2009年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

データベース-GPシリーズ

2009年1月14日 (水)

GPシリーズ、スケートアメリカ女子SPのPCS分析

あけましておめでとうございますがずいぶん遅れてしまいました。今月でこのブログは1周年ですが、どうにもとりとめも方向性もないブログになってしまっております。
もう少し系統立ててデータや解説ができればいいのですが、そのときの忙しさなどでネタを決めてしまうのがいけないですね…

さて、前回スケートアメリカ男子のPCSに関していろいろな数字を並べてみましたが、今回は女子です。
同じ大会の同じ種目は同じジャッジが採点することが多いのですが、異なる種目になるとだいぶ感じが変わってきます。選手の特性をおさえつついろいろと比較してみると楽しいかなと思います。

スケートアメリカ・女子シングルショートプログラム

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.24
全ジャッジ平均  6.15
(抽選の結果最も影響を受けた選手:10位 -0.23 スコアでは-0.92)

・他の選手は平均点と同様、公式スコアの方が得点が上がっているのですが、10位のリュン選手のみが大幅に下がっています。かなり、運が悪かったですね。

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.44   5.89   6.31   6.27   6.27
全ジャッジ平均  6.35   5.84   6.21   6.19   6.17

・男子に比べてもずいぶん全ジャッジ集計と公式スコアに隔たりがあります。かなり偏った抽選がされてしまったといえるでしょう

★各項目平均点の標準偏差
(選手によってPCSの平均がどれくらいばらついているかを示します。
各選手の得点と平均点の差の絶対値の平均です)
公式スコア    0.81
全ジャッジ平均  0.77

・ばらつきも男子に比べると抽選で差が出てしまっています

☆項目別の標準偏差
項目            SS     TR     PE      CH      IN
公式スコア    0.77   0.80   0.78   0.84   0.89
全ジャッジ平均  0.75   0.73   0.77   0.79   0.82

・特にTRとINで公式スコアと全ジャッジ集計の差が大きいですね。INは特にばらつきが大きくなってしまいました

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア    0.21
全ジャッジ平均  0.18

・男子よりややばらつきが大きく出ています。こちらも公式スコアの方が差が大きくなりました

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9   J10
6.03 6.15 5.49 6.06 5.97 6.67 6.13 6.29 6.19 6.54

・J3が極端に低い点をつけていたことがわかります

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    10位  0.25      3位 0.16
全ジャッジ平均  2位 0.25     11位  0.12

・2位の安藤選手はジャッジJ1に極端な得点をつけられていましたので、抽選が行われた公式スコアではそれは反映されていませんね

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J1  0.45     J8  0.18

・J1は非常に極端な得点をつけるジャッジで、プロトコルを見ても異質さが際立っています

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J1  2位   1.04
最小 J2  7位   0.10
      J10  6位

・J1が、特に安藤選手に対し極端な点をつけたことがわかります。TRは3点台と全選手でもダントツの低い得点。しかしPEは6.75と平均程度の得点をつけています。
個人的な想像ですが、J1もこれが適正な得点だとは思っていないような気がします。単に他のジャッジがつける6点台後半や7点などという得点は高すぎるというアピールなのでしょう。ジュニアの選手でさえダブルアクセルの前にはイーグルやスパイラルを入れますしコネクティングステップもルール通りに入れることを考えると、感情的には理解できる行動です。安藤選手もスケートアメリカの後、演技の流れやコネクティングステップなどに幾分気を遣うようになりましたので、彼女にとってもある意味薬になったように感じます。

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  5位   0.52  1位  0.29
SS       8位   0.50  1位  0.30
TR            2位   0.54  1位  0.34
PE            7位   0.63  2位  0.19
CH      11位  0.58  1位  0.25
IN           10位  0.63  1位  0.32

・得点のばらつきの大きい選手はばらけました。一方で小さい方は金選手に集中しています。どのジャッジも一様に高く評価をしていることがわかります。しかし、偏差値で見るとやや様相が違ってきます。なぜそうなるのかの分析は偏差値の項で述べたいと思います

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J7    0.97   J4    0.67
SS       J7    0.99   J5    0.64
TR            J1    0.98   J4    0.61
PE            J7    1.02  J10  0.63
CH        J7    1.06   J4    0.64
IN       J2    1.01   J4    0.73

・男子に比べると偏差の大きさの差は小さくなっています(最大は全体に小さめ、最小は全体に大きめ)。

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS  TR  PE  CH  IN  全項目平均
1位  67.6 68.3 67.8 68.4 67.8  68.0
2位  61.6 59.4 59.6 61.8 61.4  60.8
3位  59.0 60.8 60.3 57.7 59.2  59.4
4位  55.0 53.3 53.5 54.8 52.5  53.8
5位  48.4 49.5 49.9 48.8 50.9  49.5
6位  56.0 56.7 57.7 57.0 57.4  57.0
7位  42.1 42.0 41.1 41.3 40.5  41.3
8位  46.4 45.4 45.3 43.8 44.2  45.0
9位  37.8 36.2 38.5 38.1 38.7  37.8
10位   39.4 39.3 38.8 38.7 37.5  38.7
11位   36.8 39.3 37.5 39.7 39.9  38.6

・男子と違い、メダル候補が6人と言われた大会だけあり、50台の選手がそこそこいます。それでも金選手は飛び抜けています。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  1  2  1  0  1   0
2位  1  2  2  4  2   1
3位  0  2  1  3  2   1
4位  2  1  2  2  2   1
5位  1  1  2  2  3   1
6位  2  3  0  1  0   1
7位  1  2  2  2  2   1
8位  2  1  3  2  3   2
9位  1  1  2  2  3   1
10位   2  3  3  3  6   4
11位   1  1  2  1  2   1

・全体にばらつきは少ないとはいえ金選手に極端値が出ているジャッジがたまにいます。これは何故かというと、偏差値が相対評価なためです。たとえばJ10は長洲選手に金選手と同じSSの得点を付けており、日本の二人とマイズナー選手にもその0.25下の得点をつけていますが、一方でJ3は金選手が2位の安藤選手以下を1点以上引き離しています。しかしこの二人の金選手のSSは0.25しか違わないのです。
各ジャッジの全選手全項目平均点にそれが如実に出ています。J3は平均点が極端に低く、J10は平均点が高めです。試しに最初に示した全選手全項目全ジャッジの平均点と、各ジャッジの全選手全項目平均点の差を各ジャッジがつけた個々の得点からさっ引いてみると、どの選手のジャッジによる偏差も軒並み少なくなったのに、金選手だけは増えているのです。
10位のリュン選手は全体にばらつきが大きめということもこれでわかります。偏差値の標準偏差をとると安藤選手が一番なのですが、男子SPでJ7にシュルタイス選手が狙い打ちされたように、J1に狙い打ちされたためだという感じです。平均から5ポイント以上の差があるものを極端値としたのですが、J1はPE以外全てで10ポイント以上の差をつけています。

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    2  2  1  2  3   2
J2    0  0  0  0  1   0
J3    1  2  1  4  4   1
J4    0  0  1  1  2   0
J5    1  1  4  2  2   2
J6    1  2  1  2  1   1
J7    1  4  4  5  4   2
J8    0  0  0  1  0   0
J9    4  4  5  3  5   3
J10     4  4  3  2  4   3

J9とJ10が極端値が多くなっています。J9はポイキオ選手を常に低く、カラデミル選手を常に高くつけています。さすがにポイキオ選手よりカラデミル選手の方がSSが高いというのは、ちょっと本人になぜだか聞いてみたい気持ちになります。J10は項目によって極端値になったりならなかったりするのですが、マイズナー選手とヨーロッパ勢を常に高めに、金選手、中野選手、劉選手、リュン選手とアジア系は常に低めにつけています(安藤選手と長洲選手の評価はまちまちです。またJ9も金選手は常に平均より低めです)。

2008年12月30日 (火)

GPシリーズ、スケートアメリカ男子FSのPCS分析

前回のショートに引き続き、フリーの分析です。比較できるデータが出てくると、もうすこしいろいろな見方ができるようになってくる気がします。

スケートアメリカ・男子シングルフリースケーティング

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.37
全ジャッジ平均  6.39
(抽選の結果最も影響を受けた選手:8位 -0.16 スコアでは-1.60)

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.50   6.15   6.42   6.43   6.34
全ジャッジ平均  6.51   6.18   6.44   6.44   6.39

・SP同様、INで特に平均と公式スコアの差が出ています。しかし、SPと比較すると他の項目は得点が高くなっているのにINのみ点が低くなっています。この大会のみなのか、どの大会でも見られるのか、ちょっと興味深いところです。

★各項目平均点の標準偏差

公式スコア    0.80
全ジャッジ平均  0.79

・SP同様大きな差はありません。

☆項目別の標準偏差
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    0.80   0.78   0.81   0.78   0.86
全ジャッジ平均  0.78   0.78   0.81   0.78   0.82

・公式スコアではINがばらつきが大きくなっています。INで低得点だった選手にとっては、厳しいジャッジのみが抽選で残ってしまったようです。

★5項目のばらつき
公式スコア    0.15
全ジャッジ平均  0.13

・ややSPよりばらつきは小さくなっています。

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1   J2   J3   J4   J5   J6   J7   J8   J9
6.27 6.39 6.52 6.49 6.79 6.65 5.95 6.19 6.32

・今回はJ5とJ7で0.8点程度の差が出ました。

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    1位   0.21    5位  0.09
全ジャッジ平均   3位  0.16   5位  0.08

・公式スコアでは、1位の小塚選手について、SSと他の項目に大きな差をつけたジャッジの方が多めに採用されてしまったようです。

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J8  0.33     J4  0.15

・今回はJ8が5項目の違いを重視した得点を付けています。後半3項目でも選手によってはかなりはっきりした差をつけていますね。

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J8 1位   0.48
最小 J1 5位   0.10
    J3 1位
    J6 1,2位

・J8が1位の小塚選手につけたSSは7.75点と最高の評価ですが、TRとINは6.50点となっています。PEも高く評価しているので、表現力はあるけれど音楽にあったリズミカルなトランジッションになっていないという解釈かもしれません。一方のJ6は、小塚選手のTRをSSよりも高くしています。本当に人により解釈はさまざまですね…

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  8位   0.51  4位  0.29
SS       6位   0.46  4位  0.17
TR            9位   0.45  4位  0.21
PE            8位   0.60  4位  0.24
CH         10位    0.51  9位  0.25
IN       8位   0.70  5位  0.30

・今回ばらついたのは8位のマチプラ選手。一方でレイノルズ選手の得点がジャッジによりあまり変わらないのは相変わらずのようです。

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J1    1.10   J5    0.60
SS       J1    1.00   J5    0.53
TR            J1    1.08   J5    0.63
PE            J8    1.10   J5    0.58
CH        J1    1.21   J5    0.68
IN       J1    1.16   J5    0.65

・今回はJ1が最も選手によってPCSに差をつけるジャッジになっています。J5はショートプログラムのJ2と同じ人物でしょうかね?

ここからの評価は選手の偏差値です。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS   TR   PE  CH  IN  全項目平均
1位  61.2 59.8 58.7 59.2 57.4  59.3
2位  63.7 63.4 63.1 65.6 64.5  64.1
3位  64.9 65.5 67.2 65.2 67.2  66.3
4位  50.6 49.5 49.8 50.0 49.3  49.7
5位  51.2 55.2 54.2 52.5 54.7  53.7
6位  43.1 41.6 41.2 42.6 42.2  41.8
7位  46.3 45.5 47.4 45.7 45.9  46.2
8位  39.4 39.8 39.8 39.0 38.1  39.5
9位  44.4 45.2 42.6 44.7 42.9  43.9
10位   34.4 34.5 36.1 35.5 37.8  35.6

・フリーでは5位のソーヤー選手が素敵な演技を見せ、上位3人との差を少し縮めましたね。レイノルズ選手も相対的に見れば評価が上がっています。SPとフリーとの差を考えるとき、相対評価が上がっている選手は体力があるという見方もできると思います。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  0  0  0  0  2   0
2位  0  0  2  0  0   0
3位  0  1  0  2  0   0
4位  1  1  1  1  3   1
5位  0  3  0  0  0   0
6位  2  3  2  2  2   1
7位  0  2  0  1  4   0
8位  1  0  2  0  3   1
9位  0  1  0  1  1   0
10位   1  0  1  1  2   0

・6位のウスペンスキー選手がややばらついていますね。一人低い得点を一貫してつけているジャッジはいるのですが、他の極端値をつけているジャッジはさまざまです。

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    1  1  1  1  0   0
J2    0  2  0  0  2   0
J3    0  0  0  0  0   0
J4    1  0  2  1  2   2
J5    1  0  1  1  4   0
J6    0  2  0  0  3   0
J7    2  2  1  1  3   1
J8    0  2  3  1  2   0
J9    0  2  0  3  1   0

・J7がやや極端値が多いですが、ショートプログラムほど多くはありませんね。公式練習など長く選手の滑りを見て、またショートの結果を受けて、ジャッジの見解もやや統一されてきたといえるかもしれません。

いかがでしょうか?
まだまだちょっとPCSというものの出方がよくわからない部分もあるのですが、どんどんと統計を取っていってみたいと思います。

2008年12月28日 (日)

GPシリーズ、スケートアメリカ男子SPのPCS分析

全日本選手権も終わり、今季後半の大会への日本からの出場選手も決定しました。
中野選手は非常に残念ではありましたが、村主選手のあの強さにはただただ脱帽。安藤選手は痛みや不安で辛い中本当によくがんばったとは思いますし、今季一番気迫を見せてくれた演技だと思うのですが、村主選手の強さの前にはやっぱりちょっとかすみますね。勝って当然の状況でしっかり自分の演技をした真央選手もさすがです。
不動の心は日本人の美徳であり、自分の苦しみをあらわにして他人の喜びを損ねないようにするのが『礼』の精神である、とかつて新渡戸稲造氏は述べたのですが、フィギュアスケートほどそれが求められるスポーツ競技はない、と私は感じています。言葉で言うほど簡単なことではありません。その努力を重ねている全ての選手を私は尊敬します。同時に、だからこそ揺るぎない強さを完全に見せられた選手こそ最大に讃えられるべきだと思います。

と、前振りが長くなりすぎました。

昨シーズンのGPシリーズは主に要素の統計をとったのですが、今シーズンはPCSの統計をとってみました。
どこに有意な特徴が出てくるかわからず、ちょっといろんなデータをとりすぎて収拾がつかないくらいなのですが、まずは試合ごとのいろいろなデータをどんどんと並べ、最後に出揃ったデータを分析してみようかな、と思います。

スケートアメリカ・男子ショートプログラム

★PCS全項目全選手平均
公式スコア    6.31
全ジャッジ平均  6.29
(抽選の結果最も影響を受けた選手:7位 +0.10 スコアでは+0.50)

☆項目別全選手平均
項目            SS      TR    PE      CH      IN
公式スコア    6.46   6.07  6.31   6.31   6.42
全ジャッジ平均  6.43   6.04   6.30   6.31   6.37

・INにおいては抽選された公式スコアと全ジャッジによる平均の間にやや顕著な差がみられます

★各項目平均点の標準偏差
(選手によってPCSの平均がどれくらいばらついているかを示します。
各選手の得点と平均点の差の絶対値の平均です)
公式スコア    0.80
全ジャッジ平均  0.80

・ばらつきについては平均的な抽選がされたといえます

☆項目別の標準偏差
項目            SS     TR    PE      CH      IN
公式スコア    0.78   0.81   0.84  0.80   0.78
全ジャッジ平均  0.79  0.80  0.85   0.80  0.79

・項目毎でばらつき方に大きな差はなかったようですが、あえて言えばPEは少しばらつきが大きかったようです。

★5項目のばらつき
(項目ごとにどれくらい得点が違うか、選手ごとに項目で標準偏差を出したものを全選手で平均しました)
公式スコア    0.16
全ジャッジ平均  0.15

・これは各項目にどれほど意味の違いが反映されているかというのを意味する数値ですが、他の大会とも比較してみないとわからないですね。

ここからは選手別、ジャッジ別の評価です。
★各ジャッジの全選手全項目の平均点
J1  J2   J3  J4   J5   J6   J7   J8   J9
6.08 5.91 6.11 6.44 6.73 6.29 6.15 6.55 6.38

・J2とJ5で0.8点程度得点の基準が異なるということです。本当は個々の選手の得点を比べるときにはこの差に配慮しなければなりません。

★5項目のばらつきが最大、最小の選手
           最大 偏差  最小 偏差
公式スコア    10位  0.20      5位 0.10
全ジャッジ平均  9位 0.18     3位 0.12

・公式スコアと全ジャッジ集計では、違う選手になっています。ジャッジにより5項目の評価の仕方は大きく違い、抽選によって簡単に点のばらつき方は変わるということがわかりますね。

★5項目のばらつきが最大、最小のジャッジ
         最大 偏差  最小 偏差
(全選手平均) J7  0.32     J4  0.15

・このようにジャッジによって項目ごとの差の付け方は倍も違います。

☆5項目のばらつきが最大、最小の選手とジャッジの組み合わせ
最大 J7 10位  0.60
最小 J8 1,2位   0.10

・J7が10位のマルティネス選手につけた点は極端にばらついていますね。それも、SSよりPEを1.5点も高くしています。

★ジャッジごとの得点のばらつきが最大、最小の選手
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  5位   0.52  4位  0.24
SS       3位   0.50  4位  0.32
TR            3位   0.54  2位  0.33
PE            5位   0.63  4位  0.30
CH        3位   0.58  4位  0.33
IN       5,9位  0.63  4位  0.16

・5位のシュルタイス選手が最大ですが、3位の小塚選手も項目によっては非常に評価がばらついています。素質としてはいいものを持っているけれどまだ評価が確立していないという感じでしょうか。一方で同じ若手でも4位のレイノルズ選手は、ジャンプがすごいのは認めるけれどセカンドマークでこれ以上は出せないという見解でジャッジが一致しているように感じます(ジャッジによる平均点の違いがあるので本当に評価が一致しているとはいえませんが)。

★選手ごとのばらつきが最大、最小のジャッジ
        最大 偏差  最小 偏差
5項目平均  J7    1.04   J4    0.61
SS       J7    1.15   J4    0.60
TR            J7    1.06   J4    0.68
PE            J7    1.13   J4    0.62
CH        J8    1.02   J4    0.61
IN       J7    1.12   J4    0.59

・J7が考えるPCSの重要性というのは非常に大きなものがあるようで、5項目でもしっかりと点差をつける方でしたが、選手によっても差を大きくつけます。PCSの意味をしっかりと生かしていくという考え方もひとつの大切な考え方ですが、その場の成功や失敗よりも元々の基礎力の有無や表現力の有無が大きく影響してしまうということにもなりかねない面があります。行きすぎるとシングル競技のアイスダンス化に繋がってしまう感じがします。

ここからの評価は選手の偏差値です。偏差値というのは平均点や標準偏差によらない、その集団の中での選手の相対評価です。
人によっては、こちらの表現の方がわかりやすいのではないでしょうか。

★全ジャッジ平均による各選手の偏差値
    SS  TR  PE  CH  IN  全項目平均
1位  65.6 66.1 67.3 66.2 66.7  66.5
2位  66.7 66.1 65.7 65.9 66.0  66.1
3位  59.3 60.2 59.8 59.6 60.1  59.8
4位  47.3 46.3 46.8 46.8 46.1  46.6
5位  43.1 43.5 41.3 44.3 42.9  43.0
6位  48.4 49.4 48.1 48.5 49.9  48.9
7位  42.4 42.2 42.9 44.0 42.6  42.6
8位  49.8 48.8 49.1 48.9 47.1  47.1
9位  41.7 40.1 39.6 40.9 39.8  39.8
10位   35.7 37.3 39.6 35.0 38.7  38.7

・全体に見て思うのは上の3人の評価が飛び抜けていて50代の評価の選手がほとんどいないことです。元々あまり評価の低い選手は出ないグランプリ大会だと高い選手が飛び抜けて高い格好になるということかもしれません。

☆各ジャッジによる偏差値で、全ジャッジ平均の偏差値と5以上の差がある数(ジャッジによる各選手の評価のばらつきが極端に大きいもの)
選手 SS TR PE CH IN 全項目平均
1位  0  0  1  0  1   0
2位  0  1  1  1  2   0
3位  3  1  1  3  2   2
4位  2  3  0  1  0   1
5位  2  2  2  2  2   1
6位  0  1  0  2  1   0
7位  1  0  1  3  2   1
8位  2  4  4  2  3   3
9位  1  3  2  1  2   1
10位   2  3  4  1  5   3

・偏差値で見ると上位選手は安定していて下位選手がばらつきますね。特に8位のリッポン選手、10位のマルティネス選手の評価が非常に激しくばらついていることがわかります。リッポン選手の場合はジュニアの評価をそのまま持ち越しているジャッジとシニアに入ってしきり直しをしたジャッジとの違いが出ているのでしょうか。
(シートを普通に見ればわかるのですがJ7は小塚選手よりリッポン選手に高いPCSをつけています)

審判 SS TR PE CH IN 全項目平均
J1    2  0  2  0  0   1
J2    1  1  0  0  0   0
J3    2  1  2  2  2   1
J4    2  3  3  3  4   3
J5    2  1  1  1  0   0
J6    1  4  1  2  3   1
J7    3  4  6  6  6   5
J8    0  0  0  0  1   0
J9    0  4  1  2  4   1

・J7はここまでやってしまうとはもはや天晴れという感じです。せっかくですので(笑)全ての項目で極端値を示した選手を発表しておきますと、シュルタイス選手が全て平均より5ポイント以上低く、リッポン選手が全て平均より5ポイント以上高くなっています。正直言ってシュルタイス選手のジャッジ毎の偏差の大きさはJ7一人が作りだしているといってもいいように思えます。小塚選手は項目によって何人か極端値をつけているジャッジがいますが、シュルタイス選手に低い極端値をつけているのはJ7ひとりです。
選手の点の偏差が小さかったJ4も結果としては異常値が多く出ています。偏差が小さいということも評価の独自性を示すのでしょうが、実際には小さな差を大きく引き延ばして評価しているためといえるでしょう。

われながら、ちょっとわかりにくい表現になってしまったなぁと思いますが、これからいろいろな試合の数字が並んでくれば、その大会の特色というのがわかってくると思います。
今回は、たとえば同じ8点でもジャッジによって意味が違う(ジャッジによる平均点の差)とか、J7のような独特なものの考え方をするジャッジの存在、また、点数と偏差値ではちょっと様相が変わってくることが確認できればOKということにしましょう。

2008年3月22日 (土)

GPシリーズ男子のPCS

世界選手権、残すは男子フリーのみになってしまいました。
ろくにレビューとかできない状態で申し訳ありません。プロトコルもまだちゃんと見ていない状況。でも毎日テレビで演技を見ています。

で、今回はタイムリーなのか思いっきり時季はずれなのか微妙なGPシリーズ男子シングルのPCSについて。
女子と比較して思うのはSSと他観点との差がプラスマイナスで極端だということ。特にマイナスになっている(他観点の評価が高い)選手が多いのです。
このような傾向が出てくる理由は、男子は体力があり要素以外に割ける力、あるいはスケートが拙くても身体能力で補える部分が多いということや、身体能力のピークが技術や精神面での成熟に合わせてやってくることから個性や芸術性についてよく考えてそれを実施できる選手が多いということではないかと思っています。
それゆえ私は男子の方が競技としては好きだったりもするのですが、一方で4回転などプログラムに負担をかける大技が回避される傾向にあるともいわれてしまったりします。ジャッジとしてはそのバランスをとるためか、プログラムに負担をかける大技が入るとそれだけでSSが高く出たりします。それが逆に他観点との差を広げる場合を生んでいそうな気がします。
「いかに難度の高い技術要素を自然にプログラムに組み込むか」と「全体の完成度や音楽の流れをいかに調和させていくか」のどちらに高いPCSを与えていくべきなのか、このあたりは議論も分かれてきますね。

では、具体的な数字をあげていってみたいと思います。

◆男子SP◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (31.51)
2 ロシア杯 (31.18)
3 スケートアメリカ (30.50)
4 中国杯 (30.20)
5 エリックボンパール杯 (29.86)
6 スケートカナダ (29.00)
ちなみにファイナルは36.21
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.45)
2 スケートアメリカ (0.56)
3 ロシア杯 (0.57)
4 中国杯 (0.72)
5 エリックボンパール杯 (0.94)
6 スケートカナダ (1.31)
ちなみにファイナルは0.67

その上で
・SS分布
7点台 16
6点台 33
5点台 28
・TR分布
7点台 11
6点台 22
5点台 36
4点台 8
・PE分布
7点台 14
6点台 30
5点台 29
4点台 4
・CH分布
8点台 1
7点台 16
6点台 28
5点台 29
4点台 3
・IN分布
8点台 1
7点台 16
6点台 29
5点台 26
4点台 5
最高点は全てGPファイナルの高橋大輔選手。順に 7.95 7.60 7.90 8.15 8.10

・SS-TR 最低差 スティーヴン・キャリエール(NHK杯) 0.0
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 23
0.25~ 0.49 40
0.00~ 0.24 12
・SS-PE 最低差 高橋大輔(スケートアメリカ) -0.4
0.50~ 0.74 3
0.25~ 0.49 24
0.00~ 0.24 33
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 1
・SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.45
0.50~ 0.74 1
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 32
-0.25~ 0.00 16
-0.50~-0.26 3
・SS-IN 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -0.70
0.50~ 0.74 6
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~ 0.01 25
-0.50~-0.26 3

・トータル 最低差 アルバン・プレオベール(エリックボンパール杯) -1.25
2.00~ 2.99 4
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 30
-1.00~-0.01 12
-2.00~-1.01 1

◆男子FS◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 ロシア杯 (63.07)
2 NHK杯 (62.55)
3 スケートアメリカ (61.44)
4 中国杯 (60.78)
5 エリックボンパール杯 (60.52)
6 スケートカナダ (59.33)
ちなみにファイナルは72.43
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.77)
2 ロシア杯 (0.78)
3 中国杯 (0.84)
4 エリックボンパール杯 (0.85)
5 スケートカナダ (1.38)
6 スケートアメリカ (1.47)
ちなみにファイナルは0.74

その上で
・SS分布 最高点 ステファン・ランビエール、高橋大輔(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 33
5点台 24
4点台 1
・TR分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.60
7点台 13
6点台 23
5点台 32
4点台 9
・PE分布 最高点 ステファン・ランビエール(ロシア杯) 7.90
7点台 18
6点台 28
5点台 26
4点台 5
・CH分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 7.95
7点台 19
6点台 29
5点台 24
4点台 5
・IN分布 最高点 ステファン・ランビエール(GPファイナル) 8.25
8点台 2
7点台 18
6点台 23
5点台 27
4点台 7

SS-TR 最低差 ショーン・ソーヤー(NHK杯) -0.05
1.00~ 1.24 3
0.75~ 0.99 7
0.50~ 0.74 22
0.25~ 0.49 35
0.00~ 0.24 9
-0.25~-0.01 1
SS-PE 最低差 クリストファー・ベルントソン(ロシア杯) -0.35
0.75~ 0.99 2
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 23
0.00~ 0.24 30
-0.25~-0.01 14
-0.50~-0.26 1
SS-CH 最低差 アルバン・プレオベール(スケートアメリカ) -0.45
0.75~ 0.99 1
0.50~ 0.74 7
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 31
-0.25~-0.01 11
-0.50~-0.26 2
SS-IN 最低差 エヴァン・ライサチェク(スケートアメリカ) -0.40
1.00~ 1.24 1
0.75~ 0.99 5
0.50~ 0.74 9
0.25~ 0.49 17
0.00~ 0.24 24
-0.25~ 0.01 15
-0.50~-0.26 6

トータル 最低差 ジェフリー・バトル(ロシア杯)、スティーヴン・キャリエール(NHK杯) -0.70
3.00~ 3.99 4
2.00~ 2.99 7
1.00~ 1.99 26
0.00~ 0.99 28
-1.00~-0.01 12

いかがでしょう。ショートでは高橋選手が、フリーではランビエール選手が高い評価を受けていることが一目でわかります。
それゆえこれらのプログラムを「マスターピース」と呼ぶ人がいますが、一方でマスターピースというのはもっと正統派な演技を指すものではないかと思う人も、特に古くからのフィギュアファンには少なくないようです。バトル選手やウィアー選手といった芸術性が高いといわれる選手のプログラムと少し違うのは、「これぞフィギュアスケート」というラインをあえて外し、スケートで表現するのが難しい動きを取り入れている点です。とりわけ鋭いリズムを巧みに表現するエッジワークと大胆な上体の動きは見る人に新鮮な驚きを与えます。逆に「これはフィギュアスケートではない」といわれる可能性もあるわけですが、しかし、スケート技術がなければ絶対にできないプログラムをしていることは誰もが認めざるを得ません。
正統な美しいスケートと、新鮮でエキサイティングなスケート、どちらがより素晴らしいのか、この点は私は、答えは出ないと思っています。ただ思うのは、いろいろな志向があるから、フィギュアスケートは面白いのだということです。ただ一点私がルールに注文をつけたいことがあるとすれば、できるだけ客観的でありつつも、演技の画一化をうながすようなルールであってほしくない、ということです。

他観点の評価では、さまざまなレベルで高評価が出ていますが、キャリエール選手の評価が高いことは注目に値します。
彼は決して演技派ではないし、実施している要素もあまり大技はないのですが、とにかく巧さがあります。突出した見どころがないからなんとなしに流れていきがちですが、さりげなく難しいつなぎを入れていたり、そつなく見苦しいところのない演技をまとめてくる力があります。NHK杯で見たときに感じたのは「下位選手とはやはり違う。演技が作品になっている」ということでした。興奮は与えなくても決して退屈することのない、安心してみられる心地よい演技でした。

世界選手権のフリー、本当に楽しみですね。四大陸の頃までは高橋選手が飛び抜けている感じでしたが、こうして出揃ってみると本当に誰が勝ってもおかしくない状況にあると思います。
一人でも多くの選手が、納得のいく演技をすることを今から願っています。

2008年3月20日 (木)

GPシリーズ女子のPCS

世界選手権、試合が進んでいますね。ペアの結果が出ました。
ペアはシングルと同じ感覚でジャンプの着氷だけ見ていると、ピンとこない得点になってしまうことがあります。しかし、リフトやデススパイラルなどシングルにはない要素、また同調性や同調した上での自然なスケーティング、男女の距離感など、ペアならではの部分がとても大切だったりします。
私はペアはシングルよりさらにまだまだ勉強が足りないのですが、フリーの放送された分はそのうち簡単にレビューしてみたいと思います。ショートは…予約録画している間にリフォームの電気屋さんがアンテナ線を抜いてしまったそうで全然録画できていませんでした…。

さて、GPシリーズの集計も大詰め、今回はPCSの点の出方の傾向を見てみたいと思います。GOEもそうなのですが、PCSは結構大会によって点の出方が違ったりします。出場者の顔ぶれや競技自体の出来映えも大会によって違いますから、違うから即偏っているとは言えないのですが、やはり実際甘さ辛さはありますから、その傾向も合わせて表記しておきます。

◆女子SP◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (24.29)
2 スケートカナダ (23.02)
3 中国杯 (22.99)
4 スケートアメリカ (22.97)
5 エリックボンパール杯 (22.40)
6 ロシア杯 (22.01)
ちなみにファイナルは27.77
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 NHK杯 (0.59)
2 スケートアメリカ (0.83)
3 中国杯 (0.87)
4 エリックボンパール杯 (0.88)
5 ロシア杯 (0.95)
6 スケートカナダ (1.08)
ちなみにファイナルは1.08

その上で
・SS分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.65
7点台 15
6点台 22
5点台 31
4点台 7
・TR分布 最高点 安藤美姫(NHK杯) 7.30
7点台 3
6点台 22
5点台 21
4点台 29
・PE分布 最高点 安藤美姫(NHK杯)、金妍兒(GPファイナル) 7.50
7点台 9
6点台 23
5点台 29
4点台 14
・CH分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.45
7点台 12
6点台 20
5点台 29
4点台 14
・IN分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.50
7点台 12
6点台 22
5点台 27
4点台 14

・SS-TR 最低差 安藤美姫(NHK杯) 0.15
0.75~ 0.99 3
0.50~ 0.74 32
0.25~ 0.49 36
0.00~ 0.24 4
・SS-PE 最低差 エレナ・グレボワ(スケートカナダ) -0.35
0.50~ 0.74 2
0.25~ 0.49 25
0.00~ 0.24 36
-0.25~-0.01 11
-0.50~-0.26 1
・SS-CH 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ) -0.20
0.25~ 0.49 20
0.00~ 0.24 48
-0.25~-0.01 7
・SS-IN 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ) -0.40
0.50~ 0.74 1
0.25~ 0.49 19
0.00~ 0.24 43
-0.25~-0.01 10
-0.50~-0.26 2

・トータル 最低差 エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯) -0.15
2.00~ 2.99 1
1.00~ 1.99 30
0.00~ 0.99 40
-1.00~-0.01 4

◆女子FS◆
大会ごとのPCS平均(ファイナル以外)
1 NHK杯 (46.98)
2 ロシア杯 (46.33)
3 スケートカナダ (46.27)
4 エリックボンパール杯 (46.02)
5 スケートアメリカ (45.49)
6 中国杯 (43.97)
ちなみにファイナルは56.99
SSと他観点との得点の差(ファイナル以外。小さいほど他観点の得点が高い)
1 スケートアメリカ (0.89)
2 ロシア杯 (0.96)
3 スケートカナダ (1.06)
4 NHK杯 (1.07)
5 中国杯 (1.10)
6 エリックボンパール杯 (1.22)
ちなみにファイナルは0.88

その上で
・SS分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.85
7点台 15
6点台 23
5点台 28
4点台 9
・TR分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.40
7点台 5
6点台 22
5点台 29
4点台 19
3点台 1
・PE分布 最高点 金妍兒(GPファイナル) 7.85
7点台 11
6点台 20
5点台 27
4点台 17
・CH分布 最高点 浅田真央(エリックボンパール杯) 7.65
7点台 11
6点台 20
5点台 31
4点台 13
・IN分布 最高点 金妍兒(ロシア杯、GPファイナル) 7.65
7点台 11
6点台 20
5点台 28
4点台 16

SS-TR 最低差 ラウラ・レピスト(スケートカナダ)、キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.20
0.75~ 0.99 1
0.50~ 0.74 34
0.25~ 0.49 28
0.00~ 0.24 2
SS-PE 最低差 金妍兒(GPファイナル) -0.15
0.50~ 0.74 5
0.25~ 0.49 31
0.00~ 0.24 36
-0.25~-0.01 3
SS-CH 最低差 キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) -0.15
0.25~ 0.49 22
0.00~ 0.24 49
-0.25~-0.01 4
SS-IN 最低差 ジョアニー・ロシェット(スケートカナダ) -0.20
0.50~ 0.74 2
0.25~ 0.49 27
0.00~ 0.24 41
-0.25~-0.01 5

トータル 最低差 キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.20
2.00~ 2.99 1
1.00~ 1.99 42
0.00~ 0.99 32

3/21追記
時間がなくて昨日はデータだけ丸投げみたいな感じで解析も何もしませんでしたが…今日も十分な時間がありません。
PCS全体の得点で言えることは、プログラムがただの要素の羅列になっておらず全体を通して質が高く中身が濃いプログラムになっているかどうかということです。とりわけストローク自体の美しさやスピード感をはかるSS(スケーティングスキル)は全ての構成点の基準になっています。
一方でSSと他観点の差は、スケート技術に関係なく、小さいほどスケーターの能力を最大に魅せるよう工夫された、芸術性やエンターテイメント性の高い演技であるということができます。
他の観点の得点においてSSが基準になっているのは、やはりフィギュアスケートは第一にスケートの美しさを表現してなんぼであるためです。スケート技術以外の部分を使っていくら表現しても、それはスケートとしては評価されないものなのです。
けれどもやはりスケート技術以外何も要らないというわけではありません。音楽に合わせて、美しいと思わせるように滑るには、また観客を飽きさせず数分間魅せるには、ただ滑るだけではいけないのです。その工夫の積み上げが他観点とSSの得点差に反映されます。全体で見るとこれによって、ショート、フリー合わせて最大およそ5点くらいの差がつくとみられます。

2008年3月16日 (日)

男子フリーのスピン構成

世界選手権もはじまるというときにようやくGPシリーズの集計、スピンの最終回です。
実は家半分をリフォームすることになり、週末がかりで大掃除に追われておりました。ネットにはつなげていますがかなり不自由の多い状態です。更新頻度はますます落ちてしまうかもしれませんが、世界選手権もありますし、ネット時間はしっかり確保していきたいと思います。

さて今回は男子フリーのスピン構成。レイバックスピンを実施する女子と比べるとバリエーションはやや少ないですが、足換えスピンを多用しているのが目立ちます。

男子も足換えコンビネーションスピンをほとんどの選手が実施しています。1つだけ実施していない例がありますが、とりあえず今回も足換えコンビネーションをコンビネーションを満たすスピンと考えてそれ以外のスピンの分類を考えてみました。

<コンビネーションを3つ、単一姿勢を1つの構成>

★フライングスピンを満たすものがFCCoSp 2
・CCoSp,FCCoSp,FSSp,CoSp 2

★フライングスピンを満たすものがFCoSp 4
・CCoSp,FCoSp,USp,CoSp 2
・CCoSp,FCoSp,FSSp,CoSp 2

合計 6

<コンビネーションを2つ、単一姿勢を2つの構成>
※男子はフライングシットスピンが非常に多いので、2つ以上のフライングスピンがある場合ここではフライングスピンにはフライングシットを優先的に適用し、そののち単一姿勢のスピンを決定した。
1つだけ足換えコンビネーションスピンを実施していないプログラムに関しては、フライング足換えコンビネーションスピンをコンビネーションに適用した。

★フライングスピンを満たすものがFSSp 52
☆うち単一姿勢を満たすものがCSSp 34
・CCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 28
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCoSp 1
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCCoSp 5
☆うち単一姿勢を満たすものがCUSp 5
・CCoSp,FSSp,CUSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,CUSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがFCSSp 5
・CCoSp,FSSp,FCSSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,FCSSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがFCUSp 3
・CCoSp,FSSp,FCUSp,CoSp 1
・CCoSp,FSSp,FCUSp,FCCoSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがSSp 1
・CCoSp,FSSp,SSp,CoSp 1
☆うち単一姿勢を満たすものがUSp 3
・CCoSp,FSSp,USp,CoSp 3
☆うち単一姿勢を満たすものがFCSp 1
・CCoSp,FSp,FCSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFCSp 1
・CCoSp,FCSp,CSSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFUSp 2
・CCoSp,FUSp,CUSp,CoSp 2

★フライングスピンを満たすものがFCSSp 2
・CCoSp,FCSSp,CSSp,FCCoSp 2

◆コンビネーションを満たすものがFCCoSp 1
・FCCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 1

合計 58

<コンビネーションを1つ、単一姿勢を3つの構成>
※フライングスピンが自動的に決まる構成のみなので、その区別ののちに単一姿勢スピンをシンプルなものから適用した。

★フライングスピンを満たすものがFSSp 9
☆うち単一姿勢を満たすものがSSp 5
・CCoSp,FSSp,SSp,CUSp 4
・CCoSp,FSSp,SSp,CCSp 1
☆うち単一姿勢を満たすものがUSp 1
・CCoSp,FSSp,USp,CSSp 1
・CCoSp,FSSp,LSp,FCSSp 2
☆うち単一姿勢を満たすものがCSSpかCUSp 3
・CCoSp,FSSp,CSSp,CUSp 3

★フライングスピンを満たすものがFCSp 2
・CCoSp,FCSp,CSSp,CUSp 2

合計 11

<4つのスピンが認定されなかったもの> 2

いかがでしょう。男子選手は圧倒的にシットスピンが多いですね。もう少しいろいろなポジションの単一姿勢スピンがあれば、もっとスピンの楽しさが際立ってきそうに思うのですが、男子はどちらかというとジャンプが見せ場になりますし、まずはしっかり点を取ろうと思えば、こういう構成にならざるを得ないのかもしれません。
また、男子は柔軟性のある多様なポジションを持っていない代わりに両足でスピンを行ったりして、基礎的な筋力の強さやエッジコントロールを生かしたスピンを行っています。フライングスピンも高さがあって見応えがあります。

さて、ここまでGPシリーズの要素を振り返ってきましたが、次はPCSについてのデータをちょっと分析してみたいと思います。得点のランキングは資料室さんで見られるはずなので、5項目のバランスに関する分析をしてみたいのですが、まだどんな風な切り口にするか、具体的には浮かんでおりません…
でも世界選手権が終わる前にはまとめてしまいたいと思います。

2008年3月12日 (水)

女子フリーのスピン構成

GPシリーズのスピン集計、今回は4つのスピンの「構成」分類です。

男女とも、そんなに多様なパターンはないのではないかと高をくくっていたのですが、そんなことはなく、実に多様なパターンがありました。
最初は男女まとめてと言っていましたけれど、やっぱり男女別にまとめてみたいと思います。

スピンを構成する上での観点は4つあるように思います。
・できるだけ基礎点が高くなるように構成
・できるだけ得意な見栄えのいいスピンを中心に構成
・できるだけプログラムが単調にならないように構成
・できるだけ全体の演技時間を圧迫しないよう短時間で構成
どの優先度を高くするかは選手によりけりです。女子は4番目の項目もバカに出来ません。

△ここでフリーにおけるスピンのルールのおさらい▽
4つまで行うスピンのうち、
・少なくとも一つは単一姿勢(足換え、フライングの有無を問わない)、
・少なくとも一つはフライングスピン(単一姿勢、コンビネーション、足換えの有無を問わない)、
・少なくとも一つはコンビネーション(足換え、フライングの有無を問わない)
を行わなくてはならない。残り一つは自由。
ただし4つのスピンは全て異なる略記号のスピンになるようにする。

GPシリーズの女子では、全選手が足換えコンビネーションスピンを実施しています。これはSPの必須要素にもなっていて、かつ基礎点も最も高いため、一番実施しやすいためと考えられます。ここではまず、コンビネーションスピンの条件を満たすものはすべてCCoSpであるという前提で構成を考えていってみたいと思います。
スピンの順番は「コンビネーションスピン、フライングスピン、単一姿勢のスピン、もう一つのスピン」の順に並べています。

<コンビネーションを3つ、単一姿勢を1つの構成>
※単一姿勢を満たすものが1つしかないので自然に決定する。フライングスピンはFCCoSpかFCoSpになる。
♪レベルもとりやすく基礎点は高くできますし、中間姿勢が3度認められることも有利な点ですが、ややスピンに時間をとられること、せわしなかったり単調な印象になってしまうのが難点、と思われます。

★フライングスピンを満たすものがFCCoSp 1
・CCoSp,FCCoSp,FSSp,CoSp 1

★フライングスピンを満たすものがFCoSp 3
・CCoSp,FCoSp,LSp,CoSp 1
・CCoSp,FCoSp,FCSp,CoSp 1
・CCoSp,FCoSp,FSSp,CoSp 1

合計 4

<コンビネーションを2つ、単一姿勢を2つの構成>
※フライングスピンは単一姿勢、コンビネーションのいずれもありうる。フライングスピンが単一姿勢1つであれば話は簡単なのだが、コンビネーション、単一姿勢の両方にあったり、単一姿勢の2つともがフライングスピンだったりすると適用の判断に悩む。
ここでは可能な限り略記号の少ないシンプルなスピンから単一姿勢を適用し、そののちにフライングスピンを、これも単一姿勢から優先的に適用することとした。
♪異なる姿勢の単一姿勢スピンを2つ入れればプログラムの中で変化をつけられますし、単調にはなりますが得意な姿勢を2つ入れて要素点を稼ぐこともできます。最も一般的な構成です。

★単一姿勢を満たすものがLSp 30
☆うちフライングスピンを満たすものがFSSp 19
・CCoSp,FSSp,LSp,CoSp 17
・CCoSp,FSSp,LSp,FCoSp 2
☆うちフライングスピンを満たすものがFCSp 10
・CCoSp,FCSp,LSp,CoSp 9
・CCoSp,FCSp,LSp,FCCoSp 1
☆うちフライングスピンを満たすものがFCoSp 1
・CCoSp,FCoSp,LSp,CUSp 1

★単一姿勢を満たすものがSSp 3
・CCoSp,FSSp,SSp,CoSp 1
・CCoSp,FSSp,SSp,FCoSp 2

★単一姿勢を満たすものがCSp 3
・CCoSp,FSSp,CSp,CoSp 2
・CCoSp,FSSp,CSp,FCoSp 1

★単一姿勢を満たすものがCSSp 9
・CCoSp,FSSp,CSSp,CoSp 5
・CCoSp,FSSp,CSSp,FCCoSp 4

★単一姿勢を満たすものがCUSp 10
☆うちフライングスピンを満たすものがFSSp 7
・CCoSp,FSSp,CUSp,CoSp 3
・CCoSp,FSSp,CUSp,FCCoSp 4
☆うちフライングスピンを満たすものがFCSp 3
・CCoSp,FCSp,CUSp,CoSp 3

★単一姿勢を満たすものがFSSpかFCSp 6
・CCoSp,FCSp,FSSp,CoSP 6

合計 61

<コンビネーションを1つ、単一姿勢を3つの構成>
※この構成はすべてレイバックスピンを含んでいる。そこでレイバックスピンを単一姿勢のスピンと考えて分類してみた。
♪全てを異なる姿勢で構成すればくっきりと変化のある構成になるし、そうではなくてもコンビネーションスピンの苦手な選手には有用と思われますが、高いレベルを確実にとらなければ、基礎点の上では少々不利なのではないかと思います。

☆フライングスピンを満たすものがFSSp 8
・CCoSp,FSSp,LSp,USp 2
・CCoSp,FSSp,LSp,CUSp 3
・CCoSp,FSSp,LSp,FCSSp 2
・CCoSp,FSSp,LSp,FCUSp 1

☆フライングスピンを満たすものがFCSp 2
・CCoSp,FCSp,LSp,CSSp 2

合計 10

いかがでしょう。異なる略記号のスピンの組み合わせって、いくらでもあるものですねー。
安藤選手がレイバックスピンでレベルをとるのが難しく、NHK杯で構成を変えてきたことは知られていますが、真央選手もファイナルでは構成を変えてコンビネーションを3つの構成にしてきました。

ここではコンビネーションと単一姿勢との比率を重視しましたが、足換えスピンの比率も注目に値します。得意なスピンの傾向は、基本姿勢の違いだけでなく、パリエーションの多様さか、異なる足、エッジでのスピンか、どちらの方がより得意かということも特徴になります。「この選手はポジションは地味なのにスピンで高得点がとれている」という場合には、後者タイプだったりするわけです。

みなさんのお気に入りの選手がどういうタイプか、考えてみるのも面白いと思います。

2008年3月 9日 (日)

男子フリーのスピン

GPシリーズのスピン集計、今回は男子FS。

女子と比べて男子に見られる特徴はレイバックスピンを行わないこと。その代わりに足換えのスピンが多くなっています。
これは単に難しいレイバックの代わりに、というだけの理由ではなさそうです。フライングスピンの数はむしろ女子よりやや少ないくらい。その分やはり足換えスピンが多いのです。

これは推論ですが、男子は女子に比べてジャンプが1回だけ多くなっているのですが、それでも30秒の演技時間があればもう少し余裕ができるのだと思います。そこで少し構成の長いスピンを入れることができるのでしょう。そのことにより、チェンジエッジを2度行うなどして、柔軟性を要するディフィカルトポジションが少なくても高いレベルを狙う構成が可能、ということではないかと思っています。

とりあえず、その内訳を見ていきましょう。

<単一姿勢スピン>

◇レベル認定なし(CSp) 1

◇レベル1(BV1.2) 2
・SSp1 1 GOE 高嵩(エリックボンパール杯) -0.12
・USp1 1 GOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 0.0

◇レベル2(BV1.5) 2
・SSp2 2 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル3(BV1.8) 6
・SSp3 1 GOE ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(GPファイナル) -0.06
・USp3 5 ベストGOE ジャマル・オスマン(スケートカナダ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 5

◇レベル4(BV2.4) 2
・SSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(スケートカナダ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 2

◎シットスピン 6(7.8%)
◎キャメルスピン 1(1.3%)
◎アプライトスピン 6(7.8%)
合計 13

<単一姿勢の足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 7
・CSSp1 5 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ、カレル・ゼレンカ、呉家亮(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2
・CUSp1 2 ベストGOE グレゴール・ウルバス(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1

◇レベル2(BV2.0) 11
・CSSp2 8 ベストGOE スティーヴン・キャリエール(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 3
・CUSp2 3 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ(中国杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 23
・CSSp3 15 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 1
・CUSp3 8 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 2

◇レベル4(BV3.0) 22
・CSSp4 17 ベストGOE パトリック・チャン(エリックボンパール杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 14
・CCSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
・CUSp4 3 ベストGOE ジェフリー・バトル(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 2

◎足換えシットスピン 45(58.4%)
◎足換えキャメルスピン 2(2.6%)
◎足換えアプライトスピン 16(20.8%)
合計 63

<単一姿勢のフライングスピン>

◇レベル1(BV1.7) 6
・FSSp1 6 ベストGOE クリストファー・ベルントソン(スケートアメリカ) 0.2
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

◇レベル2(BV2.0) 14
・FSSp2 12 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 3
・FCSp2 2 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 27
・FSSp3 24 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯、ロシア杯)、ヤニック・ポンセロ、アレクサンドル・ウスペンスキー(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 20
・FCSp3 2 ベストGOE セルゲイ・ドブリン(NHK杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
・FUSp3 1 GOE ケヴィン・レイノルズ(スケートアメリカ) -0.06

◇レベル4(BV3.0) 27
・FSSp4 26 ベストGOE トマシュ・ヴェルネル(エリックボンパール杯)、ジョニー・ウィアー(ロシア杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 15
GOE<0.0 1
・FUSp4 1 GOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯) 0.2

◎フライングシットスピン 68(88.3%)
◎フライングキャメルスピン 4(5.2%)
◎フライングアプライトスピン 2(2.6%)
合計 74

<単一姿勢のフライング足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 2
・FCSSp1 2 GOE 南里康晴(スケートアメリカ、NHK杯) -0.06
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル2(BV2.0) 0

◇レベル3(BV2.3) 1
・FCSSp3 1 GOE エヴァン・ライサチェク(GPファイナル) 0.2

◇レベル4(BV3.0) 7
・FCSSp4 4 ベストGOE エヴァン・ライサチェク(中国杯)、小塚崇彦(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 2
・FCUSp4 3 ベストGOE ジャマル・オスマン(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 2

◎フライング足換えシットスピン 7(9.1%)
◎フライング足換えアプライトスピン 3(3.9%)
合計 10

<コンビネーションスピン>

・CoSp1(BV1.7) 5 ベストGOE パトリック・チャン(スケートアメリカ)、10(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 3

・CoSp2(BV2.1) 6 ベストGOE クリストファー・ベルントソン(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

・CoSp3(BV2.5) 16 ベストGOE 柴田嶺(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 2

・CoSp4(BV3.0) 21 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 9
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 2

◎合計 48(62.3%)

<フライングコンビネーションスピン>

・FCoSp1(BV1.7) 1 GOE アルバン・プレオベール(スケートアメリカ) -0.12

・FCoSp2(BV2.1) 1 GOE 高橋大輔(NHK杯) 0.2

・FCoSp3(BV2.5) 4 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯)、高橋大輔(GPファイナル) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 2

・FCoSp4(BV3.0) 1 GOE ジャマル・オスマン(中国杯) 0.4

◎合計 7(9.1%)

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1(BV2.0) 11 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 5

・CCoSp2(BV2.5) 9 ベストGOE ジェフリー・バトル(スケートカナダ) 0.7
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 1

・CCoSp3(BV3.0) 28 ベストGOE ステファン・ランビエール(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 19

・CCoSp4(BV3.5) 28 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.2
1.0≦GOE<1.5 2
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 19
GOE<0.0 1

◎合計 76(98.7%)

<フライング足換えコンビネーションスピン>

・FCCoSp1(BV2.0) 2 GOE 南里康晴(スケートアメリカ) -0.06
GOE<0.0 2

・FCCoSp2(BV2.5) 3 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 2

・FCCoSp3(BV3.0) 4 ベストGOE スティーヴン・キャリエール(スケートアメリカ、NHK杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 1

・FCCoSp4(BV3.5) 7 ベストGOE ショーン・ソーヤー(中国杯) 0.9
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 4

◎合計 16(20.8%)

さて、いかがでしょう。

キャメルスピンの認定なしはチャン選手のエリック杯の転倒スピン。本来はコンビネーションスピンとして実施される予定だったものです。
ですから、単一姿勢のキャメルスピンを試みた選手はいない、ということになります。

ランビエール選手はさすがのGOE。同じスイスのオスマン選手も、がんばっていますね。バトル選手、チャン選手とカナダ勢の名前もあがっています。彼らはやはり印象的なポジションの美しさを持っていますね。
キャリエール選手はとても速いスピンを持っているのですが、チェンジエッジをほとんどしないため、高いレベルをとるのは難しいようです。
日本人の名前は低いレベルの中に多いのが少し残念。回転数などをしっかり維持し、明瞭なポジションを練習することが求められますね。

個人的にはソーヤー選手の柔軟性を生かしただけでない個性的なスピンが印象に残ります。

スピンというのは実は非常に味のある、面白い要素。新採点になって、旧採点下では苦手なために簡単に3,4回転程度でお茶を濁していた選手もスピンに時間を割かざるを得なくなり、観客にとってもスピンの時間が苦痛な場合が多くなってきた、と言われたりもしますが、やはり優れたスピンのよさとは採点が変わっても色あせないものです。
チェンジエッジの見分けなどは難しいのですが、まずは形の面白さを楽しみつつ、レベルのことに興味がわいてきましたなら、今のところ「解説」カテゴリー唯一の記事、「スピンのチェンジエッジ」を参考にしてみてくださいませ。

2008年3月 8日 (土)

女子フリーのスピン

GPシリーズのスピン集計、続いては女子FSのスピンです。

今季からフリーの4つのスピンは全て異なる略記号のものを実施しなくてはならないことになりました。
略記号、3AとかSpSq4とかいうアルファベットと数字の組み合わせですが、これまで私は何気なく使ってきていましたけれど、プロトコルを読むのに必要なものなので、ご存じない方はぜひフィギュアスケート資料室のまとめをご覧になってください。
元から、1つは単一姿勢のスピン(フライング、足換えの有無は問わない)、1つはフライングスピン(単一姿勢、コンビネーションは問わない)、1つはコンビネーションスピン(フライング、足換えの有無は問わない)で構成されていなければなりません。これにもう一つ、どのようなスピンを加えるかに各選手の裁量が問われます。基礎点を得るための構成、プログラムに変化をつけるための構成が考えられますが、そのあたりは男女ともにまとめの中で分析してみたいと思います。

◎で記したところが同じ略記号のスピンの集計です。各スピンとも1プログラムにつき1回ということになりますから、プログラムで実施されるパーセンテージも表示してみました。
BVというのは基礎点のことです。スピンの基礎点を私はよく忘れてしまいがちなので、自分の頭の中の整理のために書き出してみました。

<単一姿勢スピン(レイバック以外)>

◇レベル1(BV1.2) 2
・SSp1 1 GOE ヴァレンティナ・マルケイ(エリックボンパール杯) 0.1
・USp1 1 GOE アナスタシア・ギマツェティノワ(エリックボンパール杯) 0.0

◇レベル2(BV1.5) 1
・USp2 1 GOE イドラ・ヘーゲル(スケートカナダ) -0.24

◇レベル3(BV1.8) 4
・SSp3 2 ベストGOE キミー・マイズナー(エリックボンパール杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1
・CSp3 2 ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 2

◇レベル4(BV2.4) 1
・CSp4 1 GOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 0.7

◎シットスピン 3(4.0%)
◎キャメルスピン 3(4.0%)
◎アプライトスピン 2(2.7%)
合計 8

<レイバックスピン>

・LSp1(BV1.5) 11 ベストGOE 安藤美姫(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 11

・LSp2(BV1.8) 9 ベストGOE ベアトリサ・リャン(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 3

・LSp3(BV2.4) 13 ベストGOE アリッサ・シズニー(中国杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 7

・LSp4(BV2.6) 8 ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 1.5
GOE=1.5(FullMark!) 1
1.0≦GOE<1.5 3
0.5≦GOE<1.0 4

◎合計 41(54.7%)

<単一姿勢の足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 2
・CSSp1 1 GOE カロリーナ・コストナー(NHK杯) -0.24
・CUSp1 1 GOE 澤田亜紀(エリックボンパール杯) -0.12

◇レベル2(BV2.0) 9
・CSSp2 6 ベストGOE 許斌姝(中国杯)、カロリーナ・コストナー(GPファイナル) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 4
・CUSp2 3 ベストGOE トゥーバ・カラデミル(スケートアメリカ)、村主章枝(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 1

◇レベル3(BV2.3) 7
・CSSp3 2 ベストGOE シンシア・ファヌフ(スケートカナダ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2
・CUSp3 5 ベストGOE 武田奈也(スケートカナダ)、村主章枝(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 3

◇レベル4(BV3.0) 7
・CSSp4 2 ベストGOE 金妍兒(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2
・CUSp4 5 ベストGOE ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2

◎足換えシットスピン 11(14.7%)
◎足換えアプライトスピン 14(18.7%)
合計 25

<単一姿勢のフライングスピン>

◇レベル認定なし(FSSp) 3

◇レベル1(BV1.7) 6
・FSSp1 5 ベストGOE エレナ・グレボワ(スケートカナダ、エリックボンパール杯)、イドラ・ヘーゲル(スケートカナダ)、スザンナ・ポイキオ(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 1
・FCSp1 1 GOE 許斌姝(中国杯) 0.0

◇レベル2(BV2.0) 25
・FSSp2 15 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ)、村主章枝、ベアトリサ・リャン(中国杯)、エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 11
GOE<0.0 4
・FCSp2 10 ベストGOE アレクサンドラ・イエフレワ(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 4

◇レベル3(BV2.3) 24
・FSSp3 18 ベストGOE 中野友加里(ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 17
・FCSp3 6 ベストGOE 中野友加里(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2

◇レベル4(BV3.0) 21
・FSSp4 16 ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ)、アリッサ・シズニー(中国杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 8
・FCSp4 5 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 2

◎フライングシットスピン 57(76.0%)
◎フライングキャメルスピン 22(29.3%)
合計 79

<単一姿勢のフライング足換えスピン>

◇レベル1(BV1.7) 0

◇レベル2(BV2.0) 0

◇レベル3(BV2.3) 3
・FCSSp3 2 GOE アシュリー・ワグナー(スケートカナダ、エリックボンパール杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
・FCUSp3 1 GOE カタリナ・ゲルボルト(ロシア杯) -0.18

◇レベル4(BV3.0) 0

◎フライング足換えシットスピン 2(2.7%)
◎フライング足換えアプライトスピン 1(1.3%)
合計 3

<コンビネーションスピン>

・CoSp1(BV1.7) 3 GOE カロリーナ・コストナー、ユリア・シェベスチェン、スザンナ・ポイキオ(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3

・CoSp2(BV2.1) 4 ベストGOE アリーナ・マルティノワ、王月人(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 2

・CoSp3(BV2.5) 12 ベストGOE カロリーナ・コストナー(NHK杯)、中野友加里(GPファイナル) 0.5
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 8
GOE<0.0 2

・CoSp4(BV3.0) 31 ベストGOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 20

◎合計 50(66.7%)

<フライングコンビネーションスピン>

・FCoSp1(BV1.7) 1 GOE サラ・マイヤー(エリックボンパール杯) 0.1

・FCoSp2(BV2.1) 0

・FCoSp3(BV2.5) 3 ベストGOE ベアトリサ・リャン(中国杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3

・FCoSp4(BV3.0) 5 ベストGOE ベアトリサ・リャン(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 5

◎合計 9(12.0%)

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1(BV2.0) 6 ベストGOE 村主章枝(中国杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

・CCoSp2(BV2.5) 19 ベストGOE キャロライン・ジャン(中国杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 9
GOE<0.0 7

・CCoSp3(BV3.0) 29 ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 19
GOE<0.0 2

・CCoSp4(BV3.5) 21 ベストGOE キャロライン・ジャン(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 11
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 3

◎合計 75(100%)

<フライング足換えコンビネーションスピン>

・FCCoSp1(BV2.0) 0

・FCCoSp2(BV2.5) 1 GOE ジョアニー・ロシェット(スケートカナダ) 0.0

・FCCoSp3(BV3.0) 5 ベストGOE ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 5

・FCCoSp4(BV3.5) 4 ベストGOE 金妍兒(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 3

◎合計 10(13.3%)

いかがでしょうか。やっぱりこうして書き出してみると、スピンの種類は多くて、もう少し小分けにした方がよかったかな、という気がしてきます。
最も基礎点の高い足換えコンビネーションスピンは、さすがに全ての選手が実施しているということがわかりました。単一姿勢はやはり基礎点の高いレイバックが多めですが、さらに基礎点の高い足換えスピンや2度のフライングスピンという形にしてくる選手もいます。中野選手は得意のフライングキャメルの他にフライングシットも行う構成。やはりフライングキャメルの印象はすさまじいものがありますから、レイバックのないこともまったく気になりません。

そして、特筆すべきはジャン選手のフルマークGOEでしょうか。スピンのプラスGOEはジャッジの与える点の平均のちょうど半分になりますから、+1点でジャッジの平均は2、+1.5点でジャッジの平均は3点ということになります。他のスピンも、柔軟性を生かしたものは本当に高評価です。
ただし、単に体が柔らかいから、得点がとれているわけではありません。彼女のスピンの回転は本当に速く、どんなポジションをとっても決して速度がゆるむことはありません。同じ秒数ポジションを維持していても、5回転回れるのと3回転しか回れないのでは見栄えの点で大きく違うのです。
荒川さんは「ただストレッチで体がよく曲がるだけではなく、その姿勢をキープする筋力がなければ、美しいポジションは作れない」といつも言っています。とりわけ深いレイバックポジションから上体を起こすのに要する筋力は相当のものだと言われています。ジャン選手は片足を持って引っ張るのと同時にそれをするのですから、想像を絶します。
私は子供の頃に新体操を題材にした少女漫画でそんなことを読んでいたので、とりわけ新しい情報とは思っていなかったのですが、彼女がそれだけ繰り返し言っているのは、きっと多くの人に誤解されているところがあるためだろうと思います。ジャン選手はまだ四肢の軽さというアドバンテージがあるでしょうが、筋力あってこそ、安定したスケーティングと驚異的なポジションの両取りができている、ということができます。

真央選手も、スピンは比較的苦手な要素としながらかなりのGOEをもらっています。この総合力の高さこそ彼女の強みです。キム選手も、スピンでもしっかり得点が出せる選手です。

いつも長いエントリーがさらに長くなってしまいましたが、がんばって読んでくださった方、ありがとうございます。

2008年3月 7日 (金)

男子ショートプログラムのスピン

GPシリーズの集計、今回は男子SPのスピンです。

男子もやはりSPのスピンのお題は決まっていますが、女子のレイバックに代わり足換え単一姿勢スピンをすることになっていて、そのポジションはシットかキャメルと決まっています。しかし現実には、レベル認定を受けやすいシットスピンを行う選手が圧倒的に多くなっています。

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1 7(9.1%) ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 6

・CCoSp2 16(20.8%) ベストGOE セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 14
GOE<0.0 1

・CCoSp3 26(33.8%) ベストGOE ショーン・ソーヤー(中国杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 8
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 5

・CCoSp4 28(36.3%) ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ)、ステファン・ランビエール、ジョニー・ウィアー(GPファイナル) 0.8
0.5≦GOE<1.0 12
0.0≦GOE<0.5 14
GOE<0.0 2

<足換えスピン>

レベル認定なし(CSSp) 1(1.3%)

レベル1 6(7.8%)
・CSSp1 6 ベストGOE セルゲイ・ダヴィドフ、カレル・ゼレンカ(中国杯) 0.2
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

レベル2 4(5.2%)
・CSSp2 4 ベストGOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 2

レベル3 27(35.1%)
・CSSp3 27 ベストGOE ステファン・ランビエール(中国杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 20
GOE<0.0 6

レベル4 39(50.6%)
・CSSp4 37 ベストGOE ステファン・ランビエール(GPファイナル) 0.9
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 30
GOE<0.0 3
・CCSp4 2 ベストGOE ヤニック・ポンセロ(スケートカナダ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 2

足換えシットスピン 75(97.4%)
足換えキャメルスピン 2(2.6%)

<フライングスピン>

レベル認定なし(FSSp) 1(1.3%)

レベル1 6(7.8%)
・FSSp1 6 ベストGOE 南里康晴(スケートアメリカ)、ブライアン・ジュベール(スケートカナダ)、ジャマル・オスマン(中国杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 3

レベル2 15(19.5%)
・FSSp2 13 ベストGOE ジョニー・ウィアー(中国杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 6
GOE<0.0 6
・FCSp2 2 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯)、セルゲイ・ドブリン(NHK杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 2

レベル3 24(31.2%)
・FSSp3 21 ベストGOE 小塚崇彦(スケートアメリカ) 0.7
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 16
GOE<0.0 3
・FCSp3 1 ベストGOE アンドレイ・ルータイ(スケートアメリカ) 0.0
0.0≦GOE<0.5 1
・FUSp3 2 ベストGOE ケヴィン・レイノルズ(スケートアメリカ、ロシア杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 2

レベル4 31(40.3%)
・FSSp4 31 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 18
GOE<0.0 2

フライングシットスピン 72(93.5%)
フライングキャメルスピン 3(3.9%)
フライングアプライトスピン 2(2.6%)

△足換えスピンとフライングスピンの組み合わせ▽
足換えシット+フライングシット 70(90.9%)
足換えシット+フライングキャメル 3(3.9%)
足換えシット+フライングアプライト 2(2.6%)
足換えキャメル+フライングシット 2(2.6%)

女子でもありましたけれど、シットスピンの「レベル認定なし」は、今季からのシットスピンのポジションを厳密化したルールでシットのポジションと認められなかったものです。
昨シーズンの世界選手権フリーでフライングシットをフライングアプライトと判定されてしまった高橋選手はその弱点を努力して克服し、全てのスピンで認定を受けることができました。スピンで高いGOEを獲得できる選手ではありませんが、こうしてみな、新採点のルールの下少しずつ進歩しています。

高いレベル、GOEともに獲得している選手といったらやはりランビエール選手。スピンは彼の代名詞といっても過言ではありません。ここに名前も挙がっているソーヤー選手のような、女子選手もびっくりのポジションなどは持っていませんが、それでも軸の美しさ、回転の速さ、そして時間をかけてポジション変化でひとつのストーリーを創り出すような独創性は素晴らしいものがあります。
昨年の世界選手権の後、インターネットで「ランビエール選手のフリーはパフォーマンスは素晴らしいけれど、スケートとしてはリンクを使い切れていない気がする。あまり『滑走』していない」という批判をみかけたりして、気にしてみたのですが、なんのことはない、彼はジュベール選手と比べると30秒も長くスピンに時間を費やしていたのでした。高橋選手と比べても、15秒ほど長くスピンしていました。確かにトップ選手の中では滑りにスピードのある方ではありませんが、それだけ自分の見せ所をわかっていると言えるでしょうね。

ウィアー選手、小塚選手も名前が挙がっていますね。小塚選手は回転速度が素晴らしい選手です。ウィアー選手はポジションが実に美しい、腰も深くよくフリーレッグの上がったスピンをします。

キャメルスピンはなかなかレベルのとりづらいスピンで(とりわけドーナツなどの変形の難しい男子では)、多くの選手は単一姿勢で使うことを避けるのですが、ロシアの選手はなぜか伝統的に美しいキャメルスピンを持っています。
とりわけジュニアの大会ではキャメルスピンが必須になってきますので全ての選手のキャメルが見られるのですが、ロシアの選手は若くてもいつも「さすが」と思わせてくれます。
ポンセロ選手のキャメルスピンも叙情的な彼の演技に合って優雅で素敵です。
基本のポジションもスパイラルに似て男子には難しいと思いますが、レベルをとるにはチェンジエッジ、バタフライやバックエントランス、仰向けの難しいポジションなどを駆使しなくてはなりません。しかし8回転は他の要素との兼ね合い上、なかなか使えないようです。上半身を含め身長の長さをぐるぐる振り回すキャメルはなかなか速度が出ませんので、時間がかかり、プログラムの中で時間を使いすぎてしまうのです…。
正直、もっとキャメルスピンの難度にあった独自のレベルの特徴を考えていただきたいものです。(私はルールにあまり注文をつけたい方ではないのですが、これはわりと切実)

さて、フリーの集計方法ですが、男女ごとにはスピンの種類別に数え上げ、最後に男女合わせてその組み合わせを集計してみたいと思います。今回の2つのスピンの組み合わせと違い、4つのスピンで組み合わせの可能性はかなりありますが、実際のところはそんなに組み合わせはないのでは…と踏んでいます。

2008年3月 6日 (木)

女子ショートプログラムのスピン

GPシリーズの集計、今回からスピンです。
まずは課題の設定されているSPのスピンから。

<レイバックスピン>

・LSp1 13(17.1%) ベストGOE アリサ・ドレイ(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 10
GOE<0.0 1

・LSp2 23(30.3%) ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 15
GOE<0.0 1

・LSp3 30(39.5%) ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 1.4
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 16
0.0≦GOE<0.5 12
GOE<0.0 1

・LSp4 10(13.2%) ベストGOE キャロライン・ジャン(GPファイナル) 1.4
1.0≦GOE<1.5 2
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 2

<足換えコンビネーションスピン>

・CCoSp1 10(13.2%) ベストGOE アシュリー・ワグナー(スケートカナダ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 7

・CCoSp2 15(19.7%) ベストGOE 安藤美姫(スケートアメリカ)、浅田真央(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 7
GOE<0.0 5

・CCoSp3 27(35.5%) ベストGOE 中野友加里(ロシア杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 21
GOE<0.0 2

・CCoSp4 24(31.6%) ベストGOE アリッサ・シズニー(NHK杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 11
GOE<0.0 2

<フライングスピン>
レベル認定なし(FSSp) 1(1.3%)

レベル1 8(10.5%)
・FSSp1 6 ベストGOE エレナ・グレボワ(スケートカナダ、エリックボンパール杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2
・FCSp1 2 ベストGOE ヴィクトリア・パヴク(エリックボンパール杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 1
GOE<0.0 1

レベル2 15(19.7%)
・FSSp2 9 ベストGOE エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ) 0.3
0.0≦GOE<0.5 5
GOE<0.0 4
・FCSp2 6 ベストGOE アリーナ・マルティノワ(中国杯、ロシア杯)、ニーナ・ペトゥシコワ(ロシア杯)、サラ・マイヤー(NHK杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

レベル3 26(34.2%)
・FSSp3 17 ベストGOE 金妍兒(中国杯、ロシア杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 12
GOE<0.0 3
・FCSp3 9 ベストGOE 中野友加里(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 6

レベル4 26(34.2%)
・FSSp4 19 ベストGOE ベアトリサ・リャン(ロシア杯)、エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯)、金妍兒(GPファイナル) 0.5
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 14
GOE<0.0 2
・FCSp4 7 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 4

フライングシットスピン 52(68.4%)
フライングキャメルスピン 24(31.6%)

高得点者はジャンプ、ステップともまた違った顔ぶれですね~。
とりわけ中野選手の健闘が光ります。フライングスピンはフライングシットの方がレベルが得やすいというのが定説ですが、キャメルに自信のある選手だけがキャメルを実施するために、キャメルの方が全体にGOEが高くなっています。
キャメルがレベルを得づらいのは、変形ポジションのバラエティが少ないからです。中野選手はすばらしいドーナツスピンを持っていますが昨シーズンまでは低レベルにとどまっていましたが、同じポジションで8回転することでレベルアップという新しい認定要素に高速ドーナツスピンがばっちりハマり、レベル3やレベル4をコンスタントに認定されるようになりました。中野選手は長いときは10回転以上のドーナツスピンをまるで簡単そうにしています。
しかし、中野選手ほど8回転ルールの恩恵を受けている選手は他にいないようです…。

キム・ヨナ選手はフライングシットスピンで高得点を得ていますが、彼女も非常に軸の安定した、チェンジエッジも巧みなスピンを回ります。柔軟性がないのが難点ですが、フライングのダイナミックさで個性を出してGOEをもらっていますね。

レイバックスピンはジャン選手の独壇場。あのパールスピンからビールマンへの移行、その間まったく回転スピードが落ちず軸がしっかりしたスピンを見せつけられるとお手上げという感じです。
あと、実は韓国の選手に、非常に素晴らしいレイバックを持っている選手がいるのですが、他の要素がいまひとつで、韓国の代表にはなれていません。その選手は元祖パールスピン、そしてフライングレイバックスピンでチェンジエッジを行うなど本当に柔軟性も基本的なスピン技術も優れているのですが、スピンだけでは上位にこられないのが実に残念です。

コンビネーションスピンが得意なシズニー選手は、ポジションの美しいスピンに定評があります。

スピンは柔軟性と回転速度の両方を必要とする要素。
女子では柔軟性がより求められますが、そこそこの柔軟性でもオリジナリティがあるスピンも見たいなぁと思っています。

2008年3月 4日 (火)

女子のスパイラルシークエンス

GPシリーズの集計を再開、今回はスパイラルです。

スパイラルは最もレベル4をとりやすい要素です。しかしほんの少し保持時間が足りないだけで簡単にレベルを落としてしまう微妙な要素。そのできばえのよさは、ほとんどGOEによって決定すると言っても過言ではないと思います。

<スパイラルシークエンス>

◆SP
・認定なし(SpSq) 1(1.3%)
・SpSq1 10(13.2%) ベストGOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 7
GOE<0.0 2
・SpSq3 8(10.5%) ベストGOE ベアトリサ・リャン(中国杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 7
・SpSq4 57(75.0%) ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ)、キャロライン・ジャン(中国杯) 1.8
1.5≦GOE<2.0 3
1.0≦GOE<1.5 15
0.5≦GOE<1.0 17
0.0≦GOE<0.5 20
GOE<0.0 2

◆FS
・SpSq1 5(6.7%) ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 0.9
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 2
GOE<0.0 2
・SpSq2 10(13.3%) ベストGOE キャロライン・ジャン(中国杯) 0.8
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 9
・SpSq3 8(10.7%) ベストGOE ベアトリサ・リャン(ロシア杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 7
・SpSq4 52(69.3%) ベストGOE キャロライン・ジャン(GPファイナル) 1.6
1.5≦GOE<2.0 1
1.0≦GOE<1.5 19
0.5≦GOE<1.0 13
0.0≦GOE<0.5 19

ベストGOEはなんと3人の選手で分け合うことになりました。ここからレベル取りの極端な不安定さもうかがわれます。
とりわけジャン選手は、コーエン選手を彷彿とさせる、いや、さらに鋭いスプリットのアラベスク、安定感のあるチェンジエッジ、自在なディフィカルトポジションと、正直レベル5をつけたいような内容のスパイラルシークエンスになっています。もう少し速度があるといいかと思いますが、脚を高く上げてスピードを保つのは難しいことなのでしょう。
真央選手のショートプログラムは、最初に支持なしのファンスパイラルから入る独創的な構成になっています。支持なしのファンスパイラルはそれ自体ではレベルアップの特徴として認められなくなりましたから、今季に入って試みる選手が激減したのですが、真央選手はレベル取りの手段ではなく美しいポジションとして魅せ(これもコーエン選手を彷彿とさせます)、かつチェンジエッジを含むフォアの後ろ上げスパイラルを2種の支持ありで行うことで変化をつけています(前上げで支持なしを行っているので、後ろ上げで両方支持してもレベルがとれるという賢い構成)。大変難度の高い構成だと思いますが、確実にレベルをとるのもそれだけ難しくなっていると思います。もはやスパイラルも「休むところ」ではなくなっていますね…。
リャン選手は1拍でトップポジションに入れる素早さ(太田由希奈選手もこの点が素晴らしいです)、つま先、指先まで力強い伸びやかさ、深いアウトサイドエッジによる迫力が優れています。3番目のバックスパイラルに前上げと横上げの両方を使え、曲調に合わせてイメージを変えている点も好印象。アラベスクでの上体の位置が低く、ポジションの優雅さという点では前2者に及びませんが、単に優美というだけではない女性の身体の力強さを表現できている点が個性的であると思います。

さてさて、最後にスピンのまとめになりますが、まだどのようにまとめていくか思案中です。ショートはまとめやすいのですが、フリーをどう分類していくか…

2008年2月26日 (火)

男子のステップシークエンス

GPシリーズの集計シリーズ、今回は男子のステップシークエンスです。

女子と比べ、2度ステップを実施するため数が多いのですが、プログラムの中での使われ方は画一的なところもあります。ストレートラインを使うことがほぼ当然なので、それをプログラムの山場にする構成も非常に多くなってしまっているのです。
体力的にもこんにちのステップシークエンスは非常に内容が濃く時間をかけるので、プログラムのはじめの方に使ってしまうと後半ジャンプを跳ぶのが非常に困難になっている、という面もあります。

しかしそんな中でも、男子のステップシークエンスは音楽の個性を上手に見せる工夫がちりばめられた楽しいものが数多くあります。

<ステップシークエンス>

◆SP
★レベル1 26.6%
・SlSt1 21 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ)、ステファン・ランビエール(中国杯) 0.9
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 15
GOE<0.0 2
・CiSt1 18 ベストGOE スティーヴン・キャリエール、アルバン・プレオベール(スケートアメリカ)、ショーン・ソーヤー(中国杯)、ジェレミー・アボット(NHK杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 12
GOE<0.0 2
・SeSt1 2 ベストGOE 小塚崇彦(ロシア杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 2

★レベル2 42.9%
・SlSt2 36 ベストGOE ジョニー・ウィアー(中国杯) 0.7
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 29
GOE<0.0 1
・CiSt2 30 ベストGOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 22

★レベル3 29.2%
・SlSt3 19 ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 12
0.0≦GOE<0.5 6
・CiSt3 26 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 1.1
1.0≦GOE<1.5 3
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 16

★レベル4 1.3%
・SlSt4 1 ベストGOE トマシュ・ヴェルネル(NHK杯) 1.2
・CiSt4 1 ベストGOE トマシュ・ヴェルネル(NHK杯) 1.2

ストレートライン 100%
サーキュラー 97.4%
サーペンタイン 2.6%

◆FS
★レベル1 31.2%
・SlSt1 27 ベストGOE セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 25
GOE<0.0 1
・CiSt1 21 ベストGOE 南里康晴(スケートアメリカ)、ブライアン・ジュベール、ジェフリー・バトル(スケートカナダ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 18

★レベル2 42.9%
・SlSt2 31 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 1.1
1.0≦GOE<1.5 2
0.5≦GOE<1.0 5
0.0≦GOE<0.5 22
GOE<0.0 2
・CiSt2 33 ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 6
0.0≦GOE<0.5 25
GOE<0.0 1
・SeSt2 2 ベストGOE アンドレイ・グリアツェフ(ロシア杯、NHK杯) 0.0
0.0≦GOE<0.5 2

★レベル3 25.3%
・SlSt3 18 ベストGOE エヴァン・ライサチェク(スケートアメリカ)、ジェフリー・バトル(スケートカナダ)、ステファン・ランビエール(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 3
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 8
・CiSt3 21 ベストGOE ステファン・ランビエール(GPファイナル) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 10
0.0≦GOE<0.5 10

★レベル4 0.6%
・SlSt4 1 ベストGOE エヴァン・ライサチェク(GPファイナル) 1.4

ストレートライン 100%
サーキュラー 97.4%
サーペンタイン 2.6%

ランビエール選手、ライサチェク選手、バトル選手、そして高橋選手というあたりが高いGOEを獲得してます。NHK杯でレベル4を獲得したヴェルネル選手も頑張っています。ウィアー選手、ジュベール選手も負けてはいませんね。
スケートアメリカではレベルを低く抑えられる選手が少なくなかったので全体にGOEを高めにつけているようにも見えます。
サーペンタインステップはわずかに小塚選手とグリアツェフ選手が実施しているだけです。グリアツェフ選手はあまりスピードのある選手という印象はないのですが、音楽に上手に乗れています。小塚選手はスピードがあって迫力のサーペンタインステップですが、もっと音楽のビートを全身で表現できればもっといいGOEを獲得できるでしょうね。ベンチャーズは古くさい音楽ともいわれますが、ユニークさはあります。もっとそのユニークさを感じて、楽しんで表に出していってほしいです。

モロゾフ氏曰く「ジャンプやスピンは音楽がなくても成り立つけれど、ステップは音楽がなければ成り立たない」
技術的な部分もとても大切なのですが、音楽表現としても洗練されたステップというのを私は観たいと思っています。

2008年2月25日 (月)

女子のステップシークエンス

GPシリーズのまとめシリーズを復活しました。

せっかく休みにステップのグラフを作ったのでステップからいってみます。

<ステップシークエンス>

◆SP
★レベル1 32.9%
・SlSt1 17 ベストGOE キミー・マイズナー(スケートアメリカ) 0.8
0.5≦GOE<1.0 2
0.0≦GOE<0.5 13
GOE<0.0 2
・CiSt1 7 ベストGOE ユリア・シェベスチェン(中国杯)、サラ・マイヤー(エリックボンパール杯) 0.6
0.5≦GOE<1.0  2
0.0≦GOE<0.5 3
GOE<0.0 2
・SeSt1 1 ベストGOE アシュリー・ワグナー(エリックボンパール杯) 0.4
0.0≦GOE<0.5 1

★レベル2 40.8%
・SlSt2 27 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ)、ジョアニー・ロシェット(ロシア杯)、安藤美姫、エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(NHK杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 23
・CiSt2 3 ベストGOE カタリナ・ゲルボルト(ロシア杯) 0.3
0.0≦GOE<0.5 3
・SeSt2 1 ベストGOE アシュリー・ワグナー(スケートカナダ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 1

★レベル3 26.3%
・SlSt3 20 ベストGOE 浅田真央(GPファイナル) 0.9
0.5≦GOE<1.0 11
0.0≦GOE<0.5 9

ストレートライン 64 (93.4%)
サーキュラー 10 (13.1%)
サーペンタイン 2 (2.6%)

◆FS
★レベル1 41.3%
・SlSt1 25 ベストGOE キミー・マイズナー、アシュリー・ワグナー、サラ・マイヤー、ミラ・リュン(エリックボンパール杯) 0.5
0.5≦GOE<1.0 4
0.0≦GOE<0.5 18
GOE<0.0 3
・CiSt1 6 ベストGOE アレクサンドラ・イエフレワ(スケートアメリカ)、キャロライン・ジャン(中国杯) 0.1
0.0≦GOE<0.5 4
GOE<0.0 2

★レベル2 29.3%
・SlSt2 17 ベストGOE 安藤美姫(スケートアメリカ) 0.6
0.5≦GOE<1.0 3
0.0≦GOE<0.5 14
・CiSt2 5 ベストGOE キャロライン・ジャン(スケートアメリカ) 0.5
0.5≦GOE<1.0 1
0.0≦GOE<0.5 4

★レベル3 28%
・SlSt3 16 ベストGOE 浅田真央(エリックボンパール杯) 1.0
1.0≦GOE<1.5 1
0.5≦GOE<1.0 7
0.0≦GOE<0.5 8
・CiSt3 5 ベストGOE 中野友加里(スケートカナダ) 0.4
0.0≦GOE<0.5 5

★レベル4 1.3%
・SlSt4 1 ベストGOE カロリーナ・コストナー(NHK杯) 1.0
1.0≦GOE<2 1

ストレートライン 59 (78.7%)
サーキュラー 16 (21.3%)
サーペンタイン 0 (0.0%)

真央選手の健闘が光りますね。本当に今季はステップの力がめきめきと上がり、美しいエッジワークを見せてくれています。レベル4はGOEが倍になりますから、コストナー選手の加点はそんなに大きいわけではありません。しかしレベル4がとれるというのはこれまたすごいことです。
サーキュラーではあまり多くの加点を稼いでいる人はいませんね。中野選手はステップを変えてしまいましたが、ジャン選手は「アヴェ・マリア」のゆったりとした音楽によく合ったサーキュラーを踏んでいます。SPのスパニッシュに乗せたストレートラインとはまったく印象が違って新鮮です。もっと伸びやかにスケートが滑るときっとさらに評価が上がると思います。
一方でサーペンタインのステップで高いGOEを得ているワグナー選手、頑張っています。私はあの中の首を回して見得を切る仕草が個人的にお気に入りです。サーペンタインステップは移動距離が長くカーブの方向も変化が大きいので、使うには勇気が要ります。スピードがないと盛り上げどころのない間延びした構成になりがちでもあります。今流行の蛇行ストレートラインよりも潔くっていいような気もしますけれど。

次回は男子を、できるだけ早いうちに更新したいと思います。

2008年2月24日 (日)

ステップとSSの相関関係?

ご無沙汰です。

このブログの最初の記事を作るきっかけになった資料室さんの質問用掲示板、特定選手の時事的話題が多く一般的な質問が流れやすいためか、ブログを利用したスレッド形式のものにリニューアルしたのですが、その中に「ステップ・スケーティング技術」というスレッドがありました。
そこで「ステップの上手な選手はスケーティングも上手いと考えていいのでしょうか」という質問がありました。

直感的には答えはYESです。

フィギュアスケートというのはかつては図形を描く競技であり、スケーティングとは軌跡を描くことでした。図形を描くには正しいエッジに乗って正しいカーブを描かなければならないし、一定に近い速度で滑りいたずらに減速しないようにしなくてはなりません。ターンなどの軌跡も評価の対象でした。
ステップも、細かいステップがよいステップだと思っている方もいますが、それよりまず正しいステップであることが求められます。「正しい」ステップとは「正しいエッジに乗った」ステップです。そして、ターンなどによってエッジを変えても減速しないようにしなくてはシークエンスとしてただちにステップをつなげていけません。
今日のフィギュアスケートでは、SSではかるスケーティングというとストロークが主になります。ストロークは加速する動作なのでステップとは性質が違ってきますが、減速しない滑りができれば滑らかに無理なく加速していきます。それこそがよいストロークの条件でもあります。
ステップシークエンスはストロークより加えられる加速力が限られてきます。それでもしっかりスピードを維持することは大切なことです。
つまり両者の基準には「スピード」と「正しいエッジ」という共通項目があります。
時にはストロークは抜群でもターンとなるともたついてしまう、という選手がいるかもしれません。しかしターンをするのに正しいエッジでスピードを落とさないようにできる人はストロークでも伸びやかに滑られるはずです。

では、実際に得点上どの程度の相関関係があるのでしょうか?

せっかくGPシリーズのデータをまとめていましたので、グラフにしてみました。

まずは女子。母体は各試合のSPとFSの合計です。
縦軸がSS。合計得点と同じ割合になるよう、SP:FS=1:2で平均したものです。色がSPとFS、2つのステップシークエンスの合計得点です。赤に近い方が高得点です。
横軸にはステップとスケーティングに関係ない得点を合計したものを表示しました。つまりステップ以外の要素点とディダクション、それに、ほんの少しですが、PCSの後半3項目とSSの差分にプログラムの係数をかけたものを加えました(といっても多くの場合はマイナスになりますが)。これはPCS5項目の基準点が実質SSになっていることによるものです。TRはつなぎの密度であり、ステップシークエンス以外のステップの評価も含みますから除外しました。
この横軸は、SSとジャンプを中心とする要素の相関関係をはかることができます。しかし実際に見たいのは正比例の相関から外れた選手のステップの得点が縦軸と横軸のどちらにより強く相関するか、ということです。

ようするに、横縞のレインボーができれば相関関係が成立ということになります。

Sssteplq
(クリックすると大きなグラフが見られます)

確かに上の方に赤やオレンジが多い気もしますが、なんだかいまいちピンときませんね。
そういえば、ステップのレベルというのは、定評のある選手でもささいなことでとってもらえたりもらえなかったりするものです。そこでGOEの方で比較したグラフも作ってみました。

Ssgoelq
(クリックすると大きなグラフが見られます)

縦ではなく横縞に近い層の構造があるっぽいことが見えてきました。でもやっぱりピンとこないかな…。
ちなみにSS7点台にありながら1つだけブルーの点がありますが、これはスケートアメリカのSPでステップ中に転倒してしまった安藤選手の点です。こんな値も、まれにはあります。
しかし「ステップが上手な人はスケーティングも上手いか?」という質問で肝心なのは、むしろ赤やオレンジが下の方に見られないということです。いかがでしょう?

女子はプログラムに1つしかステップがないから、極端な数値も多くなるかもしれません。また、MIFの一種でありスケーティングと深い相関のあるスパイラルの点数もあえて横軸に加えていますから、かえって相関が見えにくくなっているかもしれません。

そこで今度は男子のグラフです。まずは得点のグラフから。

Ssstepmq
(クリックすると大きなグラフが見られます)

女子よりもやや横縞がくっきりしているでしょうか? しかし縦軸と横軸の正比例の相関から外れた点はあまり多くないので、縦と横の相関の評価が難しいですね。やはり男子はジャンプ重視傾向が強いのでしょうか…
次にGOEだけのものを見てみましょう。

Ssgoemq
(クリックすると大きなグラフが見られます)

いちばんくっきりと層構造が出てきた気がします。とりわけ、ある一定のラインより下にまったくその色が見られなくなる、という構造がくっきりしています。(上にはいろいろな色が見られますが…)
6点台のレベルに燦然と輝く紫色はロシア杯のポンセロ選手。確かにミスもありましたが、他のステップでもそれを取り戻すには至らないGOEしかもらえていませんでした。スケーティングの評価は高いけれどステップの評価はイマイチな選手、といえるかもしれません。

もっと細かく色の数を使い、もっと多くのプログラムの評価を加えればまた違うものが見えてくるかもしれません。またこのグラフでも縦軸と横軸の正比例構造がやや見られますので、ジャンプやスピンとSSの相関についても、はかってみなければ、ステップに固有の構造であるとは断言できないでしょうね。
これは宿題、という感じですが、いつになったら取り組めることやら…

2008年2月12日 (火)

フリーのコンビネーション まとめ

四大陸選手権が始まりますね。地上波の放送枠は少ないですが、選手がどんな演技をしてくれるのか、今から楽しみです。
でもこのブログではちんたらと終わった試合の集計です。ISU選手権がすべて終わるまでにGPシリーズを語り終えているといいのですけれどね…。

さて。GPシリーズのジャンプ集計、最後に男女フリーのコンビネーションジャンプについて、プログラム中の回数をまとめてみました。

<女子>

◆3連続を含む3回 34 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 7)
・3連続+2連続×2 23
・3連続+2連続+シークエンス 3
・3連続+シークエンス×2 1
(3連続+2連続+単独SEQ 7)

◆それ以外の3回 15 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 4)
・2連続×3 9
・2連続×2+シークエンス 1
・2連続+シークエンス×2 1
(2連続×2+単独SEQ 3)
(2連続+シークエンス+単独SEQ 1)

◆3連続を含む2回 6 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 0)
・3連続+2連続 6

◆それ以外の2回 12 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 6)
・2連続×2 4
・2連続+シークエンス 2
(2連続+単独SEQ 6)

◆1回 4 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 0)
・2連続 4

◆なし 2

コンビネーション回数制限違反 1 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 1)

<男子>

◆3連続を含む3回 25 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 5)
・3連続+2連続×2 19
・3連続+2連続+シークエンス 1
(3連続+2連続+単独SEQ 5)

◆それ以外の3回 17 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 6)
・2連続×3 9
・2連続×2+シークエンス 2
(2連続×2+単独SEQ 6)

◆3連続を含む2回 10 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 0)
・3連続+2連続 10

◆それ以外の2回 18 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 3)
・2連続×2 15
(2連続+単独SEQ 3)

◆1回 7 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 0)
・3連続 2
・2連続 5

◆なし 0

コンビネーション回数制限違反 3 (うち単独ジャンプ+SEQを含む 1)
ザヤックルール違反 1

SPでは断然男子の方が実施率が高いコンビネーションジャンプですが、フリーでの実施回数では女子の方が若干分があるようです。ジャンプが1回多い、プログラムが30秒長い、スパイラルとステップの違い…。そういったものが、コンビネーションの成功率にも影響を及ぼしているのかもしれませんね。
こうしてみると、やはりコンビネーションを入れられるのに入れ損ねてしまった、といった取りこぼしも少なくないことがわかるかと思います。

予定していたよりも簡単なまとめにしてしまいましたが、このくらいでジャンプの集計は終わりたいと思います。

2008年2月11日 (月)

男子FSの3連続とジャンプシークエンス

GPシリーズのジャンプ集計、今回は男子フリーの3連続コンビネーションとシークエンスです。
といっても、シークエンスはなんだか失敗ジャンプばかりみたいです…

<3連続コンビネーション>

★セカンドトリプルの3連続★
4S+3T+2Lo 1 ケヴィン・レイノルズ(ロシア杯) GOE +0.6
3Lz+3T+2T 2 ジェレミー・アボット(スケートカナダ、NHK杯) bestGOE +0.8(スケートカナダ)
3F+3T+2T 1 ステファン・ランビエール(GPファイナル) GOE +0.8
合計 4

☆その他の3連続☆
◆ルッツから 11
3Lz+2T+2Lo 7 (うちGOE0以上 6)
3Lz+2T+2T 3 (うちGOE0以上 3)
3Lz+2T+1Lo 1 (うちGOE0以上 0)

◆フリップから 4
3F+2T+2Lo 1 (うちGOE0以上 1)
      e 1
3F+2T+2T e 2

◆ループから 1
3Lo+2T+2T 1 (うちGOE0以上 1)

◆サルコウから 8
3S+2T+2Lo 6 (うちGOE0以上 4)
3S+2T+2T 2 (うちGOE0以上 0)

◆トウから 3
3T+2T+2Lo 1 (うちGOE0以上 1)
3T+2T+2T 2 (うちGOE0以上 2)

◆アクセルから 6
3A+2T+2Lo 4 (うちGOE0以上 4)
3A+2T+1Lo 1 (うちGOE0以上 0)
2A+2T+2Lo 1 (うちGOE0以上 1)

合計 33

3連続コンビネーションの総合計 37 (1プログラムあたり平均0.48回)

△ファースト2A、セカンド以降2T以上で、GOE0以上のジャンプのベストGOE▽
3A+2T+2Lo アルバン・プレオベール(スケートアメリカ)、高橋大輔(GPファイナル) 0.4
3Lz+2T+2Lo パトリック・チャン(スケートアメリカ、エリックボンパール杯) 1.2
3Lz+2T+2T ジャリアンウー(スケートカナダ)、ヴォーン・チピアー(NHK杯)、ジョニー・ウィアー(GPファイナル) 0.2
3F+2T+2Lo 小塚崇彦(ロシア杯) 0.4
3Lo+2T+2T セルゲイ・ダヴィドフ(NHK杯) 0.0
3S+2T+2Lo ジェフリー・バトル(ロシア杯) 0.6
3T+2T+2Lo セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 0.2
3T+2T+2T スティーヴン・キャリエール(スケートアメリカ) 1.8
2A+2T+2Lo ヤニック・ポンセロ(ロシア杯) 0.4

<ジャンプシークエンス>

3T+2T+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
3T+1T+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
2Lo+3Lo+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
合計 3
(これらのジャンプは全て失敗ジャンプの後ホップをはさんでジャンプを跳びフォローしたものであり、予定したシークエンスではないと考えられるので、詳しい集計はしない)

<単独ジャンプ+SEQ>

4T+SEQ 1
3A+SEQ 7
3Lz+SEQ 2
3F+SEQ 1
3T+SEQ 1
2A+SEQ 2
合計 14 (1プログラムあたり平均0.18回)


3連続実施率は、男子も女子と大差ありませんね。
セカンドトリプルの3連続は3人ほど行っています。その中でもレイノルズ選手の4-3-2はサルコウからということで史上初の快挙! なぜ日本では放送されなかったのかと悔やまれてなりません。また、アボット選手にせよ、ランビエール選手にせよ、4回転に挑戦している選手がリカバーの手段として有効に利用しているのも見受けられます。
なかなか加点の得づらいセカンドダブルの3連続で見事な加点を得ているのがキャリエール選手のお手上げジャンプ。かのブライアン・ボイタノが得意としたことで有名なポジションです。3連続で行う場合、セカンドジャンプで片手を、サードジャンプで両手をあげるという発展的な変化が、尻すぼみになりがちな3連続を最後まで見応えのあるものにしているのかもしれません。確かに生で観るとユニークな味わいと驚きがあると思います。

男子はシークエンスを行っている選手がまったくいないという状況です。
ジュニアではアダム・リッポン選手が行っていますが、難度の高いジャンプを入れてくるようになると、どうしても、寄り道のようなジャンプのバラエティにまで凝る余裕はなくなるのかもしれません。キャリエール選手のもそういった「寄り道」に近いものがありますが、そういうところで認められる選手がこうして出てくるのは、私は楽しいことだと思っています。

2008年2月10日 (日)

女子FSの3連続とジャンプシークエンス

GPシリーズのジャンプ集計、今回は女子フリーの3連続とシークエンスです。
この辺になると母体が少ないのに選手の名前がバンバンでてきますが、レアなものをやっているということ自体をフィーチャーしていきたいので、あえてバンバン出していきます。


<3連続コンビネーション>

★セカンドトリプルの3連続★
2A+3T+2T エレーナ・グレボワ(スケートカナダ) GOE +1.0
合計 1

☆その他の3連続☆
◆ルッツから 7
3Lz+2T+2Lo 4 (うちGOE0以上 4)
      e 1
3Lz+2T+2Lo< 1
2Lz+2T+2Lo< 1

◆フリップから 2
3F+2Lo+2Lo 2 (うちGOE0以上 1)

◆ループから 4
3Lo+2T+2Lo 3 (うちGOE0以上 3)
3Lo<+2T+2Lo 1

◆サルコウから 2
3S+2T+2T 1 (うちGOE0以上 1)
2S+2T+2T 1 (うちGOE0以上 0)

◆トウから 9
3T+2Lo+2Lo 1 (うちGOE0以上 1)
3T+2T+2Lo 4 (うちGOE0以上 4)
3T+2T+2Lo< 1
3T+2T+2T 2 (うちGOE0以上 2)
3T+2T+2T< 1

◆アクセルから 12
2A+2Lo+2Lo 2 (うちGOE0以上 1)
2A+2Lo+2Lo< 1
2A+2T+2Lo 5 (うちGOE0以上 4)
2A+2T+2T 3 (うちGOE0以上 2)
2A+1T+1T 1 (うちGOE0以上 1)

合計 36

3連続の総合計 37 (1プログラムあたりの平均回数0.5回)

△ファースト2A、セカンド以降2T以上でGOE0以上のジャンプのベストGOE▽
3Lz+2T+2Lo ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) 1.2
3F+2Lo+2Lo ミラ・リュン(エリックボンパール杯) 0.0
3Lo+2T+2Lo キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.2
3S+2T+2T 中野友加里(GPファイナル) 0.0
3T+2Lo+2Lo 安藤美姫(スケートアメリカ) 0.0
3T+2T+2Lo 中野友加里(スケートカナダ) 0.6
3T+2T+2T エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(スケートアメリカ)、澤田亜紀(エリックボンパール杯) 0.0
2A+2Lo+2Lo 浅田真央(GPファイナル) 0.2
2A+2T+2Lo キミー・マイズナー(スケートアメリカ) 0.2
2A+2T+2T 武田奈也(スケートカナダ)、グウェンドリーヌ・ディディエ(エリックボンパール杯) 0.0

<ジャンプシークエンス>

3Lo+2A+SEQ 2 (うちGOE0以上 2)
3S+2A+SEQ 1 (うちGOE0以上 1)
3T+3S+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
3T+2A+SEQ 2 (うちGOE0以上 1)
3T+1S+SEQ 1 (うちGOE0以上 1)
2A+2A+SEQ 3 (うちGOE0以上 1)
2A+1A+SEQ 1 (うちGOE0以上 1)

合計 11 (1プログラムあたりの平均回数0.15回)

△2A以上で構成されるGOE0以上のジャンプのベストGOE▽
3Lo+2A+SEQ 武田奈也(スケートカナダ) 1.0
3S+2A+SEQ レスリー・ホーカー(NHK杯) 0.0
3T+2A+SEQ 村主章枝(中国杯) 0.8
2A+2A+SEQ アリサ・ドレイ(スケートカナダ) 1.0

<単独ジャンプ+SEQ※>

3Lz+SEQ 3 (うちGOE0以上 1)
3Lz<+SEQ 3
      e 1
3F+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
3F<+SEQ 3
      e 1
3Lo+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
3S+SEQ 1 (うちGOE0以上 0)
3S<+SEQ 3
2A+SEQ 1

合計 18 (1プログラムあたりの平均回数0.24回)

※「単独ジャンプ+SEQ」には、(1)ザヤックルールに抵触したジャンプ、(2)コンビネーション、シークエンスの定義に違反したジャンプ、の2種がある。
(1)は、「重複して跳ぶトリプル以上のジャンプの少なくともひとつはコンビネーションかシークエンスにしなくてはならない。もし単独で2度跳んでしまった場合は後に跳んだものを『セカンドジャンプ不明のジャンプシークエンス』とみなす」というもの。
GOEにプラスのついているものは間違いなくこれだと思ってよい。
(2)は「ジャンプシークエンスはターン、ステップでジャンプをつなぐことができない」という今季からのルール。ただしスケーティングフットを変えずダブルスリーターンのみ挟んだ場合依然コンビネーションジャンプと認められます(全日本選手権の安藤選手のフリーで実施された3T+2Lo+2Loなど)。
これにより前のジャンプでステップアウトした後に跳んだジャンプが無効になってしまうだけでなく、そのシリーズそのものはシークエンス扱いで基礎点が0.8倍になってしまいます。厳しくなってしまいましたが、2つの単独ジャンプと見なされるよりはまだ救済措置だといえるかもしれません。
ザヤックルールとは関係ない2A+SEQ、また1度しか跳んでいないジャンプでのこの表記は間違いなくこれだと思ってよい。


というわけで、3連続の実施率は半分と、あまり高くないということが明らかになりました。その中で日本の選手たちの健闘がやたらと目立ちますね。
最後にダブルループをつけると1.5点、後半なら1.65点。けれど「その程度の基礎点をムリにあげるよりは、できる範囲でクリーンに演じた方がマシ」という考えも少なくはなさそうですね。
セカンドトリプルを含む3連続は、単純な足し算でなされる今の採点方式では無駄に難しいだけということなのか、ほとんど見られなくなりました。男子の4回転にも言えることですが、一点豪華主義ではなかなか勝てないという現状を反映しているといえるかもしれません。

ちょうど資料室の質問掲示板でも出ていたお話ですが、ジャンプシークエンスのバラエティもあまり多くはありませんね。ロシェット選手らががんばっていますが、トリプルトリプルを跳べない選手の、苦肉の策という印象もぬぐえません。
かといって、こういうものをルールとして優遇してしまうと、今度はみんながそればかりをやるようになってしまうのが競技の常です。どれくらい得点に反映されるかはわからないけれど、自分らしさを出したい、といったジャンプが見られるようになるには、まだ新採点システムは、作った側にとっても競技する側にとっても研究不足の段階にあると思います。作る側は今後いっそう、選手達の創り出すスケートの価値をよりきめ細かく、バランス良く掬い上げていくものを目指す必要があるでしょうし、競技する側も、ただむやみに自分を殺してルールに合わせるのではなく、自分の持ち味をルールを生かして評価させていく方法を工夫していく必要があると思います。
とはいえ、それは周囲が思うよりもずっと難しいことなのでしょうが…

2008年2月 9日 (土)

男子FSの2連続コンビネーション

GPシリーズのジャンプ集計、今回は予告どおり男子フリーの2連続コンビネーションです。

◆ルッツ 31
3Lz+3T 7 (うちGOE0以上 5)
      e 1
3Lz+2T 19 (うちGOE0以上 15)
3Lz+1T 2 (うちGOE0以上 0)
3Lz<+2T 1
2Lz+3T 1 (うちGOE0以上 1)

◆フリップ 32
3F+3T 15 (うちGOE0以上 13)
      e 1
3F+3T< 1
3F+2T 9 (うちGOE0以上 6)
      e 3
3F+1T e 1
2F+2T 1 (うちGOE0以上 1)
      e 1

◆ループ 6
3Lo+3T 1 (うちGOE0以上 1)
3Lo+2T 4 (うちGOE0以上 3)
3Lo+1T 1 (うちGOE0以上 0)

◆サルコウ 21
4S+2T 1 (うちGOE0以上 0)
3S+3T 6 (うちGOE0以上 4)
3S+2T 11 (うちGOE0以上 8)
3S+1T 1 (うちGOE0以上 1)
2S+3T 1 (うちGOE0以上 0)
2S+1T 1 (うちGOE0以上 1)

◆トウ 5
4T+3T 1 (うちGOE0以上 1)
4T+2T 2 (うちGOE0以上 1)
3T+3T 1 (うちGOE0以上 1)
3T+3T< 1

◆アクセル 38
3A+3T 11 (うちGOE0以上 9)
3A+2T 17 (うちGOE0以上 6)
3A+2T< 1
3A<+2T 1
2A+3T 2 (うちGOE0以上 0)
2A+2T 6 (うちGOE0以上 4)

合計 133 (1プログラムにつき平均1.73回)

△ファースト2A、セカンド2T以上でGOE0以上のジャンプのベストGOE▽
4T+3T エヴァン・ライサチェック(GPファイナル) 0.8
4T+2T 李成江(中国杯) 1.2
3A+3T ジョニー・ウィアー(ロシア杯) 1.4
3A+2T 高橋大輔(スケートアメリカ) 1.2
3Lz+3T クリストファー・メイビー(スケートカナダ) 1.2
3Lz+2T ジョニー・ウィアー(ロシア杯)、スティーヴン・キャリエール(NHK杯) 1.0
3F+3T パトリック・チャン(スケートアメリカ) 1.6
3F+2T 高嵩(エリックボンパール杯) 0.8
3Lo+3T セルゲイ・ドブリン(NHK杯) 0.0
3Lo+2T ステファン・ランビエール(中国杯) 0.4
3S+3T ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(スケートカナダ、エリックボンパール杯)、ヤニック・ポンセロ(ロシア杯) 1.0
3S+2T (多すぎるので割愛) 0.0
3T+3T アンドレイ・ルータイ(スケートアメリカ) 0.0
2A+2T ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(スケートカナダ) 1.0


男子はだいぶトリプルトリプルが安定しているだけあってさまざまな選手の名前があります。ヴァン・デル・ペレン選手、ウィアー選手の名前は何度か出ていますね。
ところで、どうやら高いGOEの出やすいジャンプというのはあるようで、3A+3T、3F+3Tのジャンプではそれぞれのべ6度ずつGOE+1以上が出ています。試みられるセカンドトリプルの数も、この2つが格段に多いのですが。きっとジャンプに流れがあり美しく見えやすいのでしょう。
トウループからのコンボが少ないのはザヤックルールのためと思われますが、コンビネーションへのつなげやすさの傾向というのが見えてくる気がします。

2008年2月 8日 (金)

女子FSの2連続コンビネーション

GPシリーズのコンビネーションジャンプ集計、女子フリーの2連続ジャンプに関する集計です。

SPのときと同様、女子はセカンドループがかなりありますので、回転数にかかわらずファーストとセカンドの種類ごとにわけて集計しました。

◆ルッツ-ループ 7
3Lz+2Lo 4 (うちGOE0以上 3)
      e 2
3Lz<+2Lo 1

◆ルッツ-トウ 20
3Lz+2T 8 (うちGOE0以上 4)
      e 7
3Lz<+2T 2
2Lz+2T 2 (うちGOE0以上 1)
2Lz+1T 1 (うちGOE0以上 1)

◆フリップ-ループ 6
3F+3Lo 2 (うちGOE0以上 1)
3F+3Lo< 1
3F+2Lo 3 (うちGOE0以上 2)

◆フリップ-トウ 26
3F+3T 7 (うちGOE0以上 6)
3F+3T< 1
      e 1
3F+2T 11 (うちGOE0以上 8)
      e 2
3F<+3T< 1
3F<+2T 1
2F+2T e 1
1F+2T e 1

◆ループ-ループ 2
3Lo+2Lo 2 (うちGOE0以上 1)

◆ループ-トウ 3
3Lo+2T 2 (うちGOE0以上 1)
1Lo+2T 1 (うちGOE0以上 1)

◆サルコウ-トウ 12
3S+2T 12 (うちGOE0以上 7)

◆トウ-トウ 15
3T+2T 14 (うちGOE0以上 12)
2T+2T 1 (うちGOE0以上 1)

◆アクセル-トウ 28
2A+3T 6 (うちGOE0以上 5)
2A+3T< 4
2A+2T 14 (うちGOE0以上 10)
2A+2T< 1
2A<+2T 1
1A+2T 2 (うちGOE0以上 2)

合計 119 (1プログラムにつき平均1.61回)

△ダブルアクセル以上からのジャンプでGOE0以上のもののベストGOE▽
3Lz+2Lo カロリーナ・コストナー(GPファイナル) 0.6
3Lz+2T 金妍兒(ロシア杯) 1.2
3F+3Lo 浅田真央(GPファイナル) 1.2
3F+2Lo 浅田真央(スケートカナダ) 1.0
3F+3T 金妍兒(中国杯、ロシア杯、GPファイナル) 2.0
3F+2T ユリア・シェベスチェン(ロシア杯) 1.0
3Lo+2Lo アシュリー・ワグナー(エリックボンパール杯) 0.0
3Lo+2T クリスティン・ヴィーツォレク(ロシア杯) 0.0
3S+2T キーラ・コルピ(ロシア杯) 0.6
3T+2T アレクサンドラ・イエフレワ(スケートアメリカ)、アリサ・ドレイ(スケートカナダ) 0.4
2A+3T 金妍兒(GPファイナル) 1.6
2A+2T エレーネ・ゲデヴァニシビリ(NHK杯) 0.6


キム選手のコンビネーションジャンプが非常に高く評価されていることがわかります。これはセカンドトウループが非常に大きく高さがあるためです。ファーストジャンプでもあのような力強いジャンプはなかなか見られない、まるで男子選手のようなセカンドジャンプで、まさしく彼女の最大の武器です。
セカンドループではこのような高さが出にくいのですが、トウループにはない独特のリズムがありますから、軸のきれいなものはまずまず評価されていると思います。けれども、挑戦している選手自体があまり多くはありませんね。
コンビネーションは入れられる回数と評価によってTESの出方が大きく変わってきます。その組み合わせに関しては、最後にまとめたいと思います。

次回は男子選手の2連続です。またしてもセカンドループはないので、ファーストジャンプごとに分類してみたいと思います。

2008年2月 6日 (水)

男子SPのコンビネーションジャンプ

GPシリーズのジャンプ集計、今日は男子SPのコンビネーションジャンプです。

男子はセカンドループを試みている選手がいませんので、今回はファーストジャンプ別に回転数に関係なくまとめました。また、男子は全ての選手がコンビネーションを判別できるようになっていましたので、全てきちんと種類ごとにまとめることができました。
ではいってみましょう。

◆ルッツ 19
3Lz+3T 14 (うちGOE0以上 7)
3Lz+2T 4 (うちGOE0以上 2)
3Lz<+3T 1

◆フリップ 33
3F+3T 19 (うちGOE0以上 13)
      e 4
3F+3T< 1
3F+2T 8 (うちGOE0以上 6)
2F+3T 1

◆サルコウ 2
4S+3T 2 (うちGOE0以上 0)

◆トウ 16
4T+3T 6 (うちGOE0以上 2)
4T+2T 6 (うちGOE0以上 5)
3T+3T 4 (うちGOE0以上 2)

◆+COMBO 7
4T+COMBO 4
4T<+COMBO 1
3Lz+COMBO 1
3T+COMBO 1

△GOE0以上のベストGOE▽
4T+3T ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(GPファイナル) 1.0
4T+2T ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.0
3Lz+3T ジョニー・ウィアー(GPファイナル) 1.4
3Lz+2T アレクサンドル・ウスペンスキー(中国杯)、中庭健介(NHK杯) 0.0
3F+3T 高橋大輔(スケートアメリカ)、パトリック・チャン、ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(エリックボンパール杯) 1.8
3F+2T ヴォーン・チピアー(スケートカナダ) 0.6
3T+3T セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 1.2

男子はクリーンなコンビネーションを跳んでくる選手が多いですが、さすがに4回転は失敗も少なくないですね。レイノルズ選手が唯一、クワドサルコウからのコンビネーションに挑戦していますが、なかなかクリーンに決められていないようです。
きれいに決まった4回転でも、なかなかトリプルトリプルのような高いGOEを得るに至っていません。助走距離も余分に必要ですし、余裕のある着氷が難しいですから、3回転並の質を実現できないのは仕方がないことなのですが、ちょっと切ないですよね。これについて問題視するファンもおられるようです。私には何ともいえませんが、ジャンプごとにどの程度の基礎点、GOE幅が妥当なのかは、少し検討が必要なのかもしれません。

次回はフリーのコンビネーション。各種目2連続とそれ以外にわけて集計し、最後に男女合わせてプログラム中のコンビネーションの組み方についての考察をしてみたいと思います。

2008年2月 5日 (火)

女子SPのコンビネーションジャンプ

GPシリーズのジャンプ集計、コンビネーション編です。

まずは女子のショートプログラム。集計しやすいので(笑)。
回転数に関係なくファーストジャンプ-セカンドジャンプの種類別に整理し、その中で細かく整理してみました。
実は、女子には相当数、プロトコルからコンビネーションと判別できないジャンプがあります。それは申し訳ないですが種類を数えずにコンビネーションなしにまとめました。

◆ルッツ-ループ 7
3Lz+3Lo< e 1
3Lz+2Lo 5 (GOE0以上 3)
      e 1

◆ルッツ-トウ 24
3Lz+3T< 2
3Lz+2T 14 (GOE0以上 8)
      e 1
3Lz+2T< 1
      e 1
3Lz<+2T 2
3Lz+1T 1
3Lz<+1T 1
2Lz+2T 1

◆フリップ-ループ 3
3F+3Lo 1 (GOE0以上 0)
3F+3Lo< 1
3F+1Lo 1

◆フリップ-トウ 18
3F+3T 6 (GOE0以上 5)
3F+2T 5 (GOE0以上 3)
      e 2
3F<+3T 1
3F<+2T 1
3F+1T 3

◆ループ-ループ 1
3Lo+2Lo 1 (GOE0以上 0)

◆ループ-トウ 2
3Lo+2T 2 (GOE0以上 2)

◆サルコウ-トウ 1
3S+2T 1 (GOE0以上 0)

◆トウ-トウ 6
3T+3T 3 (GOE0以上 3)
3T+2T 3 (GOE0以上 3)

◆+COMBO 2
3F+COMBO e 1
2Lz+COMBO e 1

◆コンビネーションなし 11

△GOE0以上のベストGOE▽
3Lz+2Lo 安藤美姫(スケートアメリカ、NHK杯) 0.4
3Lz+2T ユリア・シェベスチェン(ロシア杯) 1.0
3F+3T 金妍兒(ロシア杯) 1.4
3F+2T スザンナ・ポイキオ(中国杯) 0.8
3Lo+2T 武田奈也(スケートカナダ) 0.8
3T+3T ラウラ・レピスト(スケートカナダ) 1.4
3T+2T ラウラ・レピスト(NHK杯) 0.8

フリップ-ループのコンビネーションに挑戦しているのは浅田真央選手だけですね。それにしても、GOEプラスのジャンプがないのがショートでの彼女の苦戦を感じさせます。全日本で何か掴んだようですから、今後の修正に期待したいところです。
ループ-ループを跳ぶヴィーツォレク選手は上位の選手ではありませんが、この組み合わせも見応えがあります。ヴェルネル選手と同い年でリンクメイトの彼女ですが、スケーティングを磨いて少しでも上に来てほしいです。

フリーはまだどんな風に集計するか決めかねています。というわけでとりあえず次回は男子SPをやっていくつもりです。

2008年2月 3日 (日)

男子のトウループ

本日二度目の更新です。

GPシリーズ男子のジャンプ集計、最後にトウループです。
4回転に3回転、コンビネーションのセカンドジャンプと非常にいろいろな使われ方をするジャンプ。どうしても集計が曖昧になってしまいますが、できる範囲で数え上げてみました。

<トウループジャンプ>

◆SP
★4T
・GOEマイナスのジャンプ 1
★3T
単独なし

★クワドコンボ
・4T+3T 6
・4T+2T 6
・セカンドジャンプつけられず(+COMBO) 5
★トリプルコンボ
・3T+3T 4
・セカンドジャンプつけられず(+COMBO) 1
★セカンドトリプル(ファースト4Tと3T以外) 42

・ダブルやシングルになったファーストジャンプ 0

・ファーストトウ、セカンドトリプルトウを試みなかったプログラム 13

◆FS
★4T
・GOE0以上のジャンプ 6
・GOEマイナスのジャンプ 17
・ダウングレードのジャンプ 4
合計 27
ベストGOE 高橋大輔(スケートアメリカ) 1.4
★3T
・GOE0以上のジャンプ 12
・GOEマイナスのジャンプ 2
・ダウングレードのジャンプ 0
合計 14 (+無効要素1)
ベストGOE セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 1.8

★クワドコンボ
・4T+3T 1
・4T+2T 2
・セカンドジャンプつけられず(+SEQ) 1
★トリプルコンボ
・3T+3T 2
・その他 3 (+無効要素1)
★セカンドトリプル(ファースト4Tと3T以外) 48

・4Tを2度跳んだプログラム 2
・3Tを2度跳んだプログラム 17
 ・3T+3T 2
 ・単独とファーストジャンプ 2
 ・セカンドジャンプを2度 10
 ・単独とセカンドジャンプを1度ずつ 2
 ・ファーストジャンプとセカンドジャンプを1度ずつ 1

・ダブルやシングルになった単独、ファーストジャンプ 3
 ・うち、ダブルやシングルしか跳ばなかったプログラム 1

・ファーストトウ、セカンドトリプルトウを試みなかったプログラム 12

・単独4Tの成功率 21.4%
・単独3Tの成功率 85.7%

セカンドトリプルのポップは勘定に入れていませんから、試みなかったプログラムのほとんどはセカンドトリプルの予定で失敗したのだと思われます。申し訳ないですが、省きました。なおSPでは67.5%、フリーでは53.3%のプログラムに+3Tが入っている、ということになります。
ついでですが、SPでセカンド3Tに挑戦している選手とクワドコンボに挑戦している選手を足すと、およそトリプルアクセルに挑戦している人数と同じかやや少ないくらいになります。男子のセカンドトリプルは難しくないという考え方の方は少なくないようですが、確実に決めるには決して侮れない技であることは考慮に入れておいてもいいかもしれません。

というわけで、単独ジャンプの集計はここまでです。次回はコンビネーションジャンプについて、もう少し突っ込んで集計してみたいと思います。

男子のループとサルコウ

昨日更新予定で準備していた記事をアップできなかったので、今日はできればふたつアップしたいと思います。まずは1つめ。

GPシリーズ男子のジャンプ集計、今回はループとサルコウを軽くいってしまいます。
女子のときはループとトウループをセットにしたのですが、男子ではコンビネーションのセカンド以降としてはほとんど使われていませんので、セットでの扱いは意味がないなと判断しました。
サルコウには4回転がありますが、これも今回試みているのが二人だけ(しかも一人は常にコンビネーション…)ということでわりと軽く取り扱いたいと思います。
そのうちコンビネーション特集も組んでフィーチャーしますから、レイノルズファンはそのときをお待ちくださいませ。

<トリプルループ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 3
・GOEマイナスのジャンプ 3
・ダウングレードのジャンプ 0
合計 6
ベストGOE アンドレイ・ルータイ(ロシア杯) 0.6

・コンビネーション(少なくとも+COMBOのついた)ジャンプ 0
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 2

・トリプルループ、ファーストループを全く試みなかったプログラム 69

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 44
・GOEマイナスのジャンプ 15
・ダウングレードのジャンプ 1
合計 60
ベストGOE パトリック・チャン(スケートアメリカ) 1.6

・コンビネーション、シークエンスのファーストジャンプ 7
 ・うちトリプルループを2回跳んだプログラム 2
・コンビネーション、シークエンスのセカンドジャンプ 1
・ダブルやシングルになってしまったファーストジャンプ 12
 ・うち、ダブルやシングルしか跳ばなかったプログラム 9

・トリプルループ、ファーストループを全く試みなかったプログラム 2

単独ジャンプの成功率 71.2%


<サルコウジャンプ>

◆SP
★4S
・ダウングレードのジャンプ 2
合計 2
★3S
・GOE0以上のジャンプ 2
合計 2
ベストGOE ヤニック・ポンセロ(ロシア杯) 1.0

・コンビネーションジャンプ
 ・4S 2
 ・3S 0
・ダブルやシングルになったジャンプ 0

・サルコウを全く試みなかったプログラム 71

◆FS
★4S
・GOEマイナスのジャンプ 1
合計 1
★3S
・GOE0以上のジャンプ 35
・GOEマイナスのジャンプ 10
・ダウングレードのジャンプ 0
合計 45
ベストGOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ) 1.8

・コンビネーション、シークエンスのジャンプ
 ・4S 2
 ・3S 26 (+無効要素1)
  ・うちトリプルサルコウを2回跳んだプログラム 3
・クワドとトリプルを跳んだプログラム 2 (+無効要素を含むプログラム1)
 ・単独のクワドとトリプルのコンビネーション 1
 ・クワドのコンビネーションと単独のトリプル 1
・ダブルやシングルになったジャンプ 7
 ・うちダブルやシングルしか跳ばなかったプログラム 6

・サルコウを全く試みなかったプログラム 2

単独3Sの成功率 78.7%


というわけで、ループ、サルコウは女子よりもさらにSPでは使われにくいジャンプということになります。フリーでは、多くの選手が1度だけ跳んでいるようです。逆に、跳ばない選手はうんと少なくなりますね。
そしてクワドサルコウに挑戦する二人の選手(ケヴィン・レイノルズ選手とスコット・スミス選手)は、どちらもフリーでトリプルサルコウも跳んできています。1度トリプルになってしまったときは、他のジャンプにコンビネーションがつけられなかったり回転が抜けたりしたためにザヤックルールには引っかからなかったのですが、臨機応変な対応が求められるといえそうです。
フリーの傾向で興味深く見たのは、ループはほとんどコンビネーションにせず、サルコウでコンビネーションにする選手が多めだということです。
ザヤックルールのメリットをフルに使おうとすれば、2種類のジャンプを2回跳ぶことにしてコンビネーションにしますが、もうひとつ、1度だけ跳ぶジャンプにもコンビネーションをつけることができます。あるいは、2度跳ぶのは1種類だけにしてもう2種をコンビネーションにしている場合もありますが、いずれにせよ、コンビネーションでしか跳ばないジャンプとしては、今までのところサルコウが最も多く、アクセルをのぞけばループが一番少ない、ということになります。
どうやらループはコンビネーションに続けにくい、という傾向が見えてきそうです。

なお、セカンドジャンプで跳んだ唯一のトリプルループは、2Lo+3Lo+SEQという失敗ジャンプでしたが、ダブルループからなんとかトリプルループにつなげたNHK杯のソーヤー選手、根性あったなぁと思います。

2008年2月 1日 (金)

男子のルッツとフリップ

2月になりました。2月は四大陸選手権。エントリーが発表されていますので、アジアや北米の選手に興味のある方はISUのサイトをぜひチェックしてみて下さいね。
昨日の記事から、ブログ検索に引っかかるような設定にしました。資料室さんの方でホームページ表示はしないつもりです。

さて、GPシリーズのジャンプ集計、今回は男子のルッツとフリップです。

<トリプルルッツ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 24
・GOEマイナスのジャンプ 10
・e判定のジャンプ 1
・ダウングレードのジャンプ 3
・ダウングレード&e判定のジャンプ 0
合計 38
ベストGOE ブライアン・ジュベール(スケートカナダ)、ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.4

・コンビネーション(少なくとも+COMBOのついた)ジャンプ 20
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 7

・ルッツジャンプを全く跳ばなかったプログラム 12

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 26
・GOEマイナスのジャンプ 18
・e判定のジャンプ 2
・ダウングレードのジャンプ 3
・ダウングレード&e判定のジャンプ 0
合計 49
ベストGOE ブライアン・ジュベール、ヴォーン・チピアー(スケートカナダ) 1.4

・コンビネーション(二度目の単独ジャンプを含む)ジャンプ 44
 ・うち、トリプルルッツを2度跳んだプログラム 24
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 13
 ・うち、ダブルやシングルしか跳ばなかったプログラム 6

・ルッツジャンプを全く跳ばなかったプログラム 2

単独ジャンプの成功率 57.5%

<トリプルフリップ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 6
・GOEマイナスのジャンプ 5
・e判定のジャンプ 5
・ダウングレードのジャンプ 0
・ダウングレード&e判定のジャンプ 0
合計 16
ベストGOE ジョニー・ウィアー(中国杯、ロシア杯) 1.0

・コンビネーションジャンプ 31
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 2

・フリップジャンプを全く跳ばなかったプログラム 28

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 22
・GOEマイナスのジャンプ 13
・e判定のジャンプ 7
・ダウングレードのジャンプ 4
・ダウングレード&e判定のジャンプ 0
合計 46
ベストGOE ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(エリックボンパール杯)、高橋大輔(GPファイナル) 1.6

・コンビネーションジャンプ 36
 ・うち、トリプルフリップを2度跳んだプログラム 21
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 10
 ・うち、ダブルやシングルしか跳ばなかったプログラム 7

・フリップジャンプを全く跳ばなかったプログラム 9

単独ジャンプの成功率 45.2%

4回転に挑戦する選手は、助走の似ているフリップと、コンディションに合わせてジャンプを入れ替えられるようにしていたりしますので、ルッツに比較するとフリップを跳ぶ回数は全体に少ないようです。
また、女子とはまったく逆に、フリップのほうがロングエッジを取られる頻度も高く、これがフリップの成功率を下げています。
やはり男子選手では、女子選手よりもだいぶルッツジャンプが得意な選手が多いようです。

また、ショートプログラムでは、どちらかというとフリップをコンビネーションに、ルッツをステップからのジャンプに使う選手が多いようです。4回転も、ショートプログラムに入れる場合はコンビネーションにして、ステップからのジャンプはルッツを跳ぶ、という選手が多めです。

2008年1月31日 (木)

男子のアクセルジャンプ

GPシリーズ、女子に引き続き男子のジャンプ統計をしてみたいと思います。

今回は、最初にアクセルジャンプです。実は私は男子のトリプルアクセルフェチなので、アクセルを一番張り切って集計しました。
何しろ好きなので最後に残しておきたいような気もしましたが、何しろ男子はジャンプの回転数が増えますので、4回転とコンビネーションに頻出のややこしいトウループはできれば最後にしたいのです。アクセルから、ルッツ、フリップという順番で言ってみようと思います。

<アクセルジャンプ>
◆SP
実施したアクセルの回転数
・3A 65
・2A 10
・1A 2

それぞれのGOE
★3A
・GOE≧2 1
・1≦GOE<2 14
・0≦GOE<1 28
・GOE<0 18
・ダウングレード 4
ベストGOE ヴォーン・チピアー(スケートカナダ) 2.0

★2A
・1≦GOE<2 4
・0≦GOE<1 6
・GOE<0 0
・ダウングレード 0
ベストGOE ステファン・ランビエール(ロシア杯) 1.4

◆FS
単独ジャンプ
・3A 59
・2A 67
・1A 15
コンビネーションジャンプ
・3A 43
・2A 11 (+無効要素1回)

単独ジャンプのGOE
★3A
・1≦GOE<2 8
・0≦GOE<1 11
・GOE<0 34
・ダウングレード 6
ベストGOE セルゲイ・ヴォロノフ(エリックボンパール杯) 1.8

★2A
・1≦GOE<2 10
・0≦GOE<1 46
・GOE<0 11
・ダウングレード 0
ベストGOE ケヴィン・ヴァン・デル・ペレン(エリックボンパール杯) 1.2

アクセルの回数
・3A2回 37
 ・2A2回 1
 ・2A1回 24
 ・2A0回 12 (うち、1A1回 3)
・3A1回 28
 ・2A3回 1
 ・2A2回 7 (+無効要素1回)
 ・2A1回 12 (うち、1A1回 2)
 ・2A0回 7 (うち、1A1回 3 、1A2回 3)
・3A0回 12
 ・2A3回 4
 ・2A2回 6
 ・2A1回 2

単独トリプルアクセルの成功率 50.0%
単独ダブルアクセルの成功率 90.4%

いかがでしょう。
GPシリーズに出てくるほどの選手となればトリプルアクセルは標準装備が当然というような状況ですね。そして、いいものにはGOEをたっぷりもらえる、というジャンプでもあります。ジャッジにも私のような趣味の人が少なくないのでしょうか? ダブルアクセルと加点幅は同じであるはずなのに、成功率と比較しての加点状況はだいぶ違います。
それゆえに、4回転の基礎点をもう少し高くした方がいいのでは、という議論が起こるのでしょうね。

チピアー選手、ヴォロノフ選手のジャンプの良い点は、共通して言えるのは高く、また幅も十分なジャンプであるということ。
チピアー選手がさらに優れているのは助走のスピードが非常に速くて高さも抜群にあり、着氷がきちんとできさえすればそのエネルギーで自然に着氷も伸びる、ということです。しかし、あまりにスピードがあるため、成功率はいまひとつのようです。
スピードがあってなかなか成功しないといえば、ポンセロ選手も、成功したものには1点以上の加点がつきますがGOE-3も多いという両極端な選手です。
このスピードコントロールが抜群に上手かったのが、女子になってしまいますが、伊藤みどりさんです。往年の名スケーターであり現代の名コーチである佐藤信夫さんは著書の中で、あれだけ速いスピードからジャンプを決められたのは、スピードをコントロールするだけのスケーティング技術があったということだと、伊藤さんのスケーティングを賞賛しています。
現在の女子では「加点の女王」とひそかにいわれたりしているキム選手が、やはりスピードをコントロールして大きなジャンプを跳ぶ技術に長けています。コストナー選手にも素晴らしいスピードがありますが、ジャンプの失敗も多く、しっかりコントロールしきれているとはまだいえないようです。
ヴォロノフ選手らロシア系の選手は、着氷時のチェックがとても美しく、すらりと伸びたフリーレッグと同様、着氷後の滑りにも余韻を持たせる点が独特です。ヴォロノフ選手はそれに流れも優れています。ロシアにはいまスピードのある選手があまりいないのですが、彼は比較的よい流れを作って跳べている選手だと思います。
他のロシア選手は、この助走速度からよくもまああれだけ高く飛び上がれるなと逆に感心するくらい助走が遅かったりします。高さでいえば中国の選手も優れています。もちそんそれも目を見張るような素晴らしいジャンプですが、速度がなく高さのみのジャンプは、着氷後にあまり流れなかったりします。コンビネーションでセカンドジャンプ以降が失速しがちなのはこういったジャンプの特徴です。
着氷姿勢と流れの美しさといえば、ウィアー選手も優れています。彼もまた跳べば1点以上の加点が見込めるほどよいトリプルアクセルを持っています。
若いチャン選手のトリプルアクセルも、評価が高いです。彼はやはりスピードを生かした、幅と流れのある、さらに着氷姿勢も美しいジャンプを跳びます。今後、コンビネーションもはやく演技の中で見たいですね。
高橋選手もトリプルアクセルの評価は高いです。彼の優れている点は、助走でほとんど構えず、空中姿勢が美しい点です。空中姿勢が美しいと、回転速度が速いので高さがなくても成功する利点がありますが、彼の場合今季高さも加わってきて、跳び上がりと着氷に余裕ができ、とても美しいジャンプに見えるわけです。

ダブルアクセルは、男子でもフリーではかなり使われている、ということもこの統計でおわかりいただけると思います。回転が抜けてしまったというケースも少なくはないと思いますが、むしろ、男子のジャンプの回数が女子よりも1回多く、3回転3回転のジャンプを跳ぶ選手も圧倒的に多いためです。
単純に計算しますと、アクセル含む6種トリプルを持っている選手はザヤックルール上トリプルが8回跳べるわけですが、トリプルトウをセカンドジャンプにするとファーストジャンプでは7回までしか跳べません。1つ余ったところに4回転を入れられる選手もいますが、ダブルアクセルにおさめる選手の方がまだ多いのです。また、4回転で体力を消耗するからこそ、後半トリプルジャンプを1つ抜かしてダブルアクセルにとどめる選手もいます。4回転が跳べるけれどトリプルアクセルが非常に苦手という選手もいます(そうですSP2AのベストGOEをマークしたあの人です)。
また、女子の時に「セカンドトリプルが2回跳べる選手こそダブルアクセルを活用している」と述べましたが、それは男子でも同じことです。コンビネーションジャンプを非常に得意とするヴァン・デル・ペレン選手がベストGOEを獲得しているのも、納得です。今年は出場していない織田選手も、3A+3T+3Loを最初に跳ぶ時は、ダブルアクセルを2回跳んでいました。
そういえば日米対抗で高橋選手が最後にダブルアクセルを跳んだのは、何のジャンプを何回跳んだのかよく覚えていなかったかららしいです。このように、ザヤックルール対策の切り札としても使えますが、コンビネーションの得意な人はコンビネーション制限の方にむしろひっかからないよう、余分なものはつけずに跳ぶのが望ましいですね。

というわけで、余分な解説がかなり長くなってしまいました。趣味に走ったようでごめんなさい。
少しでも興味を持たれましたら、みなさんも是非、男子のトリプルアクセルをさまざまな視点で楽しんでみて下さいませ。

2008年1月29日 (火)

女子のアクセル

GPシリーズのジャンプのまとめ、女子の最後になりました、ダブルアクセルです。

欧州選手権や全米選手権の話題が今ホットですけれど、そんなこととは全然関係なくてすみません。ていうかうちにはCS入れていないんです。
欧州選手権の方はYouTubeでいくつか演技を見ております。アイスダンスの得点はいい感じでしたが、あとは全体にベストパフォーマンスとはいえない出来が多かったようです。ヴェルネル選手によると、少し氷が硬かったとか。けれども、世界選手権に向けて、みなさんいい形で課題を見つけていけていたらいいですね。

さて、本題です。ダブルアクセルはショートプログラムの必須要素、またフリーにおいてもいずれかのアクセルジャンプを入れなければならないことになっており、女子ではもっとも一般的なジャンプと言えるかもしれません。
そこで、少し集計方法を変えてみました。特にフリーでは、最高3回まで跳べるうえシークエンスにも使えて、とにかく用途が広い。プログラム中でどんな風に使われることが多いのか、最後にいろいろと考察してみました。

<ダブルアクセル>

◆SP
・1≦GOE<2のジャンプ 11
・0≦GOE<1のジャンプ 47
・GOE<0のジャンプ 12
・ダウングレードのジャンプ 3
・シングルになったジャンプ 2
ベストGOE 金妍兒(GPファイナル) +1.4

◆FS
・1≦GOE<2のジャンプ 8
・0≦GOE<1のジャンプ 33
・GOE<0のジャンプ 14
・ダウングレードのジャンプ 0
・シングルになったジャンプ 4
ベストGOE 浅田真央(スケートカナダ)、金妍兒(GPファイナル) +1.4

・(シングルを含め)単独で2度跳んだプログラム 9
・トリプルアクセルしか跳ばなかったプログラム 3
・単独アクセルを跳ばなかったプログラム 21

≪コンビネーションの種類≫
・2連続
2A+3T 6
2A+3T< 4
2A+2T 14 (+無効要素1回)
2A+2T< 1
・3連続
2A+3T+2T 1
2A+2Lo+2Lo 2
2A+2Lo+2Lo< 1
2A+2T+2Lo 5
2A+2T+2T 3
2A+2T+1Lo 2
2A+1T+1T 1
・ダウングレード、シングル
2A<+2T 1
1A+2T 2

≪シークエンスの種類≫
3Lo+2A+SEQ 2
3S+2A+SEQ 1
3T+2A+SEQ 2
2A+2A+SEQ 3
2A+1A+SEQ 1
コネクション失敗(2A+SEQ) 1

・(シングルを含め)コンビネーション、シークエンスで2度跳んだプログラム 4
 (+無効要素を含むプログラム1回)
・コンビネーション、シークエンスを跳ばなかったプログラム 27

・単独ジャンプとコンビネーション、シークエンスをともに跳んだプログラム 28

△アクセルを跳んだ回数▽
・3回 6
 ・トリプルアクセルを含む 2
 ・2A+2A+SEQを含む 1
 ・コンビネーション、シークエンスが2回 2
 ・単独が2回 1
・2回 35 (+無効要素を含むプログラム1回)
 ・シングルアクセル2回 1
 ・シングルアクセルを含む 1 (+無効要素を含むプログラム1回)
 ・2A+2A+SEQ 2
 ・2A+1A+SEQ 1
 ・単独とコンビネーション、シークエンスを1回ずつ 21
 ・単独ジャンプを2回 7
 ・コンビネーション、シークエンスで2回 2
・1回 32
 ・トリプルアクセルのみ 3
 ・シングルアクセルのみ 2
 ・単独のみ 12
 ・コンビネーションのみ 15


とにもかくにも中野選手の漢気に圧倒させられる内容です。セカンドトリプルこそないものの、全てのファーストジャンプに3を並べているのは、彼女だけ。ループジャンプだけ跳んでいませんが、練習しているトリプルトリプルのセカンドはループだということなので、今後がますます楽しみです。

しかしながら、ダブルアクセルを多く跳ぶのは決して難度の低いプログラムを意味するわけではありません。
2度のセカンドトリプルを跳べる人は、7トリプル構成のまま2度のダブルアクセルを入れることができます。これはトリプルアクセルを持たない場合の最高難度の構成です。その構成に挑戦しているのがキム選手、コストナー選手、そしてグランプリファイナルのマイズナー選手です。安藤選手も、2A+3Tを練習したりして7トリプル2ダブルアクセル構成の導入を目指していたようです。
また、ジャンプシークエンスを用いて、トリプル-ダブルのコンビネーションを多用するより高得点を狙う構成もあります。シークエンスで7トリプル2ダブルアクセル構成を実施したのがロシェット選手です。シークエンスはあまり多くの選手が試みないので、新鮮な構成にもなります。

2Aを一回だけという構成でも、2A+3Tを活用して7トリプル構成を実現している選手もいます。中国の許斌姝選手です。トリプルトリプルは難しいですが、これならば7回のジャンプで一回ずつトリプルを跳びなおかつ必須のアクセルジャンプも入れることができる、という構成です。私は彼女のスピンもなかなか好きなので、安定性と基礎スケーティングを磨いて上位に来てほしいですね。

もちろん、トリプルジャンプの種類が少ない選手にとってもダブルアクセルは非常に重要なジャンプです。それでも使い方によって新鮮さを持たせようとしているのが武田選手。2A二回構成の中のコンビネーション、シークエンスを2回という構成は彼女のものです。ひとつは3連続ジャンプ、ひとつは得意なトリプルループとのジャンプシークエンスにすることで、ダブルアクセルであっても見応えのある内容にしています。
現在彼女は3T+3Tを成功させ、3Fも安定させようとしています。これらのジャンプが安定すれば、今でも素晴らしいループジャンプとスピンを持っている選手、きっとさらに上に行くことができるのではないでしょうか。


というわけで、女子のジャンプ集計はここまで。いかがでしたでしょうか。

ところどころ集計方法が原始的なところもありますので(暗算とか(笑))、数字が間違っているところもあるかもしれませんが、まあ大きな数字の狂いはない…と思います。そのうちもういちど検算してみて、間違いがあったら随時訂正していきたいと思います。

2008年1月28日 (月)

女子のループとトウループ、そしてサルコウ

前回はルッツとフリップに関して集計をしてみましたので、今回はそれ以外の一般的なトリプルジャンプについてです。
ダブルアクセルは数が多いしザヤックの対象外なので、ちょっと集計方法を変えなければ、と考えておりますので後回し。トリプルアクセルについては…集計なんて要らないですよね? 男子については後ほど、と思っております。

ループとトウループはコンビネーションにつけられるジャンプということで、その傾向の違いを比較してみたら面白そうだと思ったのですが、なにぶんコンビネーションの方は質問わずで集計しておりますので、意味のある数字を見つけてくるにはもうひと踏ん張り工夫が必要だったかもしれません。
あとポップしたジャンプについてはファーストジャンプのみ集計で、セカンドトリプルのポップは集計対象外です。
まあ話半分で見てやってください。

<トリプルループ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 7
・GOEマイナスのジャンプ 1
・ダウングレードのジャンプ 0
合計 8
ベストGOE キーラ・コルピ(ロシア杯) 1.0

下3項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーションのファーストジャンプ 2
・コンビネーションのセカンドジャンプ 3
・ダブルやシングルになってしまったファーストジャンプ 0

・トリプルループやファーストループを試みなかったプログラム 62

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 17
・GOEマイナスのジャンプ 13
・ダウングレードのジャンプ 9
合計 39
ベストGOE 浅田真央(エリック・ポンパール杯) 1.2

下6項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション、シークエンスのファーストジャンプ 11
 ・うち、2回のトリプルループを跳んだもの 5
・コンビネーションのセカンドジャンプ 3
 ・うち、2回のトリプルループを跳んだもの 3
・ダブルやシングルになってしまったファーストジャンプ 7
 ・うち、ダブルやシングルしか跳べなかったプログラム 2

・トリプルループやファーストループを試みなかったプログラム 27

単独ジャンプの成功率51.1%

<トリプルトウループ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 2
・GOEマイナスのジャンプ 4
・ダウングレードのジャンプ 1
合計 7
ベストGOE 武田奈也(スケートカナダ、NHK杯) 0.8

下3項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーションのファーストジャンプ 6(※1)
・コンビネーションのセカンドジャンプ 9
・ダブルやシングルになってしまったファーストジャンプ 0

・トリプルトウやファーストトウを試みなかったプログラム 53

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 11
・GOEマイナスのジャンプ 17
・ダウングレードのジャンプ 7
合計 35
ベストGOE 許斌姝(中国杯) 0.6

下6項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション、シークエンスのファーストジャンプ 17
 ・うち、2回のトリプルトウを跳んだもの 15
・コンビネーションのセカンドジャンプ 22
 ・うち、2回のトリプルトウを跳んだもの 7(※2)
・ダブルやシングルになってしまったファーストジャンプ 7
 ・うち、ダブルやシングルしか跳べなかったプログラム 3

・トリプルトウやファーストトウを試みなかったプログラム 9

単独ジャンプの成功率31.0%

(※1:このうち3つは3T+3T。つまり下の項目のうちの3つと重複している)
(※2:このうち4つはセカンド3Tを2回跳んでいる。つまりセカンドトリプルトウを試みたプログラムは18プログラムということになる)


というわけで、こちらはかなり顕著な差になりましたね。フリーでセカンドトウを試みる人が爆発的に増えるのは、実は2A+3Tをやってる人が結構多いためのようです。
本田武史さんの「このコンビネーションの点数はトリプルアクセル一回分に相当します」というのを何度も聞いているような気がしますが、要するに使い勝手の良いコンボだということでしょうね。実は3+3のほかに2A+3Tのコンビネーションを入れている場合、3+3を2回のプログラムと大きな得点差は生じないのです。
3Lo+3Tだってクワド1回分に相当するはずですが、こちらはほとんど跳ばれない為かまったく聞いたことがないような気がします。

さて、残りのサルコウです。


<トリプルサルコウ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 4
・GOEマイナスのジャンプ 2
・ダウングレードのジャンプ 1
合計 7
ベストGOE 方丹(中国杯、エリックボンパール杯) 0.4

下2項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーションジャンプ 1
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 0

・サルコウを全く試みなかったプログラム 67

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 26
・GOEマイナスのジャンプ 10
・ダウングレードのジャンプ 10
合計 46
ベストGOE ジョアニー・ロシェット(スケートカナダ、ロシア杯)、アシュリー・ワグナー(スケートカナダ)、金妍兒(中国杯)、カロリーナ・コストナー(NHK杯) 0.8

下4項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション、シークエンスのジャンプ 19
 ・うち、2回のトリプルサルコウを跳んだもの 15
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 13
 ・うち、ダブルやシングルしか跳べなかったプログラム 9

・サルコウを全く試みなかったプログラム 15

単独ジャンプの成功率56.6%

というわけで、前回とあわせて5種のトリプルを見て、このことがわかりました。
『グランプリシリーズで最も多く試みられたトリプルジャンプはトリプルルッツである』
『単独、コンボあわせて最も少なかったのはトリプルループである』
ついでに単独成功率はサルコウが高いです。トウループ、意外にも最低です。

母体がレベルの高い方々なので、だから何という感じの自己満足統計ですが、まあ適当に楽しんでいていただけてますと、幸いです。

2008年1月27日 (日)

女子のフリップとルッツの意外な数字

またしてもGPシリーズの自己満足統計です。

今回は、女子シングルのルッツとフリップについて調べてみました。
母体となるデータは、GPシリーズの全プロトコル。のべ75のショートプログラムと74のフリースケーティングのエレメンツです。
ただし詳しく調べたのは単独ジャンプのみです。参考のためにコンビネーションなどの総数も表記しましたが、その質についてはまったく考慮していません。プロトコルから機械的に出していまして、コンビネーションジャンプや、シングルやダブルになってしまったジャンプなど、調査の甘いところは多々あるのですが、話半分でみてやってください。

<トリプルフリップ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 7
・GOEマイナスのジャンプ 11
・e判定を受けたジャンプ 6
・ダウングレードのジャンプ 1
・ダウングレード+e判定のジャンプ 1
合計26
ベストGOE ユリア・シェベスチェン(中国杯) +1.0

下2項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション(少なくとも+COMBOのついた)ジャンプ 21
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 6

・フリップを全く試みなかったプログラム 21

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 13
・GOEマイナスのジャンプ 11
・e判定を受けたジャンプ 3
・ダウングレードのジャンプ 6
・ダウングレード+e判定のジャンプ 3
合計36
ベストGOE ジョアニー・ロシェット(ロシア杯) +1.2

下4項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション、シークエンスのジャンプ(2度目の単独ジャンプ+SEQを含む) 37
 ・うち、2回のトリプルフリップを跳んだもの 18※
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ(単独、コンボ問わず) 19
 ・うち、ダブルやシングルしか跳べなかったプログラム 7

・フリップを全く試みなかったプログラム 13

単独ジャンプの成功率32.3%

(※このうちの3回はコンビネーションジャンプが2回のプログラム! つまり、2回跳んだプログラムよりコンボのみを1度だけ跳んだプログラムの方が多いように錯覚するが、実際にはコンボのみを1度だけ跳んだプログラムは37-18-3=16回ということになる)

<トリプルルッツ>

◆SP
・GOE0以上のジャンプ 8
・GOEマイナスのジャンプ 11
・e判定を受けたジャンプ 6
・ダウングレードのジャンプ 1
・ダウングレード+e判定のジャンプ 1
合計27
ベストGOE 金妍兒(GPファイナル) +1.8

下2項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション(少なくとも+COMBOのついた)ジャンプ 29
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ 5

・ルッツを全く試みなかったプログラム 14

◆FS
・GOE0以上のジャンプ 19
・GOEマイナスのジャンプ 8
・e判定を受けたジャンプ 7
・ダウングレードのジャンプ 9
・ダウングレード+e判定のジャンプ 8
合計51
ベストGOE キミー・マイズナー(エリック・ボンパール杯)、金妍兒(GPファイナル) +1.2

下4項目はジャンプの質を考慮しないでの参考統計。
・コンビネーション、シークエンスのジャンプ(2度目の単独ジャンプ+SEQを含む) 39
 ・うち、2回のトリプルルッツを跳んだもの 28
・ダブルやシングルになってしまったジャンプ(単独、コンボ問わず) 18
 ・うち、ダブルやシングルしか跳べなかったプログラム 6

・ルッツを全く試みなかったプログラム 6

単独ジャンプの成功率34.6%

単独ジャンプの成功率といっても、コンビネーションをやろうとしたけれどセカンドジャンプがつけられなかった、というのまで成功とか失敗とか出していますから、あまり質のいい数字ではありません。
それにしても、フリップよりルッツを試みているスケーターの方がかなり多い上に、成功率も大差ないというかフリップの方がちょっと低いです。
しかし、実は失敗の内訳の方がちょっと様子が違います。
フリップジャンプの失敗は、プロトコル表記はそのままのGOE減が35%を占めるのに対し、ルッツではそれは24%に過ぎません。ルッツではe判定、ダウングレード+e判定の割合がかなり多いのです。成功失敗に関わらずのリアルフリップ判定は49件で79%、リアルルッツ判定は56件で71.8%です。

ついでにフリップのコンビネーション2回のプログラムとは、ピンと来た方もおられると思いますが、浅田真央選手の3回のプログラムです。
コンビネーション2回はザヤックルールには抵触しない、ということも、ご存知なかった方はぜひ覚えておいてくださいね。

別にこのデータから、何かしらの一般的な結論を導き出そうというつもりはこれっぽっちもありません。
母体に「シニアグランプリシリーズに招待されるようなレベルの高いスケーター」というバイアスがかかっているうえに、無名選手は1回、有名選手は2回、さらにファイナリストは3回の試合をのべ計算していますから、余計にレベルの高いスケーターを多く取り上げていることになります。
ですから、これをもとに基礎点がどうとか、エッジの判定方法がどうとかという一般化した議論をするのは、あまり意味のないものと思ってくださいね。

1/28 データをとばしてしまってもう一度集計し直したところ、いくつかの数字が間違っていましたので訂正しました。まだ間違っているかも…

2008年1月26日 (土)

GPシリーズより プログラム構成

スピンの図解を見て下さった方々、参考になりましたでしょうか?
せっかくブログも借りたことですし、この機会にちょっとずつ自己満足な統計データなどを紹介していこうと思います。

「近頃のプログラム構成はなんだか似たり寄ったり」という声を耳にします。

そこでプログラムの構成要素の順番がちょっぴり変わっているプログラムを、シニアGPシリーズの男女シングルのプログラムから探して紹介してみます。
まずわかりやすいところで、プログラムのはじめとおわりに注目です。

<ジャンプ以外の要素で始まるプログラム>
◆男子
スティーヴン・キャリエール SP CiSt
ショーン・ソーヤー FS CCoSp
◇女子
キミー・マイズナー SP SpSq
ベアトリサ・リャン SP CCoSp,FSSp
レスリー・ホーカー SP LSp
金彩華 FS FSSp

最初リャン選手が抜けていたので後から追加しました。ベベごめんなさい!

ジャンプ以外ではじまるプログラムはやはり少ないですね。どの選手も難しいジャンプをはじめに片付けてしまうというのがセオリーになってきています。
五十嵐さんの本によれば、かつてのステップなどから始まるプログラムは、最初に準備体操をするような感じで体を温めてからジャンプに向かうという狙いもあったそうです。
しかし現在のステップは準備体操どころではなく、もっとも足を疲れさせる要素になってしまっていますから、そういう点でも他の要素ではじめづらくなっているのでしょう。
ジュニアでは、長洲選手がフリーの最初にスパイラルを行っていますね。

この中でお気に入りのプログラムは、ソーヤー選手のフリー。
逆回転スピンに、クライマックスはスパイラルとなんでもありな感じのプログラム。ソーヤー選手でなくてはできないオリジナリティ満載です。音楽も、メロディラインのくっきりしたものではありませんが、私は聴いていてとっても気持ちよくなります。

続いて、終わり方に注目してみましょう。

<スピン以外の要素で終わるプログラム>
◆男子
ジェレミー・アボット SP,FS SlSt
ライアン・ブラッドリー SP SlSt
ヤニック・ポンセロ SP CiSt
南里康晴 SP SlSt
ジェレミー・コロ SP CiSt
◇女子
浅田真央 FS 2A
カロリーナ・コストナー FS 2A
キミー・マイズナー SP SlSt
ミラ・リュン SP CiSt
アレクサンドラ・イエフレワ FS CiSt
澤田亜紀 SP 2A

こちらは結構いろいろな終わり方がありますね。
華やかなバックスクラッチで演技を締めくくるのは昔から一般的だったようですが、静かに終わったり唐突に終わる音楽にはスピンでの締めは合わないかもしれません。そんなとき、多様な音楽に合わせやすいステップやアクセントをつけるジャンプなどの結末は、かなり有用といえるでしょう。
昨シーズンは高速スピンを大得意とする村主選手がボレロの音楽をステップで締め、ドーナツスピンでクライマックスを作れる中野選手もシンデレラの結末はダブルアクセルにしてきました。
今年はローリー・ニコルが女子選手達にそういった音楽を用意してダブルアクセルを上手に使ってあげています。もちろんジャンプの得意な選手だからこそさまになる締めくくりです。

一方、男子はジャンプで終わるプログラムはありませんね。
男子は軽やかなジャンプより力強いジャンプの印象を与えた方が得策でしょうし、ダブルアクセルで終わったりするとかえって「しょぼっ!」ってな印象になってしまうからかもしれません。
最後にトリプルアクセルで終わるプログラムなどあったら興奮して鼻血が出てしまいそうです。でも、男子選手は瞬発力の必要な動作をふんだんに使いますから、そんな体力を最後まで残しておくのは本当に大変なのでしょうね。