2013年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2008年12月 | トップページ

2009年1月

2009年1月17日 (土)

スケートアメリカ女子FSのPCS分析

こんな更新ペースではとてもとてもISU選手権終了までにGPのデータが出揃いませんね。もっと効率的な集計方法があるような気がします。
この冬は昨年より仕事時間も増えましたし来シーズンはもっと増える予定なのです。このご時世にありがたいこととは思いつつも、こっちに割ける時間が少なくなることを考えると、まだ余裕のある今から集計の仕方を効率化しないと…。でも部分的に手集計だから気付くものというのもあるんですよね。

スケートアメリカ・女子シングルフリースケーティング

★PCS全項目全選手平均
公式スコア     6.05
全ジャッジ平均   6.15
(抽選の結果最も影響を受けた選手:3位 -0.20 スコアでは-1.60)

・今回は全ての選手が軒並み下がっています。SPほど極端に抽選の影響は出なかったようです。

☆項目別全選手平均
項目            SS    TR  PE    CH    IN
公式スコア     6.29 5.66 6.10 6.15 6.05
全ジャッジ平均   6.37 5.81 6.17 6.26 6.15

・特にTRで厳しいジャッジが多く抽選に残ったようです。安藤選手にはこれがマイナスに働きましたね。

★各項目平均点の標準偏差
公式スコア     0.78
全ジャッジ平均   0.78

・全体としてみれば抽選でPCSの比重が上がったり下がったりしたということはなかったようです。

☆項目別の標準偏差
項目            SS    TR  PE    CH    IN
公式スコア     0.79 0.72 0.84 0.79 0.82
全ジャッジ平均   0.79 0.72 0.82 0.79 0.82

・ちょっと意外なことにTRよりPEにおいてばらつきが大きくなっています。玄人受けする技術より見た目の美がよく反映されることは観客にとってはわかりやすくていいことかもしれませんけれど。

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア     0.24
全ジャッジ平均   0.22

・この大会は、男子に比べて女子の方が5項目のばらつきは大きくなる傾向があるようですね。

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。

★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9   J10
6.03 6.12 5.79 6.01 5.93 6.12 6.40 6.68 6.24 6.22

・J8はTR以外どの項目も7点台を3~5人の選手に与えておりベストな選手には8点をつけています。一方のJ3は7点台を上位の2人につけているのみで、4点代平均にとどまっている選手も複数います。

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
               最大 偏差  最小 偏差
公式スコア      3位  0.46    4位  0.16
全ジャッジ平均    3位  0.42    4位  0.13

・やはり安藤選手はTRを大きく下げられました。SPでのJ1のアピールももっともだと感じたジャッジが呼応してしまったのでしょうね。一方、荒削りながら難解な曲で工夫を凝らして滑ったフラット選手は姿勢などに癖があるわりにはプログラムの面白さが評価されたようです。

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
               最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均)    J3   0.45    J2   0.21

・J3はSPのJ1のような気がします。

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大  J3  3位 0.98
最小    J10  1位 0.10

・やはり安藤選手を狙い打ちにしていますね…

★ジャッジごとのばらつきが最大、最小の選手
               最大 偏差  最小 偏差
5項目平均     3位 0.59    1位 0.26
SS            11位 0.71    8位 0.22
TR               3位 0.89    1位 0.24
PE           11位 0.56    1位 0.17
CH           3位 0.58     10位  0.20
IN          3位 0.60    1位 0.34

・今回は安藤選手の評価がややわかれました。やはり中野選手が昨シーズンのフリーとはまったく性格の違う作品をきちんと演じる準備をしてきたのに対し、直後に滑った安藤選手のフリーはテーマの性格が違うのに演じ方がさほど変わり映えしませんでしたので、ちょっと飽きられてしまったところがあるのでしょう。技術自体はそれほど落ちていなくても、毎年同じことをしている選手にジャッジは存外冷たいものです。
金選手や中野選手のように何かを演じることに積極的な選手はその点ジャッジを飽きさせないのですが、安藤選手のように自分らしさを大切にしたい選手だと、常に自分自身を向上させ、新しい自分を発見していかなければならないのです。技術的にそれができているのが、真央選手といえるのではないでしょうか。

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
               最大 偏差  最小 偏差
5項目平均     J3   0.95    J7   0.72
SS           J6   1.06    J4   0.73
TR                J3   1.09    J9   0.62
PE          J5   1.01    J7   0.73
CH            J3   1.04    J9   0.79
IN           J3   1.04    J7   0.69

・J3は、項目ごとのみならず選手ごとのばらつきも大きくとりました。トップレベルの選手がそろっていてもその中で劣っているものには劣っているというメリハリのきいた評価ですね。ちょっと極端ともいえると思いますが。

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
      SS   TR   PE  CH   IN  全項目平均
1位   67.2 69.2 68.0 67.6 68.0  68.2
2位   61.5 62.7 63.8 62.9 64.0  63.1
3位   59.5 51.6 59.5 57.8 56.7  57.2
4位   51.3 54.7 51.2 52.4 50.6  52.0
5位   47.5 46.8 47.0 45.1 46.0  46.4
6位   37.7 39.9 39.0 38.8 36.3  38.1
7位   56.4 54.7 54.3 55.6 54.9  55.2
8位   38.3 36.4 39.4 36.2 35.6  37.0
9位   51.3 53.4 49.4 52.1 50.6  51.3
10位     35.7 36.8 39.4 38.1 40.8  38.1
11位     43.7 43.7 39.0 43.5 46.3  43.2

・中野選手のINの評価はすばらしいですね。安藤選手のTRはすっかりへこんでしまいました…。アメリカの選手はニコル振付経験者が多く、要素の構成もトランジッションも凝っていることが多いですしね。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数
選手    SS   TR   PE   CH   IN  全項目平均
1位   1    2    2    1    1    1
2位   0    3    1    2    2    1
3位   3    4    2    4    4    5
4位   1    2    2    3    5    2
5位   2    4    1    2    2    2
6位   1    4    4    3    2    1
7位   1    1    2    0    1    1
8位   4    3    2    2    3    2
9位   0    2    2    3    1    0
10位     0    1    2    0    3    1
11位     4    2    2    2    4    2

・相対評価でもやっぱり安藤選手、ばらついています。でも、良く評価してくれる人も一部にはいるということです。自信を持って向上し続けてほしいですね。

審判    SS   TR   PE   CH   IN  全項目平均
J1      5    4    7    6    4    4
J2      3    3    2    3    2    2
J3      1    2    0    3    2    1
J4      1    3    3    2    4    2
J5      2    0    1    2    2    2
J6      1    2    0    0    1    0
J7      0    1    2    0    1    0
J8      2    3    2    0    2    1
J9      3    7    3    4    8    5
J10   0    3    1    1    2    1

・J1とJ9が今回は極端値が多かった。J9はポイキオ選手を狙い打ちしているので、ショートのJ9と同じ方でしょう。フリーでは金選手も評価が低い。フラット選手、カラデミル選手に対しては評価が高いです。一方、日本人二人とフラット選手の評価が低く、長洲選手とポイキオ選手の評価が高いのがJ1。表面的な演技や高難度の技よりも素材のスケーティングを楽しみたいタイプかもしれませんね。

2009年1月14日 (水)

GPシリーズ、スケートアメリカ女子SPのPCS分析

あけましておめでとうございますがずいぶん遅れてしまいました。今月でこのブログは1周年ですが、どうにもとりとめも方向性もないブログになってしまっております。
もう少し系統立ててデータや解説ができればいいのですが、そのときの忙しさなどでネタを決めてしまうのがいけないですね…

さて、前回スケートアメリカ男子のPCSに関していろいろな数字を並べてみましたが、今回は女子です。
同じ大会の同じ種目は同じジャッジが採点することが多いのですが、異なる種目になるとだいぶ感じが変わってきます。選手の特性をおさえつついろいろと比較してみると楽しいかなと思います。

スケートアメリカ・女子シングルショートプログラム

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.24
全ジャッジ平均  6.15
(抽選の結果最も影響を受けた選手:10位 -0.23 スコアでは-0.92)

・他の選手は平均点と同様、公式スコアの方が得点が上がっているのですが、10位のリュン選手のみが大幅に下がっています。かなり、運が悪かったですね。

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.44   5.89   6.31   6.27   6.27
全ジャッジ平均  6.35   5.84   6.21   6.19   6.17

・男子に比べてもずいぶん全ジャッジ集計と公式スコアに隔たりがあります。かなり偏った抽選がされてしまったといえるでしょう

★各項目平均点の標準偏差
(選手によってPCSの平均がどれくらいばらついているかを示します。
各選手の得点と平均点の差の絶対値の平均です)
公式スコア    0.81
全ジャッジ平均  0.77

・ばらつきも男子に比べると抽選で差が出てしまっています

☆項目別の標準偏差
項目            SS     TR     PE      CH      IN
公式スコア    0.77   0.80   0.78   0.84   0.89
全ジャッジ平均  0.75   0.73   0.77   0.79   0.82

・特にTRとINで公式スコアと全ジャッジ集計の差が大きいですね。INは特にばらつきが大きくなってしまいました

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア    0.21
全ジャッジ平均  0.18

・男子よりややばらつきが大きく出ています。こちらも公式スコアの方が差が大きくなりました

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9   J10
6.03 6.15 5.49 6.06 5.97 6.67 6.13 6.29 6.19 6.54

・J3が極端に低い点をつけていたことがわかります

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    10位  0.25      3位 0.16
全ジャッジ平均  2位 0.25     11位  0.12

・2位の安藤選手はジャッジJ1に極端な得点をつけられていましたので、抽選が行われた公式スコアではそれは反映されていませんね

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J1  0.45     J8  0.18

・J1は非常に極端な得点をつけるジャッジで、プロトコルを見ても異質さが際立っています

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J1  2位   1.04
最小 J2  7位   0.10
      J10  6位

・J1が、特に安藤選手に対し極端な点をつけたことがわかります。TRは3点台と全選手でもダントツの低い得点。しかしPEは6.75と平均程度の得点をつけています。
個人的な想像ですが、J1もこれが適正な得点だとは思っていないような気がします。単に他のジャッジがつける6点台後半や7点などという得点は高すぎるというアピールなのでしょう。ジュニアの選手でさえダブルアクセルの前にはイーグルやスパイラルを入れますしコネクティングステップもルール通りに入れることを考えると、感情的には理解できる行動です。安藤選手もスケートアメリカの後、演技の流れやコネクティングステップなどに幾分気を遣うようになりましたので、彼女にとってもある意味薬になったように感じます。

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  5位   0.52  1位  0.29
SS       8位   0.50  1位  0.30
TR            2位   0.54  1位  0.34
PE            7位   0.63  2位  0.19
CH      11位  0.58  1位  0.25
IN           10位  0.63  1位  0.32

・得点のばらつきの大きい選手はばらけました。一方で小さい方は金選手に集中しています。どのジャッジも一様に高く評価をしていることがわかります。しかし、偏差値で見るとやや様相が違ってきます。なぜそうなるのかの分析は偏差値の項で述べたいと思います

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J7    0.97   J4    0.67
SS       J7    0.99   J5    0.64
TR            J1    0.98   J4    0.61
PE            J7    1.02  J10  0.63
CH        J7    1.06   J4    0.64
IN       J2    1.01   J4    0.73

・男子に比べると偏差の大きさの差は小さくなっています(最大は全体に小さめ、最小は全体に大きめ)。

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS  TR  PE  CH  IN  全項目平均
1位  67.6 68.3 67.8 68.4 67.8  68.0
2位  61.6 59.4 59.6 61.8 61.4  60.8
3位  59.0 60.8 60.3 57.7 59.2  59.4
4位  55.0 53.3 53.5 54.8 52.5  53.8
5位  48.4 49.5 49.9 48.8 50.9  49.5
6位  56.0 56.7 57.7 57.0 57.4  57.0
7位  42.1 42.0 41.1 41.3 40.5  41.3
8位  46.4 45.4 45.3 43.8 44.2  45.0
9位  37.8 36.2 38.5 38.1 38.7  37.8
10位   39.4 39.3 38.8 38.7 37.5  38.7
11位   36.8 39.3 37.5 39.7 39.9  38.6

・男子と違い、メダル候補が6人と言われた大会だけあり、50台の選手がそこそこいます。それでも金選手は飛び抜けています。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  1  2  1  0  1   0
2位  1  2  2  4  2   1
3位  0  2  1  3  2   1
4位  2  1  2  2  2   1
5位  1  1  2  2  3   1
6位  2  3  0  1  0   1
7位  1  2  2  2  2   1
8位  2  1  3  2  3   2
9位  1  1  2  2  3   1
10位   2  3  3  3  6   4
11位   1  1  2  1  2   1

・全体にばらつきは少ないとはいえ金選手に極端値が出ているジャッジがたまにいます。これは何故かというと、偏差値が相対評価なためです。たとえばJ10は長洲選手に金選手と同じSSの得点を付けており、日本の二人とマイズナー選手にもその0.25下の得点をつけていますが、一方でJ3は金選手が2位の安藤選手以下を1点以上引き離しています。しかしこの二人の金選手のSSは0.25しか違わないのです。
各ジャッジの全選手全項目平均点にそれが如実に出ています。J3は平均点が極端に低く、J10は平均点が高めです。試しに最初に示した全選手全項目全ジャッジの平均点と、各ジャッジの全選手全項目平均点の差を各ジャッジがつけた個々の得点からさっ引いてみると、どの選手のジャッジによる偏差も軒並み少なくなったのに、金選手だけは増えているのです。
10位のリュン選手は全体にばらつきが大きめということもこれでわかります。偏差値の標準偏差をとると安藤選手が一番なのですが、男子SPでJ7にシュルタイス選手が狙い打ちされたように、J1に狙い打ちされたためだという感じです。平均から5ポイント以上の差があるものを極端値としたのですが、J1はPE以外全てで10ポイント以上の差をつけています。

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    2  2  1  2  3   2
J2    0  0  0  0  1   0
J3    1  2  1  4  4   1
J4    0  0  1  1  2   0
J5    1  1  4  2  2   2
J6    1  2  1  2  1   1
J7    1  4  4  5  4   2
J8    0  0  0  1  0   0
J9    4  4  5  3  5   3
J10     4  4  3  2  4   3

J9とJ10が極端値が多くなっています。J9はポイキオ選手を常に低く、カラデミル選手を常に高くつけています。さすがにポイキオ選手よりカラデミル選手の方がSSが高いというのは、ちょっと本人になぜだか聞いてみたい気持ちになります。J10は項目によって極端値になったりならなかったりするのですが、マイズナー選手とヨーロッパ勢を常に高めに、金選手、中野選手、劉選手、リュン選手とアジア系は常に低めにつけています(安藤選手と長洲選手の評価はまちまちです。またJ9も金選手は常に平均より低めです)。

« 2008年12月 | トップページ