。フラット選手、カラデミル選手に対しては評価が高いです。一方、日本人二人とフラット選手の評価が低く、長洲選手とポイキオ選手の評価が高いのがJ1。表面的な演技や高難度の技よりも素材のスケーティングを楽しみたいタイプかもしれませんね。


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