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データベース-GPシリーズ

2009年1月14日 (水)

GPシリーズ、スケートアメリカ女子SPのPCS分析

あけましておめでとうございますがずいぶん遅れてしまいました。今月でこのブログは1周年ですが、どうにもとりとめも方向性もないブログになってしまっております。
もう少し系統立ててデータや解説ができればいいのですが、そのときの忙しさなどでネタを決めてしまうのがいけないですね…

さて、前回スケートアメリカ男子のPCSに関していろいろな数字を並べてみましたが、今回は女子です。
同じ大会の同じ種目は同じジャッジが採点することが多いのですが、異なる種目になるとだいぶ感じが変わってきます。選手の特性をおさえつついろいろと比較してみると楽しいかなと思います。

スケートアメリカ・女子シングルショートプログラム

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.24
全ジャッジ平均  6.15
(抽選の結果最も影響を受けた選手:10位 -0.23 スコアでは-0.92)

・他の選手は平均点と同様、公式スコアの方が得点が上がっているのですが、10位のリュン選手のみが大幅に下がっています。かなり、運が悪かったですね。

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.44   5.89   6.31   6.27   6.27
全ジャッジ平均  6.35   5.84   6.21   6.19   6.17

・男子に比べてもずいぶん全ジャッジ集計と公式スコアに隔たりがあります。かなり偏った抽選がされてしまったといえるでしょう

★各項目平均点の標準偏差
(選手によってPCSの平均がどれくらいばらついているかを示します。
各選手の得点と平均点の差の絶対値の平均です)
公式スコア    0.81
全ジャッジ平均  0.77

・ばらつきも男子に比べると抽選で差が出てしまっています

☆項目別の標準偏差
項目            SS     TR     PE      CH      IN
公式スコア    0.77   0.80   0.78   0.84   0.89
全ジャッジ平均  0.75   0.73   0.77   0.79   0.82

・特にTRとINで公式スコアと全ジャッジ集計の差が大きいですね。INは特にばらつきが大きくなってしまいました

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア    0.21
全ジャッジ平均  0.18

・男子よりややばらつきが大きく出ています。こちらも公式スコアの方が差が大きくなりました

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9   J10
6.03 6.15 5.49 6.06 5.97 6.67 6.13 6.29 6.19 6.54

・J3が極端に低い点をつけていたことがわかります

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    10位  0.25      3位 0.16
全ジャッジ平均  2位 0.25     11位  0.12

・2位の安藤選手はジャッジJ1に極端な得点をつけられていましたので、抽選が行われた公式スコアではそれは反映されていませんね

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J1  0.45     J8  0.18

・J1は非常に極端な得点をつけるジャッジで、プロトコルを見ても異質さが際立っています

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J1  2位   1.04
最小 J2  7位   0.10
      J10  6位

・J1が、特に安藤選手に対し極端な点をつけたことがわかります。TRは3点台と全選手でもダントツの低い得点。しかしPEは6.75と平均程度の得点をつけています。
個人的な想像ですが、J1もこれが適正な得点だとは思っていないような気がします。単に他のジャッジがつける6点台後半や7点などという得点は高すぎるというアピールなのでしょう。ジュニアの選手でさえダブルアクセルの前にはイーグルやスパイラルを入れますしコネクティングステップもルール通りに入れることを考えると、感情的には理解できる行動です。安藤選手もスケートアメリカの後、演技の流れやコネクティングステップなどに幾分気を遣うようになりましたので、彼女にとってもある意味薬になったように感じます。

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  5位   0.52  1位  0.29
SS       8位   0.50  1位  0.30
TR            2位   0.54  1位  0.34
PE            7位   0.63  2位  0.19
CH      11位  0.58  1位  0.25
IN           10位  0.63  1位  0.32

・得点のばらつきの大きい選手はばらけました。一方で小さい方は金選手に集中しています。どのジャッジも一様に高く評価をしていることがわかります。しかし、偏差値で見るとやや様相が違ってきます。なぜそうなるのかの分析は偏差値の項で述べたいと思います

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J7    0.97   J4    0.67
SS       J7    0.99   J5    0.64
TR            J1    0.98   J4    0.61
PE            J7    1.02  J10  0.63
CH        J7    1.06   J4    0.64
IN       J2    1.01   J4    0.73

・男子に比べると偏差の大きさの差は小さくなっています(最大は全体に小さめ、最小は全体に大きめ)。

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS  TR  PE  CH  IN  全項目平均
1位  67.6 68.3 67.8 68.4 67.8  68.0
2位  61.6 59.4 59.6 61.8 61.4  60.8
3位  59.0 60.8 60.3 57.7 59.2  59.4
4位  55.0 53.3 53.5 54.8 52.5  53.8
5位  48.4 49.5 49.9 48.8 50.9  49.5
6位  56.0 56.7 57.7 57.0 57.4  57.0
7位  42.1 42.0 41.1 41.3 40.5  41.3
8位  46.4 45.4 45.3 43.8 44.2  45.0
9位  37.8 36.2 38.5 38.1 38.7  37.8
10位   39.4 39.3 38.8 38.7 37.5  38.7
11位   36.8 39.3 37.5 39.7 39.9  38.6

・男子と違い、メダル候補が6人と言われた大会だけあり、50台の選手がそこそこいます。それでも金選手は飛び抜けています。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  1  2  1  0  1   0
2位  1  2  2  4  2   1
3位  0  2  1  3  2   1
4位  2  1  2  2  2   1
5位  1  1  2  2  3   1
6位  2  3  0  1  0   1
7位  1  2  2  2  2   1
8位  2  1  3  2  3   2
9位  1  1  2  2  3   1
10位   2  3  3  3  6   4
11位   1  1  2  1  2   1

・全体にばらつきは少ないとはいえ金選手に極端値が出ているジャッジがたまにいます。これは何故かというと、偏差値が相対評価なためです。たとえばJ10は長洲選手に金選手と同じSSの得点を付けており、日本の二人とマイズナー選手にもその0.25下の得点をつけていますが、一方でJ3は金選手が2位の安藤選手以下を1点以上引き離しています。しかしこの二人の金選手のSSは0.25しか違わないのです。
各ジャッジの全選手全項目平均点にそれが如実に出ています。J3は平均点が極端に低く、J10は平均点が高めです。試しに最初に示した全選手全項目全ジャッジの平均点と、各ジャッジの全選手全項目平均点の差を各ジャッジがつけた個々の得点からさっ引いてみると、どの選手のジャッジによる偏差も軒並み少なくなったのに、金選手だけは増えているのです。
10位のリュン選手は全体にばらつきが大きめということもこれでわかります。偏差値の標準偏差をとると安藤選手が一番なのですが、男子SPでJ7にシュルタイス選手が狙い打ちされたように、J1に狙い打ちされたためだという感じです。平均から5ポイント以上の差があるものを極端値としたのですが、J1はPE以外全てで10ポイント以上の差をつけています。

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    2  2  1  2  3   2
J2    0  0  0  0  1   0
J3    1  2  1  4  4   1
J4    0  0  1  1  2   0
J5    1  1  4  2  2   2
J6    1  2  1  2  1   1
J7    1  4  4  5  4   2
J8    0  0  0  1  0   0
J9    4  4  5  3  5   3
J10     4  4  3  2  4   3

J9とJ10が極端値が多くなっています。J9はポイキオ選手を常に低く、カラデミル選手を常に高くつけています。さすがにポイキオ選手よりカラデミル選手の方がSSが高いというのは、ちょっと本人になぜだか聞いてみたい気持ちになります。J10は項目によって極端値になったりならなかったりするのですが、マイズナー選手とヨーロッパ勢を常に高めに、金選手、中野選手、劉選手、リュン選手とアジア系は常に低めにつけています(安藤選手と長洲選手の評価はまちまちです。またJ9も金選手は常に平均より低めです)。

2008年12月30日 (火)

GPシリーズ、スケートアメリカ男子FSのPCS分析

前回のショートに引き続き、フリーの分析です。比較できるデータが出てくると、もうすこしいろいろな見方ができるようになってくる気がします。

スケートアメリカ・男子シングルフリースケーティング

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.37
全ジャッジ平均  6.39
(抽選の結果最も影響を受けた選手:8位 -0.16 スコアでは-1.60)

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.50   6.15   6.42   6.43   6.34
全ジャッジ平均  6.51   6.18   6.44   6.44   6.39

・SP同様、INで特に平均と公式スコアの差が出ています。しかし、SPと比較すると他の項目は得点が高くなっているのにINのみ点が低くなっています。この大会のみなのか、どの大会でも見られるのか、ちょっと興味深いところです。

★各項目平均点の標準偏差

公式スコア    0.80
全ジャッジ平均  0.79

・SP同様大きな差はありません。

☆項目別の標準偏差
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    0.80   0.78   0.81   0.78   0.86
全ジャッジ平均  0.78   0.78   0.81   0.78   0.82

・公式スコアではINがばらつきが大きくなっています。INで低得点だった選手にとっては、厳しいジャッジのみが抽選で残ってしまったようです。

★5項目のばらつき
公式スコア    0.15
全ジャッジ平均  0.13

・ややSPよりばらつきは小さくなっています。

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9
6.27 6.39 6.52 6.49 6.79 6.65 5.95 6.19 6.32

・今回はJ5とJ7で0.8点程度の差が出ました。

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    1位   0.21    5位  0.09
全ジャッジ平均   3位  0.16   5位  0.08

・公式スコアでは、1位の小塚選手について、SSと他の項目に大きな差をつけたジャッジの方が多めに採用されてしまったようです。

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J8  0.33     J4  0.15

・今回はJ8が5項目の違いを重視した得点を付けています。後半3項目でも選手によってはかなりはっきりした差をつけていますね。

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J8 1位   0.48
最小 J1 5位   0.10
    J3 1位
    J6 1,2位

・J8が1位の小塚選手につけたSSは7.75点と最高の評価ですが、TRとINは6.50点となっています。PEも高く評価しているので、表現力はあるけれど音楽にあったリズミカルなトランジッションになっていないという解釈かもしれません。一方のJ6は、小塚選手のTRをSSよりも高くしています。本当に人により解釈はさまざまですね…

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  8位   0.51  4位  0.29
SS       6位   0.46  4位  0.17
TR            9位   0.45  4位  0.21
PE            8位   0.60  4位  0.24
CH         10位    0.51  9位  0.25
IN       8位   0.70  5位  0.30

・今回ばらついたのは8位のマチプラ選手。一方でレイノルズ選手の得点がジャッジによりあまり変わらないのは相変わらずのようです。

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J1    1.10   J5    0.60
SS       J1    1.00   J5    0.53
TR            J1    1.08   J5    0.63
PE            J8    1.10   J5    0.58
CH        J1    1.21   J5    0.68
IN       J1    1.16   J5    0.65

・今回はJ1が最も選手によってPCSに差をつけるジャッジになっています。J5はショートプログラムのJ2と同じ人物でしょうかね?

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS   TR   PE  CH  IN  全項目平均
1位  61.2 59.8 58.7 59.2 57.4  59.3
2位  63.7 63.4 63.1 65.6 64.5  64.1
3位  64.9 65.5 67.2 65.2 67.2  66.3
4位  50.6 49.5 49.8 50.0 49.3  49.7
5位  51.2 55.2 54.2 52.5 54.7  53.7
6位  43.1 41.6 41.2 42.6 42.2  41.8
7位  46.3 45.5 47.4 45.7 45.9  46.2
8位  39.4 39.8 39.8 39.0 38.1  39.5
9位  44.4 45.2 42.6 44.7 42.9  43.9
10位   34.4 34.5 36.1 35.5 37.8  35.6

・フリーでは5位のソーヤー選手が素敵な演技を見せ、上位3人との差を少し縮めましたね。レイノルズ選手も相対的に見れば評価が上がっています。SPとフリーとの差を考えるとき、相対評価が上がっている選手は体力があるという見方もできると思います。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  0  0  0  0  2   0
2位  0  0  2  0  0   0
3位  0  1  0  2  0   0
4位  1  1  1  1  3   1
5位  0  3  0  0  0   0
6位  2  3  2  2  2   1
7位  0  2  0  1  4   0
8位  1  0  2  0  3   1
9位  0  1  0  1  1   0
10位   1  0  1  1  2   0

・6位のウスペンスキー選手がややばらついていますね。一人低い得点を一貫してつけているジャッジはいるのですが、他の極端値をつけているジャッジはさまざまです。

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    1  1  1  1  0   0
J2    0  2  0  0  2   0
J3    0  0  0  0  0   0
J4    1  0  2  1  2   2
J5    1  0  1  1  4   0
J6    0  2  0  0  3   0
J7    2  2  1  1  3   1
J8    0  2  3  1  2   0
J9    0  2  0  3  1   0

・J7がやや極端値が多いですが、ショートプログラムほど多くはありませんね。公式練習など長く選手の滑りを見て、またショートの結果を受けて、ジャッジの見解もやや統一されてきたといえるかもしれません。

いかがでしょうか?
まだまだちょっとPCSというものの出方がよくわからない部分もあるのですが、どんどんと統計を取っていってみたいと思います。

2008年12月28日 (日)

GPシリーズ、スケートアメリカ男子SPのPCS分析

全日本選手権も終わり、今季後半の大会への日本からの出場選手も決定しました。
中野選手は非常に残念ではありましたが、村主選手のあの強さにはただただ脱帽。安藤選手は痛みや不安で辛い中本当によくがんばったとは思いますし、今季一番気迫を見せてくれた演技だと思うのですが、村主選手の強さの前にはやっぱりちょっとかすみますね。勝って当然の状況でしっかり自分の演技をした真央選手もさすがです。
不動の心は日本人の美徳であり、自分の苦しみをあらわにして他人の喜びを損ねないようにするのが『礼』の精神である、とかつて新渡戸稲造氏は述べたのですが、フィギュアスケートほどそれが求められるスポーツ競技はない、と私は感じています。言葉で言うほど簡単なことではありません。その努力を重ねている全ての選手を私は尊敬します。同時に、だからこそ揺るぎない強さを完全に見せられた選手こそ最大に讃えられるべきだと思います。

と、前振りが長くなりすぎました。

昨シーズンのGPシリーズは主に要素の統計をとったのですが、今シーズンはPCSの統計をとってみました。
どこに有意な特徴が出てくるかわからず、ちょっといろんなデータをとりすぎて収拾がつかないくらいなのですが、まずは試合ごとのいろいろなデータをどんどんと並べ、最後に出揃ったデータを分析してみようかな、と思います。

スケートアメリカ・男子ショートプログラム

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.31
全ジャッジ平均  6.29
(抽選の結果最も影響を受けた選手:7位 +0.10 スコアでは+0.50)

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.46   6.07  6.31   6.31   6.42
全ジャッジ平均  6.43   6.04   6.30   6.31   6.37

・INにおいては抽選された公式スコアと全ジャッジによる平均の間にやや顕著な差がみられます

★各項目平均点の標準偏差
(選手によってPCSの平均がどれくらいばらついているかを示します。
各選手の得点と平均点の差の絶対値の平均です)
公式スコア    0.80
全ジャッジ平均  0.80

・ばらつきについては平均的な抽選がされたといえます

☆項目別の標準偏差
項目            SS     TR    PE      CH      IN
公式スコア    0.78   0.81   0.84  0.80   0.78
全ジャッジ平均  0.79  0.80  0.85   0.80  0.79

・項目毎でばらつき方に大きな差はなかったようですが、あえて言えばPEは少しばらつきが大きかったようです。

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア    0.16
全ジャッジ平均  0.15

・これは各項目にどれほど意味の違いが反映されているかというのを意味する数値ですが、他の大会とも比較してみないとわからないですね。

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1  J2   J3  J4   J5   J6   J7   J8   J9
6.08 5.91 6.11 6.44 6.73 6.29 6.15 6.55 6.38

・J2とJ5で0.8点程度得点の基準が異なるということです。本当は個々の選手の得点を比べるときにはこの差に配慮しなければなりません。

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    10位  0.20      5位 0.10
全ジャッジ平均  9位 0.18     3位 0.12

・公式スコアと全ジャッジ集計では、違う選手になっています。ジャッジにより5項目の評価の仕方は大きく違い、抽選によって簡単に点のばらつき方は変わるということがわかりますね。

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J7  0.32     J4  0.15

・このようにジャッジによって項目ごとの差の付け方は倍も違います。

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J7 10位  0.60
最小 J8 1,2位   0.10

・J7が10位のマルティネス選手につけた点は極端にばらついていますね。それも、SSよりPEを1.5点も高くしています。

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  5位   0.52  4位  0.24
SS       3位   0.50  4位  0.32
TR            3位   0.54  2位  0.33
PE            5位   0.63  4位  0.30
CH        3位   0.58  4位  0.33
IN       5,9位  0.63  4位  0.16

・5位のシュルタイス選手が最大ですが、3位の小塚選手も項目によっては非常に評価がばらついています。素質としてはいいものを持っているけれどまだ評価が確立していないという感じでしょうか。一方で同じ若手でも4位のレイノルズ選手は、ジャンプがすごいのは認めるけれどセカンドマークでこれ以上は出せないという見解でジャッジが一致しているように感じます(ジャッジによる平均点の違いがあるので本当に評価が一致しているとはいえませんが)。

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J7    1.04   J4    0.61
SS       J7    1.15   J4    0.60
TR            J7    1.06   J4    0.68
PE            J7    1.13   J4    0.62
CH        J8    1.02   J4    0.61
IN       J7    1.12   J4    0.59

・J7が考えるPCSの重要性というのは非常に大きなものがあるようで、5項目でもしっかりと点差をつける方でしたが、選手によっても差を大きくつけます。PCSの意味をしっかりと生かしていくという考え方もひとつの大切な考え方ですが、その場の成功や失敗よりも元々の基礎力の有無や表現力の有無が大きく影響してしまうということにもなりかねない面があります。行きすぎるとシングル競技のアイスダンス化に繋がってしまう感じがします。

ここからの評価は選手の偏差値です。偏差値というのは平均点や標準偏差によらない、その集団の中での選手の相対評価です。
人によっては、こちらの表現の方がわかりやすいのではないでしょうか。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS  TR  PE  CH  IN  全項目平均
1位  65.6 66.1 67.3 66.2 66.7  66.5
2位  66.7 66.1 65.7 65.9 66.0  66.1
3位  59.3 60.2 59.8 59.6 60.1  59.8
4位  47.3 46.3 46.8 46.8 46.1  46.6
5位  43.1 43.5 41.3 44.3 42.9  43.0
6位  48.4 49.4 48.1 48.5 49.9  48.9
7位  42.4 42.2 42.9 44.0 42.6  42.6
8位  49.8 48.8 49.1 48.9 47.1  47.1
9位  41.7 40.1 39.6 40.9 39.8  39.8
10位   35.7 37.3 39.6 35.0 38.7  38.7

・全体に見て思うのは上の3人の評価が飛び抜けていて50代の評価の選手がほとんどいないことです。元々あまり評価の低い選手は出ないグランプリ大会だと高い選手が飛び抜けて高い格好になるということかもしれません。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  0  0  1  0  1   0
2位  0  1  1  1  2   0
3位  3  1  1  3  2   2
4位  2  3  0  1  0   1
5位  2  2  2  2  2   1
6位  0  1  0  2  1   0
7位  1  0  1  3  2   1
8位  2  4  4  2  3   3
9位  1  3  2  1  2   1
10位   2  3  4  1  5   3

・偏差値で見ると上位選手は安定していて下位選手がばらつきますね。特に8位のリッポン選手、10位のマルティネス選手の評価が非常に激しくばらついていることがわかります。リッポン選手の場合はジュニアの評価をそのまま持ち越しているジャッジとシニアに入ってしきり直しをしたジャッジとの違いが出ているのでしょうか。
(シートを普通に見ればわかるのですがJ7は小塚選手よりリッポン選手に高いPCSをつけています)

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    2  0  2  0  0   1
J2    1  1  0  0  0   0
J3    2  1  2  2  2   1
J4    2  3  3  3  4   3
J5    2  1  1  1  0   0
J6    1  4  1  2  3   1
J7    3  4  6  6  6   5
J8    0  0  0  0  1   0
J9    0  4  1  2  4   1

・J7はここまでやってしまうとはもはや天晴れという感じです。せっかくですので(笑)全ての項目で極端値を示した選手を発表しておきますと、シュルタイス選手が全て平均より5ポイント以上低く、リッポン選手が全て平均より5ポイント以上高くなっています。正直言ってシュルタイス選手のジャッジ毎の偏差の大きさはJ7一人が作りだしているといってもいいように思えます。小塚選手は項目によって何人か極端値をつけているジャッジがいますが、シュルタイス選手に低い極端値をつけているのはJ7ひとりです。
選手の点の偏差が小さかったJ4も結果としては異常値が多く出ています。偏差が小さいということも評価の独自性を示すのでしょうが、実際には小さな差を大きく引き延ばして評価しているためといえるでしょう。

われながら、ちょっとわかりにくい表現になってしまったなぁと思いますが、これからいろいろな試合の数字が並んでくれば、その大会の特色というのがわかってくると思います。
今回は、たとえば同じ8点でもジャッジによって意味が違う(ジャッジによる平均点の差)とか、J7のような独特なものの考え方をするジャッジの存在、また、点数と偏差値ではちょっと様相が変わってくることが確認できればOKということにしましょう。

2008年3月22日 (土)

GPシリーズ男子のPCS

世界選手権、残すは男子フリーのみになってしまいました。
ろくにレビューとかできない状態で申し訳ありません。プロトコルもまだちゃんと見ていない状況。でも毎日テレビで演技を見ています。

で、今回はタイムリーなのか思いっきり時季はずれなのか微妙なGPシリーズ男子シングルのPCSについて。
女子と比較して思うのはSSと他観点との差がプラスマイナスで極端だということ。特にマイナスになっている(他観点の評価が高い)選手が多いのです。
このような傾向が出てくる理由は、男子は体力があり要素以外に割ける力、あるいはスケートが拙くても身体能力で補える部分が多いということや、身体能力のピークが技術や精神面での成熟に合わせてやってくることから個性や芸術性についてよく考えてそれを実施できる選手が多いということではないかと思っています。
それゆえ私は男子の方が競技としては好きだったりもするのですが、一方で4回転などプログラムに負担をかける大技が回避される傾向にあるともいわれてしまったりします。ジャッジとしてはそのバランスをとるためか、プログラムに負担をかける大技が入るとそれだけでSSが高く出たりします。それが逆に他観点との差を広げる場合を生んでいそうな気がします。
「いかに難度の高い技術要素を自然にプログラムに組み込むか」と「全体の完成度や音楽の流れをいかに調和させていくか」のどちらに高いPCSを与えていくべきなのか、このあたりは議論も分かれてきますね。

では、具体的な数字をあげていってみたいと思います。

◆男子SP◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (31.51)
2 ロシア杯 (31.18)
3 スケートアメリカ (30.50)
4 中国杯 (30.20)
5 エリックボンパール杯 (29.86)
6 スケートカナダ (29.00)
ちなみにファイナルは36.21
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.45)
2 スケートアメリカ (0.56)
3 ロシア杯 (0.57)
4 中国杯 (0.72)
5 エリックボンパール杯 (0.94)
6 スケートカナダ (1.31)
ちなみにファイナルは0.67

その上で
・SS分布
7点台 16
6点台 33
5点台 28
・TR分布
7点台 11
6点台 22
5点台 36
4点台 8
・PE分布
7点台 14
6点台 30
5点台 29
4点台 4
・CH分布
8点台 1
7点台 16
6点台 28
5点台 29
4点台 3
・IN分布
8点台 1
7点台 16
6点台 29
5点台 26
4点台 5
最高点は全てGPファイナルの高橋大輔選手。順に 7.95 7.60 7.90 8.15 8.10

・SS-TR 最低差 スティーヴン・キャリエール(NHK杯) 0.0
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 23
0.25~ 0.49 40
0.00~ 0.24 12
・SS-PE 最低差 高橋大輔(スケートアメリカ) -0.4
0.50~ 0.74 3
0.25~ 0.49 24
0.00~ 0.24 33
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 1
・SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.45
0.50~ 0.74 1
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 32
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 3
・SS-IN 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.70
0.50~ 0.74 6
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~ 0.01 25
-0.50~-0.26 3

・トータル 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -1.25
2.00~ 2.99 4
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 30
-1.00~-0.01 12
-2.00~-1.01 1

◆男子FS◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 ロシア杯 (63.07)
2 NHK杯 (62.55)
3 スケートアメリカ (61.44)
4 中国杯 (60.78)
5 エリックボンパール杯 (60.52)
6 スケートカナダ (59.33)
ちなみにファイナルは72.43
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.77)
2 ロシア杯 (0.78)
3 中国杯 (0.84)
4 エリックボンパール杯 (0.85)
5 スケートカナダ (1.38)
6 スケートアメリカ (1.47)
ちなみにファイナルは0.74

その上で
・SS分布 最高点 ステファン・ランビエール、高橋大輔(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 33
5点台 24
4点台 1
・TR分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.60
7点台 13
6点台 23
5点台 32
4点台 9
・PE分布 最高点 ステファン・ランビエール(ロシア杯) 7.90
7点台 18
6点台 28
5点台 26
4点台 5
・CH分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 29
5点台 24
4点台 5
・IN分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 8.25
8点台 2
7点台 18
6点台 23
5点台 27
4点台 7

SS-TR 最低差 ショーン・ソーヤー(NHK杯) -0.05
1.00~ 1.24 3
0.75~ 0.99 7
0.50~ 0.74 22
0.25~ 0.49 35
0.00~ 0.24 9
-0.25~-0.01 1
SS-PE 最低差 クリストファー・ベルントソン(ロシア杯) -0.35
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~-0.01 14
-0.50~-0.26 1
SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(スケートアメリカ) -0.45
0.75~ 0.99 1
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 31
-0.25~-0.01 11
-0.50~-0.26 2
SS-IN 最低差 エヴァン・ライサチェク(スケートアメリカ) -0.40
1.00~ 1.24 1
0.75~ 0.99 5
0.50~ 0.74 9
0.25~ 0.49 17
0.00~ 0.24 24
-0.25~ 0.01 15
-0.50~-0.26 6

トータル 最低差 ジェフリー・バトル(ロシア杯)、スティーヴン・キャリエール(NHK杯) -0.70
3.00~ 3.99 4
2.00~ 2.99 7
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 28
-1.00~-0.01 12

いかがでしょう。ショートでは高橋選手が、フリーではランビエール選手が高い評価を受けていることが一目でわかります。
それゆえこれらのプログラムを「マスターピース」と呼ぶ人がいますが、一方でマスターピースというのはもっと正統派な演技を指すものではないかと思う人も、特に古くからのフィギュアファンには少なくないようです。バトル選手やウィアー選手といった芸術性が高いといわれる選手のプログラムと少し違うのは、「これぞフィギュアスケート」というラインをあえて外し、スケートで表現するのが難しい動きを取り入れている点です。とりわけ鋭いリズムを巧みに表現するエッジワークと大胆な上体の動きは見る人に新鮮な驚きを与えます。逆に「これはフィギュアスケートではない」といわれる可能性もあるわけですが、しかし、スケート技術がなければ絶対にできないプログラムをしていることは誰もが認めざるを得ません。
正統な美しいスケートと、新鮮でエキサイティングなスケート、どちらがより素晴らしいのか、この点は私は、答えは出ないと思っています。ただ思うのは、いろいろな志向があるから、フィギュアスケートは面白いのだということです。ただ一点私がルールに注文をつけたいことがあるとすれば、できるだけ客観的でありつつも、演技の画一化をうながすようなルールであってほしくない、ということです。

他観点の評価では、さまざまなレベルで高評価が出ていますが、キャリエール選手の評価が高いことは注目に値します。
彼は決して演技派ではないし、実施している要素もあまり大技はないのですが、とにかく巧さがあります。突出した見どころがないからなんとなしに流れていきがちですが、さりげなく難しいつなぎを入れていたり、そつなく見苦しいところのない演技をまとめてくる力があります。NHK杯で見たときに感じたのは「下位選手とはやはり違う。演技が作品になっている」ということでした。興奮は与えなくても決して退屈することのない、安心してみられる心地よい演技でした。

世界選手権のフリー、本当に楽しみですね。四大陸の頃までは高橋選手が飛び抜けている感じでしたが、こうして出揃ってみると本当に誰が勝ってもおかしくない状況にあると思います。
一人でも多くの選手が、納得のいく演技をすることを今から願っています。

2008年3月20日 (木)

GPシリーズ女子のPCS

世界選手権、試合が進んでいますね。ペアの結果が出ました。
ペアはシングルと同じ感覚でジャンプの着氷だけ見ていると、ピンとこない得点になってしまうことがあります。しかし、リフトやデススパイラルなどシングルにはない要素、また同調性や同調した上での自然なスケーティング、男女の距離感など、ペアならではの部分がとても大切だったりします。
私はペアはシングルよりさらにまだまだ勉強が足りないのですが、フリーの放送された分はそのうち簡単にレビューしてみたいと思います。ショートは…予約録画している間にリフォームの電気屋さんがアンテナ線を抜いてしまったそうで全然録画できていませんでした…。

さて、GPシリーズの集計も大詰め、今回はPCSの点の出方の傾向を見てみたいと思います。GOEもそうなのですが、PCSは結構大会によって点の出方が違ったりします。出場者の顔ぶれや競技自体の出来映えも大会によって違いますから、違うから即偏っているとは言えないのですが、やはり実際甘さ辛さはありますから、その傾向も合わせて表記しておきます。

◆女子SP◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (24.29)
2 スケートカナダ (23.02)
3 中国杯 (22.99)
4 スケートアメリカ (22.97)
5 エリックボンパール杯 (22.40)
6 ロシア杯 (22.01)
ちなみにファイナルは27.77
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.59)
2 スケートアメリカ (0.83)
3 中国杯 (0.87)
4 エリックボンパール杯 (0.88)
5 ロシア杯 (0.95)
6 スケートカナダ (1.08)
ちなみにファイナルは1.08

その上で
・SS分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.65
7点台 15
6点台 22
5点台 31
4点台 7
・TR分布 最高点 安藤美姫(NHK杯) 7.30
7点台 3
6点台 22
5点台 21
4点台 29
・PE分布 最高点 安藤美姫(NHK杯)、金妍兒(GPファイナル) 7.50
7点台 9
6点台 23
5点台 29
4点台 14
・CH分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.45
7点台 12
6点台 20
5点台 29
4点台 14
・IN分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.50
7点台 12
6点台 22
5点台 27
4点台 14

・SS-TR 最低差 安藤美姫(NHK杯) 0.15
0.75~ 0.99 3
0.50~ 0.74 32
0.25~ 0.49 36
0.00~ 0.24 4
・SS-PE 最低差 エレナ・グレボワ(スケートカナダ) -0.35
0.50~ 0.74 2
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 36
-0.25~-0.01 11
-0.50~-0.26 1
・SS-CH 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ) -0.20
0.25~ 0.49 20
0.00~ 0.24 48
-0.25~-0.01 7
・SS-IN 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ) -0.40
0.50~ 0.74 1
0.25~ 0.49 19
0.00~ 0.24 43
-0.25~-0.01 10
-0.50~-0.26 2

・トータル 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯) -0.15
2.00~ 2.99 1
1.00~ 1.99 30
0.00~ 0.99 40
-1.00~-0.01 4

◆女子FS◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (46.98)
2 ロシア杯 (46.33)
3 スケートカナダ (46.27)
4 エリックボンパール杯 (46.02)
5 スケートアメリカ (45.49)
6 中国杯 (43.97)
ちなみにファイナルは56.99
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 スケートアメリカ (0.89)
2 ロシア杯 (0.96)
3 スケートカナダ (1.06)
4 NHK杯 (1.07)
5 中国杯 (1.10)
6 エリックボンパール杯 (1.22)
ちなみにファイナルは0.88

その上で
・SS分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.85
7点台 15
6点台 23
5点台 28
4点台 9
・TR分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.40
7点台 5
6点台 22
5点台 29
4点台 19
3点台 1
・PE分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.85
7点台 11
6点台 20
5点台 27
4点台 17
・CH分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.65
7点台 11
6点台 20
5点台 31
4点台 13
・IN分布 最高点 金妍兒(ロシア杯、GPファイナル) 7.65
7点台 11
6点台 20
5点台 28
4点台 16

SS-TR 最低差 ラウラ・レピスト(スケートカナダ)、キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.20
0.75~ 0.99 1
0.50~ 0.74 34
0.25~ 0.49 28
0.00~ 0.24 2
SS-PE 最低差 金妍兒(GPファイナル) -0.15
0.50~ 0.74 5
0.25~ 0.49 31
0.00~ 0.24 36
-0.25~-0.01 3
SS-CH 最低差 キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) -0.15
0.25~ 0.49 22
0.00~ 0.24 49
-0.25~-0.01 4
SS-IN 最低差 ジョアニー・ロシェット(スケートカナダ) -0.20
0.50~ 0.74 2
0.25~ 0.49 27
0.00~ 0.24 41
-0.25~-0.01 5

トータル 最低差 キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.20
2.00~ 2.99 1
1.00~ 1.99 42
0.00~ 0.99 32

3/21追記
時間がなくて昨日はデータだけ丸投げみたいな感じで解析も何もしませんでしたが…今日も十分な時間がありません。
PCS全体の得点で言えることは、プログラムがただの要素の羅列になっておらず全体を通して質が高く中身が濃いプログラムになっているかどうかということです。とりわけストローク自体の美しさやスピード感をはかるSS(スケーティングスキル)は全ての構成点の基準になっています。
一方でSSと他観点の差は、スケート技術に関係なく、小さいほどスケーターの能力を最大に魅せるよう工夫された、芸術性やエンターテイメント性の高い演技であるということができます。
他の観点の得点においてSSが基準になっているのは、やはりフィギュアスケートは第一にスケートの美しさを表現してなんぼであるためです。スケート技術以外の部分を使っていくら表現しても、それはスケートとしては評価されないものなのです。
けれどもやはりスケート技術以外何も要らないというわけではありません。音楽に合わせて、美しいと思わせるように滑るには、また観客を飽きさせず数分間魅せるには、ただ滑るだけではいけないのです。その工夫の積み上げが他観点とSSの得点差に反映されます。全体で見るとこれによって、ショート、フリー合わせて最大およそ5点くらいの差がつくとみられます。

2008年3月16日 (日)

男子フリーのスピン構成

世界選手権もはじまるというときにようやくGPシリーズの集計、スピンの最終回です。
実は家半分をリフォームすることになり、週末がかりで大掃除に追われておりました。ネットにはつなげていますがかなり不自由の多い状態です。更新頻度はますます落ちてしまうかもしれませんが、世界選手権もありますし、ネット時間はしっかり確保していきたいと思います。

さて今回は男子フリーのスピン構成。レイバックスピンを実施する女子と比べるとバリエーションはやや少ないですが、足換えスピンを多用しているのが目立ちます。

男子も足換えコンビネーションスピンをほとんどの選手が実施しています。1つだけ実施していない例がありますが、とりあえず今回も足換えコンビネーションをコンビネーションを満たすスピンと考えてそれ以外のスピンの分類を考えてみました。

<コンビネーションを3つ、単一姿勢を1つの構成>

★フライングスピンを満たすものがFCCoSp 2
・CCoSp,FCCoSp,FSSp,CoSp 2

★フライングスピンを満たすものがFCoSp 4
・CCoSp,FCoSp,USp,CoSp 2
・CCoSp,FCoSp,FSSp,CoSp 2

合計 6

<コンビネーションを2つ、単一姿勢を2つの構成>
※男子はフライングシットスピンが非常に多いので、2つ以上のフライングスピンがある場合ここではフライングスピンにはフライングシットを優先的に適用し、そののち単一姿勢のスピンを決定した。
1つだけ足換えコンビネーションスピンを実施していないプログラムに関しては、フライング足換えコンビネーションスピンをコンビネーションに適用した。

★フライングスピンを満たすものがFSSp 52
☆うち単一姿勢を満たすものがCSSp 34
・CCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 28
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCoSp 1
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCCoSp 5
☆うち単一姿勢を満たすものがCUSp 5
・CCoSp,FSSp,CUSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,CUSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがFCSSp 5
・CCoSp,FSSp,FCSSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,FCSSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがFCUSp 3
・CCoSp,FSSp,FCUSp,CoSp 1
・CCoSp,FSSp,FCUSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがSSp 1
・CCoSp,FSSp,SSp,CoSp 1
☆うち単一姿勢を満たすものがUSp 3
・CCoSp,FSSp,USp,CoSp 3
☆うち単一姿勢を満たすものがFCSp 1
・CCoSp,FSp,FCSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFCSp 1
・CCoSp,FCSp,CSSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFUSp 2
・CCoSp,FUSp,CUSp,CoSp 2

★フライングスピンを満たすものがFCSSp 2
・CCoSp,FCSSp,CSSp,FCCoSp 2

◆コンビネーションを満たすものがFCCoSp 1
・FCCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 1

合計 58

<コンビネーションを1つ、単一姿勢を3つの構成>
※フライングスピンが自動的に決まる構成のみなので、その区別ののちに単一姿勢スピンをシンプルなものから適用した。

★フライングスピンを満たすものがFSSp 9
☆うち単一姿勢を満たすものがSSp 5
・CCoSp,FSSp,SSp,CUSp 4
・CCoSp,FSSp,SSp,CCSp 1
☆うち単一姿勢を満たすものがUSp 1
・CCoSp,FSSp,USp,CSSp 1
・CCoSp,FSSp,LSp,FCSSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがCSSpかCUSp 3
・CCoSp,FSSp,CSSp,CUSp 3

★フライングスピンを満たすものがFCSp 2
・CCoSp,FCSp,CSSp,CUSp 2

合計 11

<4つのスピンが認定されなかったもの> 2

いかがでしょう。男子選手は圧倒的にシットスピンが多いですね。もう少しいろいろなポジションの単一姿勢スピンがあれば、もっとスピンの楽しさが際立ってきそうに思うのですが、男子はどちらかというとジャンプが見せ場になりますし、まずはしっかり点を取ろうと思えば、こういう構成にならざるを得ないのかもしれません。
また、男子は柔軟性のある多様なポジションを持っていない代わりに両足でスピンを行ったりして、基礎的な筋力の強さやエッジコントロールを生かしたスピンを行っています。フライングスピンも高さがあって見応えがあります。

さて、ここまでGPシリーズの要素を振り返ってきましたが、次はPCSについてのデータをちょっと分析してみたいと思います。得点のランキングは資料室さんで見られるはずなので、5項目のバランスに関する分析をしてみたいのですが、まだどんな風な切り口にするか、具体的には浮かんでおりません…
でも世界選手権が終わる前にはまとめてしまいたいと思います。

2008年3月12日 (水)

女子フリーのスピン構成

GPシリーズのスピン集計、今回は4つのスピンの「構成」分類です。

男女とも、そんなに多様なパターンはないのではないかと高をくくっていたのですが、そんなことはなく、実に多様なパターンがありました。
最初は男女まとめてと言っていましたけれど、やっぱり男女別にまとめてみたいと思います。

スピンを構成する上での観点は4つあるように思います。
・できるだけ基礎点が高くなるように構成
・できるだけ得意な見栄えのいいスピンを中心に構成
・できるだけプログラムが単調にならないように構成
・できるだけ全体の演技時間を圧迫しないよう短時間で構成
どの優先度を高くするかは選手によりけりです。女子は4番目の項目もバカに出来ません。

△ここでフリーにおけるスピンのルールのおさらい▽
4つまで行うスピンのうち、
・少なくとも一つは単一姿勢(足換え、フライングの有無を問わない)、
・少なくとも一つはフライングスピン(単一姿勢、コンビネーション、足換えの有無を問わない)、
・少なくとも一つはコンビネーション(足換え、フライングの有無を問わない)
を行わなくてはならない。残り一つは自由。
ただし4つのスピンは全て異なる略記号のスピンになるようにする。

GPシリーズの女子では、全選手が足換えコンビネーションスピンを実施しています。これはSPの必須要素にもなっていて、かつ基礎点も最も高いため、一番実施しやすいためと考えられます。ここではまず、コンビネーションスピンの条件を満たすものはすべてCCoSpであるという前提で構成を考えていってみたいと思います。
スピンの順番は「コンビネーションスピン、フライングスピン、単一姿勢のスピン、もう一つのスピン」の順に並べています。

<コンビネーションを3つ、単一姿勢を1つの構成>
※単一姿勢を満たすものが1つしかないので自然に決定する。フライングスピンはFCCoSpかFCoSpになる。
♪レベルもとりやすく基礎点は高くできますし、中間姿勢が3度認められることも有利な点ですが、ややスピンに時間をとられること、せわしなかったり単調な印象になってしまうのが難点、と思われます。

★フライングスピンを満たすものがFCCoSp 1
・CCoSp,FCCoSp,FSSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFCoSp 3
・CCoSp,FCoSp,LSp,CoSp 1
・CCoSp,FCoSp,FCSp,CoSp 1
・CCoSp,FCoSp,FSSp,CoSp 1

合計 4

<コンビネーションを2つ、単一姿勢を2つの構成>
※フライングスピンは単一姿勢、コンビネーションのいずれもありうる。フライングスピンが単一姿勢1つであれば話は簡単なのだが、コンビネーション、単一姿勢の両方にあったり、単一姿勢の2つともがフライングスピンだったりすると適用の判断に悩む。
ここでは可能な限り略記号の少ないシンプルなスピンから単一姿勢を適用し、そののちにフライングスピンを、これも単一姿勢から優先的に適用することとした。
♪異なる姿勢の単一姿勢スピンを2つ入れればプログラムの中で変化をつけられますし、単調にはなりますが得意な姿勢を2つ入れて要素点を稼ぐこともできます。最も一般的な構成です。

★単一姿勢を満たすものがLSp 30
☆うちフライングスピンを満たすものがFSSp 19
・CCoSp,FSSp,LSp,CoSp 17
・CCoSp,FSSp,LSp,FCoSp 2
☆うちフライングスピンを満たすものがFCSp 10
・CCoSp,FCSp,LSp,CoSp 9
・CCoSp,FCSp,LSp,FCCoSp 1
☆うちフライングスピンを満たすものがFCoSp 1
・CCoSp,FCoSp,LSp,CUSp 1

★単一姿勢を満たすものがSSp 3
・CCoSp,FSSp,SSp,CoSp 1
・CCoSp,FSSp,SSp,FCoSp 2

★単一姿勢を満たすものがCSp 3
・CCoSp,FSSp,CSp,CoSp 2
・CCoSp,FSSp,CSp,FCoSp 1

★単一姿勢を満たすものがCSSp 9
・CCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 5
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCCoSp 4

★単一姿勢を満たすものがCUSp 10
☆うちフライングスピンを満たすものがFSSp 7
・CCoSp,FSSp,CUSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,CUSp,FCCoSp 4
☆うちフライングスピンを満たすものがFCSp 3
・CCoSp,FCSp,CUSp,CoSp 3

★単一姿勢を満たすものがFSSpかFCSp 6
・CCoSp,FCSp,FSSp,CoSP 6

合計 61

<コンビネーションを1つ、単一姿勢を3つの構成>
※この構成はすべてレイバックスピンを含んでいる。そこでレイバックスピンを単一姿勢のスピンと考えて分類してみた。
♪全てを異なる姿勢で構成すればくっきりと変化のある構成になるし、そうではなくてもコンビネーションスピンの苦手な選手には有用と思われますが、高いレベルを確実にとらなければ、基礎点の上では少々不利なのではないかと思います。

☆フライングスピンを満たすものがFSSp 8
・CCoSp,FSSp,LSp,USp 2
・CCoSp,FSSp,LSp,CUSp 3
・CCoSp,FSSp,LSp,FCSSp 2
・CCoSp,FSSp,LSp,FCUSp 1

☆フライングスピンを満たすものがFCSp 2
・CCoSp,FCSp,LSp,CSSp 2

合計 10

いかがでしょう。異なる略記号のスピンの組み合わせって、いくらでもあるものですねー。
安藤選手がレイバックスピンでレベルをとるのが難しく、NHK杯で構成を変えてきたことは知られていますが、真央選手もファイナルでは構成を変えてコンビネーションを3つの構成にしてきました。

ここではコンビネーションと単一姿勢との比率を重視しましたが、足換えスピンの比率も注目に値します。得意なスピンの傾向は、基本姿勢の違いだけでなく、パリエーションの多様さか、異なる足、エッジでのスピンか、どちらの方がより得意かということも特徴になります。「この選手はポジションは地味なのにスピンで高得点がとれている」という場合には、後者タイプだったりするわけです。

みなさんのお気に入りの選手がどういうタイプか、考えてみるのも面白いと思います。

2008年3月 9日 (日)

男子フリーのスピン

GPシリーズのスピン集計、今回は男子FS。

女子と比べて男子に見られる特徴はレイバックスピンを行わないこと。その代わりに足換えのスピンが多くなっています。
これは単に難しいレイバックの代わりに、というだけの理由ではなさそうです。フライングスピンの数はむしろ女子よりやや少ないくらい。その分やはり足換えスピンが多いのです。

これは推論ですが、男子は女子に比べてジャンプが1回だけ多くなっているのですが、それでも30秒の演技時間があればもう少し余裕ができるのだと思います。そこで少し構成の長いスピンを入れることができるのでしょう。そのことにより、チェンジエッジを2度行うなどして、柔軟性を要するディフィカルトポジションが少なくても高いレベルを狙う構成が可能、ということではないかと思っています。

とりあえず、その内訳を見ていきましょう。

<単一姿勢スピン>

◇レベル認定なし(CSp) 1

◇レベル1(BV1.2) 2
・SSp1 1 GOE 高嵩(エリックボンパール杯) -0.12
・USp1 1 GOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 0.0

◇レベル2(BV1.5) 2
・SSp2 2 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル3(BV1.8) 6
・SSp3 1 GOE ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(GPファイナル) -0.06
・USp3 5 ベストGOE ジャマル・オスマン(スケートカナダ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 5

◇レベル4(BV2.4) 2
・SSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(スケートカナダ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 2

◎シットスピン 6(7.8%)
◎キャメルスピン 1(1.3%)
◎アプライトスピン 6(7.8%)
合計 13

<単一姿勢の足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 7
・CSSp1 5 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ、カレル・ゼレンカ、呉家亮(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2
・CUSp1 2 ベストGOE グレゴール・ウルバス(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1

◇レベル2(BV2.0) 11
・CSSp2 8 ベストGOE スティーヴン・キャリエール(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 3
・CUSp2 3 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ(中国杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 23
・CSSp3 15 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 1
・CUSp3 8 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 2

◇レベル4(BV3.0) 22
・CSSp4 17 ベストGOE パトリック・チャン(エリックボンパール杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 14
・CCSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
・CUSp4 3 ベストGOE ジェフリー・バトル(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 2

◎足換えシットスピン 45(58.4%)
◎足換えキャメルスピン 2(2.6%)
◎足換えアプライトスピン 16(20.8%)
合計 63

<単一姿勢のフライングスピン>

◇レベル1(BV1.7) 6
・FSSp1 6 ベストGOE クリストファー・ベルントソン(スケートアメリカ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

◇レベル2(BV2.0) 14
・FSSp2 12 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 3
・FCSp2 2 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 27
・FSSp3 24 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯、ロシア杯)、ヤニック・ポンセロ、アレクサンドル・ウスペンスキー(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 20
・FCSp3 2 ベストGOE セルゲイ・ドブリン(NHK杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
・FUSp3 1 GOE ケヴィン・レイノルズ(スケートアメリカ) -0.06

◇レベル4(BV3.0) 27
・FSSp4 26 ベストGOE トマシュ・ヴェルネル(エリックボンパール杯)、ジョニー・ウィアー(ロシア杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 15
GOE<0.0 1
・FUSp4 1 GOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯) 0.2

◎フライングシットスピン 68(88.3%)
◎フライングキャメルスピン 4(5.2%)
◎フライングアプライトスピン 2(2.6%)
合計 74

<単一姿勢のフライング足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 2
・FCSSp1 2 GOE 南里康晴(スケートアメリカ、NHK杯) -0.06
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル2(BV2.0) 0

◇レベル3(BV2.3) 1
・FCSSp3 1 GOE エヴァン・ライサチェク(GPファイナル) 0.2

◇レベル4(BV3.0) 7
・FCSSp4 4 ベストGOE エヴァン・ライサチェク(中国杯)、小塚崇彦(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 2
・FCUSp4 3 ベストGOE ジャマル・オスマン(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 2

◎フライング足換えシットスピン 7(9.1%)
◎フライング足換えアプライトスピン 3(3.9%)
合計 10

<コンビネーションスピン>

・CoSp1(BV1.7) 5 ベストGOE パトリック・チャン(スケートアメリカ)、10(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 3

・CoSp2(BV2.1) 6 ベストGOE クリストファー・ベルントソン(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

・CoSp3(BV2.5) 16 ベストGOE 柴田嶺(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 2

・CoSp4(BV3.0) 21 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 9
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 2

◎合計 48(62.3%)

<フライングコンビネーションスピン>

・FCoSp1(BV1.7) 1 GOE アルバン・プレオベール(スケートアメリカ) -0.12

・FCoSp2(BV2.1) 1 GOE 高橋大輔(NHK杯) 0.2

・FCoSp3(BV2.5) 4 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯)、高橋大輔(GPファイナル) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 2

・FCoSp4(BV3.0) 1 GOE ジャマル・オスマン(中国杯) 0.4

◎合計 7(9.1%)

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1(BV2.0) 11 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 5

・CCoSp2(BV2.5) 9 ベストGOE ジェフリー・バトル(スケートカナダ) 0.7
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 1

・CCoSp3(BV3.0) 28 ベストGOE ステファン・ランビエール(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 19

・CCoSp4(BV3.5) 28 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.2
1.0≦GOE<1.5 2
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 19
GOE<0.0 1

◎合計 76(98.7%)

<フライング足換えコンビネーションスピン>

・FCCoSp1(BV2.0) 2 GOE 南里康晴(スケートアメリカ) -0.06
GOE<0.0 2

・FCCoSp2(BV2.5) 3 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 2

・FCCoSp3(BV3.0) 4 ベストGOE スティーヴン・キャリエール(スケートアメリカ、NHK杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 1

・FCCoSp4(BV3.5) 7 ベストGOE ショーン・ソーヤー(中国杯) 0.9
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 4

◎合計 16(20.8%)

さて、いかがでしょう。

キャメルスピンの認定なしはチャン選手のエリック杯の転倒スピン。本来はコンビネーションスピンとして実施される予定だったものです。
ですから、単一姿勢のキャメルスピンを試みた選手はいない、ということになります。

ランビエール選手はさすがのGOE。同じスイスのオスマン選手も、がんばっていますね。バトル選手、チャン選手とカナダ勢の名前もあがっています。彼らはやはり印象的なポジションの美しさを持っていますね。
キャリエール選手はとても速いスピンを持っているのですが、チェンジエッジをほとんどしないため、高いレベルをとるのは難しいようです。
日本人の名前は低いレベルの中に多いのが少し残念。回転数などをしっかり維持し、明瞭なポジションを練習することが求められますね。

個人的にはソーヤー選手の柔軟性を生かしただけでない個性的なスピンが印象に残ります。

スピンというのは実は非常に味のある、面白い要素。新採点になって、旧採点下では苦手なために簡単に3,4回転程度でお茶を濁していた選手もスピンに時間を割かざるを得なくなり、観客にとってもスピンの時間が苦痛な場合が多くなってきた、と言われたりもしますが、やはり優れたスピンのよさとは採点が変わっても色あせないものです。
チェンジエッジの見分けなどは難しいのですが、まずは形の面白さを楽しみつつ、レベルのことに興味がわいてきましたなら、今のところ「解説」カテゴリー唯一の記事、「スピンのチェンジエッジ」を参考にしてみてくださいませ。

2008年3月 8日 (土)

女子フリーのスピン

GPシリーズのスピン集計、続いては女子FSのスピンです。

今季からフリーの4つのスピンは全て異なる略記号のものを実施しなくてはならないことになりました。
略記号、3AとかSpSq4とかいうアルファベットと数字の組み合わせですが、これまで私は何気なく使ってきていましたけれど、プロトコルを読むのに必要なものなので、ご存じない方はぜひフィギュアスケート資料室のまとめをご覧になってください。
元から、1つは単一姿勢のスピン(フライング、足換えの有無は問わない)、1つはフライングスピン(単一姿勢、コンビネーションは問わない)、1つはコンビネーションスピン(フライング、足換えの有無は問わない)で構成されていなければなりません。これにもう一つ、どのようなスピンを加えるかに各選手の裁量が問われます。基礎点を得るための構成、プログラムに変化をつけるための構成が考えられますが、そのあたりは男女ともにまとめの中で分析してみたいと思います。

◎で記したところが同じ略記号のスピンの集計です。各スピンとも1プログラムにつき1回ということになりますから、プログラムで実施されるパーセンテージも表示してみました。
BVというのは基礎点のことです。スピンの基礎点を私はよく忘れてしまいがちなので、自分の頭の中の整理のために書き出してみました。

<単一姿勢スピン(レイバック以外)>

◇レベル1(BV1.2) 2
・SSp1 1 GOE ヴァレンティナ・マルケイ(エリックボンパール杯) 0.1
・USp1 1 GOE アナスタシア・ギマツェティノワ(エリックボンパール杯) 0.0

◇レベル2(BV1.5) 1
・USp2 1 GOE イドラ・ヘーゲル(スケートカナダ) -0.24

◇レベル3(BV1.8) 4
・SSp3 2 ベストGOE キミー・マイズナー(エリックボンパール杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1
・CSp3 2 ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル4(BV2.4) 1
・CSp4 1 GOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 0.7

◎シットスピン 3(4.0%)
◎キャメルスピン 3(4.0%)
◎アプライトスピン 2(2.7%)
合計 8

<レイバックスピン>

・LSp1(BV1.5) 11 ベストGOE 安藤美姫(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 11

・LSp2(BV1.8) 9 ベストGOE ベアトリサ・リャン(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 3

・LSp3(BV2.4) 13 ベストGOE アリッサ・シズニー(中国杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 7

・LSp4(BV2.6) 8 ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 1.5
GOE=1.5(FullMark!) 1
1.0≦GOE<1.5 3
0.5≦GOE<1.0 4

◎合計 41(54.7%)

<単一姿勢の足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 2
・CSSp1 1 GOE カロリーナ・コストナー(NHK杯) -0.24
・CUSp1 1 GOE 澤田亜紀(エリックボンパール杯) -0.12

◇レベル2(BV2.0) 9
・CSSp2 6 ベストGOE 許斌姝(中国杯)、カロリーナ・コストナー(GPファイナル) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 4
・CUSp2 3 ベストGOE トゥーバ・カラデミル(スケートアメリカ)、村主章枝(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 7
・CSSp3 2 ベストGOE シンシア・ファヌフ(スケートカナダ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2
・CUSp3 5 ベストGOE 武田奈也(スケートカナダ)、村主章枝(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 3

◇レベル4(BV3.0) 7
・CSSp4 2 ベストGOE 金妍兒(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2
・CUSp4 5 ベストGOE ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2

◎足換えシットスピン 11(14.7%)
◎足換えアプライトスピン 14(18.7%)
合計 25

<単一姿勢のフライングスピン>

◇レベル認定なし(FSSp) 3

◇レベル1(BV1.7) 6
・FSSp1 5 ベストGOE エレナ・グレボワ(スケートカナダ、エリックボンパール杯)、イドラ・ヘーゲル(スケートカナダ)、スザンナ・ポイキオ(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 1
・FCSp1 1 GOE 許斌姝(中国杯) 0.0

◇レベル2(BV2.0) 25
・FSSp2 15 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ)、村主章枝、ベアトリサ・リャン(中国杯)、エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 11
GOE<0.0 4
・FCSp2 10 ベストGOE アレクサンドラ・イエフレワ(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 4

◇レベル3(BV2.3) 24
・FSSp3 18 ベストGOE 中野友加里(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 17
・FCSp3 6 ベストGOE 中野友加里(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2

◇レベル4(BV3.0) 21
・FSSp4 16 ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ)、アリッサ・シズニー(中国杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 8
・FCSp4 5 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 2

◎フライングシットスピン 57(76.0%)
◎フライングキャメルスピン 22(29.3%)
合計 79

<単一姿勢のフライング足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 0

◇レベル2(BV2.0) 0

◇レベル3(BV2.3) 3
・FCSSp3 2 GOE アシュリー・ワグナー(スケートカナダ、エリックボンパール杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
・FCUSp3 1 GOE カタリナ・ゲルボルト(ロシア杯) -0.18

◇レベル4(BV3.0) 0

◎フライング足換えシットスピン 2(2.7%)
◎フライング足換えアプライトスピン 1(1.3%)
合計 3

<コンビネーションスピン>

・CoSp1(BV1.7) 3 GOE カロリーナ・コストナー、ユリア・シェベスチェン、スザンナ・ポイキオ(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3

・CoSp2(BV2.1) 4 ベストGOE アリーナ・マルティノワ、王月人(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 2

・CoSp3(BV2.5) 12 ベストGOE カロリーナ・コストナー(NHK杯)、中野友加里(GPファイナル) 0.5
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 8
GOE<0.0 2

・CoSp4(BV3.0) 31 ベストGOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 20

◎合計 50(66.7%)

<フライングコンビネーションスピン>

・FCoSp1(BV1.7) 1 GOE サラ・マイヤー(エリックボンパール杯) 0.1

・FCoSp2(BV2.1) 0

・FCoSp3(BV2.5) 3 ベストGOE ベアトリサ・リャン(中国杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3

・FCoSp4(BV3.0) 5 ベストGOE ベアトリサ・リャン(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 5

◎合計 9(12.0%)

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1(BV2.0) 6 ベストGOE 村主章枝(中国杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

・CCoSp2(BV2.5) 19 ベストGOE キャロライン・ジャン(中国杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 7

・CCoSp3(BV3.0) 29 ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 19
GOE<0.0 2

・CCoSp4(BV3.5) 21 ベストGOE キャロライン・ジャン(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 11
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 3

◎合計 75(100%)

<フライング足換えコンビネーションスピン>

・FCCoSp1(BV2.0) 0

・FCCoSp2(BV2.5) 1 GOE ジョアニー・ロシェット(スケートカナダ) 0.0

・FCCoSp3(BV3.0) 5 ベストGOE ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 5

・FCCoSp4(BV3.5) 4 ベストGOE 金妍兒(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 3

◎合計 10(13.3%)

いかがでしょうか。やっぱりこうして書き出してみると、スピンの種類は多くて、もう少し小分けにした方がよかったかな、という気がしてきます。
最も基礎点の高い足換えコンビネーションスピンは、さすがに全ての選手が実施しているということがわかりました。単一姿勢はやはり基礎点の高いレイバックが多めですが、さらに基礎点の高い足換えスピンや2度のフライングスピンという形にしてくる選手もいます。中野選手は得意のフライングキャメルの他にフライングシットも行う構成。やはりフライングキャメルの印象はすさまじいものがありますから、レイバックのないこともまったく気になりません。

そして、特筆すべきはジャン選手のフルマークGOEでしょうか。スピンのプラスGOEはジャッジの与える点の平均のちょうど半分になりますから、+1点でジャッジの平均は2、+1.5点でジャッジの平均は3点ということになります。他のスピンも、柔軟性を生かしたものは本当に高評価です。
ただし、単に体が柔らかいから、得点がとれているわけではありません。彼女のスピンの回転は本当に速く、どんなポジションをとっても決して速度がゆるむことはありません。同じ秒数ポジションを維持していても、5回転回れるのと3回転しか回れないのでは見栄えの点で大きく違うのです。
荒川さんは「ただストレッチで体がよく曲がるだけではなく、その姿勢をキープする筋力がなければ、美しいポジションは作れない」といつも言っています。とりわけ深いレイバックポジションから上体を起こすのに要する筋力は相当のものだと言われています。ジャン選手は片足を持って引っ張るのと同時にそれをするのですから、想像を絶します。
私は子供の頃に新体操を題材にした少女漫画でそんなことを読んでいたので、とりわけ新しい情報とは思っていなかったのですが、彼女がそれだけ繰り返し言っているのは、きっと多くの人に誤解されているところがあるためだろうと思います。ジャン選手はまだ四肢の軽さというアドバンテージがあるでしょうが、筋力あってこそ、安定したスケーティングと驚異的なポジションの両取りができている、ということができます。

真央選手も、スピンは比較的苦手な要素としながらかなりのGOEをもらっています。この総合力の高さこそ彼女の強みです。キム選手も、スピンでもしっかり得点が出せる選手です。

いつも長いエントリーがさらに長くなってしまいましたが、がんばって読んでくださった方、ありがとうございます。

2008年3月 7日 (金)

男子ショートプログラムのスピン

GPシリーズの集計、今回は男子SPのスピンです。

男子もやはりSPのスピンのお題は決まっていますが、女子のレイバックに代わり足換え単一姿勢スピンをすることになっていて、そのポジションはシットかキャメルと決まっています。しかし現実には、レベル認定を受けやすいシットスピンを行う選手が圧倒的に多くなっています。

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1 7(9.1%) ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 6

・CCoSp2 16(20.8%) ベストGOE セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 14
GOE<0.0 1

・CCoSp3 26(33.8%) ベストGOE ショーン・ソーヤー(中国杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 5

・CCoSp4 28(36.3%) ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ)、ステファン・ランビエール、ジョニー・ウィアー(GPファイナル) 0.8
0.5≦GOE<1.0 12
0.0≦GOE<0.5 14
GOE<0.0 2

<足換えスピン>

レベル認定なし(CSSp) 1(1.3%)

レベル1 6(7.8%)
・CSSp1 6 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ、カレル・ゼレンカ(中国杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

レベル2 4(5.2%)
・CSSp2 4 ベストGOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 2

レベル3 27(35.1%)
・CSSp3 27 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 20
GOE<0.0 6

レベル4 39(50.6%)
・CSSp4 37 ベストGOE ステファン・ランビエール(GPファイナル) 0.9
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 30
GOE<0.0 3
・CCSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(スケートカナダ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2

足換えシットスピン 75(97.4%)
足換えキャメルスピン 2(2.6%)

<フライングスピン>

レベル認定なし(FSSp) 1(1.3%)

レベル1 6(7.8%)
・FSSp1 6 ベストGOE 南里康晴(スケートアメリカ)、ブライアン・ジュベール(スケートカナダ)、ジャマル・オスマン(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

レベル2 15(19.5%)
・FSSp2 13 ベストGOE ジョニー・ウィアー(中国杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 6
・FCSp2 2 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯)、セルゲイ・ドブリン(NHK杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 2

レベル3 24(31.2%)
・FSSp3 21 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.7
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 16
GOE<0.0 3
・FCSp3 1 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(スケートアメリカ) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
・FUSp3 2 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(スケートアメリカ、ロシア杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 2

レベル4 31(40.3%)
・FSSp4 31 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 18
GOE<0.0 2

フライングシットスピン 72(93.5%)
フライングキャメルスピン 3(3.9%)
フライングアプライトスピン 2(2.6%)

△足換えスピンとフライングスピンの組み合わせ▽
足換えシット+フライングシット 70(90.9%)
足換えシット+フライングキャメル 3(3.9%)
足換えシット+フライングアプライト 2(2.6%)
足換えキャメル+フライングシット 2(2.6%)

女子でもありましたけれど、シットスピンの「レベル認定なし」は、今季からのシットスピンのポジションを厳密化したルールでシットのポジションと認められなかったものです。
昨シーズンの世界選手権フリーでフライングシットをフライングアプライトと判定されてしまった高橋選手はその弱点を努力して克服し、全てのスピンで認定を受けることができました。スピンで高いGOEを獲得できる選手ではありませんが、こうしてみな、新採点のルールの下少しずつ進歩しています。

高いレベル、GOEともに獲得している選手といったらやはりランビエール選手。スピンは彼の代名詞といっても過言ではありません。ここに名前も挙がっているソーヤー選手のような、女子選手もびっくりのポジションなどは持っていませんが、それでも軸の美しさ、回転の速さ、そして時間をかけてポジション変化でひとつのストーリーを創り出すような独創性は素晴らしいものがあります。
昨年の世界選手権の後、インターネットで「ランビエール選手のフリーはパフォーマンスは素晴らしいけれど、スケートとしてはリンクを使い切れていない気がする。あまり『滑走』していない」という批判をみかけたりして、気にしてみたのですが、なんのことはない、彼はジュベール選手と比べると30秒も長くスピンに時間を費やしていたのでした。高橋選手と比べても、15秒ほど長くスピンしていました。確かにトップ選手の中では滑りにスピードのある方ではありませんが、それだけ自分の見せ所をわかっていると言えるでしょうね。

ウィアー選手、小塚選手も名前が挙がっていますね。小塚選手は回転速度が素晴らしい選手です。ウィアー選手はポジションが実に美しい、腰も深くよくフリーレッグの上がったスピンをします。

キャメルスピンはなかなかレベルのとりづらいスピンで(とりわけドーナツなどの変形の難しい男子では)、多くの選手は単一姿勢で使うことを避けるのですが、ロシアの選手はなぜか伝統的に美しいキャメルスピンを持っています。
とりわけジュニアの大会ではキャメルスピンが必須になってきますので全ての選手のキャメルが見られるのですが、ロシアの選手は若くてもいつも「さすが」と思わせてくれます。
ポンセロ選手のキャメルスピンも叙情的な彼の演技に合って優雅で素敵です。
基本のポジションもスパイラルに似て男子には難しいと思いますが、レベルをとるにはチェンジエッジ、バタフライやバックエントランス、仰向けの難しいポジションなどを駆使しなくてはなりません。しかし8回転は他の要素との兼ね合い上、なかなか使えないようです。上半身を含め身長の長さをぐるぐる振り回すキャメルはなかなか速度が出ませんので、時間がかかり、プログラムの中で時間を使いすぎてしまうのです…。
正直、もっとキャメルスピンの難度にあった独自のレベルの特徴を考えていただきたいものです。(私はルールにあまり注文をつけたい方ではないのですが、これはわりと切実)

さて、フリーの集計方法ですが、男女ごとにはスピンの種類別に数え上げ、最後に男女合わせてその組み合わせを集計してみたいと思います。今回の2つのスピンの組み合わせと違い、4つのスピンで組み合わせの可能性はかなりありますが、実際のところはそんなに組み合わせはないのでは…と踏んでいます。